「IK MULTIMEDIA IRig Keys I/O」製品レビュー:マイク入力付きオーディオI/Oを持つキーボード・コントローラー

IK MULTIMEDIA IRig Keys I/O

REVIEW by 田中潤(ゲントウキ) 2017年12月30日

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いよいよ発売されました、IRig Keys I/O。IK MULTIMEDIAのキーボード・コントローラーで、コンパクト・サイズながら、マイク・インなどを備えるオーディオI/Oが備わっています。僕は“The 2017 NAMM Show”で発表されたと同時に購入を決めていたので、本当に待ち遠しかったです。それではレビューしていきます。

 

アフタータッチなど鍵盤の感触が良好
タッチ・スライダーや自照式ボタンを装備

従来、作編曲や録音という作業は幾つものデバイスを要することであり、スタジオや特定の場所で行われるものでした。しかしキーボード・コントローラー+オーディオI/OのIRig Keys I/Oとノート・パソコンがあれば、数少ないデバイスで場所を選ばずに作業できます。

IRig Keys I/Oは、Mac/WindowsはもちろんiOSにも対応しています。パソコンとの接続に使用するのは、付属のUSB/ミニDINケーブル。またLightning/ミニDINケーブルも付いており、APPLE iPadやiPhoneに接続する際も変換アダプターなど無しに直接つなげられます。さらにiPadやiPhoneを設置するためのスタンドも同梱されているので、ちょっとした作業の際も便利です。

25鍵と49鍵の2機種が用意されており、25鍵モデルには同社のワークステーション音源ソフトSample Tank 3のフル・バージョン、ソフト・シンセのSyntronik Pro-V、プラグイン・エフェクトのバンドルT-Racks CS Deluxe、DAWソフトABLETON Live 9 Liteのライセンスが付属。49鍵モデルには、これらに加えてオーケストラ音源Miroslav Philharmonik 2 CEが付きます。

今回は、49鍵モデルを使って使用感をチェックしました。まずキーボード・コントローラーとしてのIRig Keys I/Oは、鍵盤のタッチがとても良くて弾きやすいです。レスポンスも良く、特にアフタータッチの感触が秀逸で、微妙な演奏の表情を付けやすいよう設計されていると感じます。そして、ピッチ・ベンドとモジュレーションのコントロールがタッチ・センスのスライダーになっているのが今風です。個人的に、こういったスライダーはホイールやスティックよりも繊細なニュアンスを作りやすいと感じています。特にピッチ・ベンドは、グラデーションのように段階的な変化はもちろん、音階を飛び越えるような効果も指先で作れてしまうので、タッチ・センスならではの面白い表現が容易です。パッドは適度に柔らかく、ベロシティによりバック・ライト色が変化。この辺りも現代のクリエイター目線で、暗いライブ・ステージでも使いやすそうです。

 

96kHzに対応した内蔵オーディオI/O
ACアダプターや電池など多彩な電源

続いては、注目のオーディオI/O機能を見てみましょう。音声入力は、XLR/フォーン・コンボのマイク/ライン・インが1つだけ。潔いですね。内蔵のクラスAマイクプリは48Vのファンタム電源を備えているため、コンデンサー・マイクも接続できます。またHi-Zに対応しているので、エレキギターなどを直接つなぐことも可能。ゲイン・レンジはマイク入力時が46dB、楽器入力時が27dBとなっており、最高24ビット/96kHzのAD/DA分解能をサポートしています。音質は、曲のスケッチを録るには十分なクオリティだと思います。

このオーディオI/O機能ではバッファー・サイズを32サンプルまで下げられるため、極めて低レイテンシーで作業することができます。例えばノート・パソコンに接続し、弾き語りでスケッチを録るなんてことも可能です。
さらに小さな構成としては、iPadやiPhoneとの併用が挙げられます(写真①)。専用のACアダプターを使えばiPhoneを充電しながらどこでも作曲できるので、これはなかなか優れもの。単三電池×4本でも駆動するため、その場合はACアダプターさえ要りません。パソコンと接続すれば、USBバス・パワーで動作します。

またドライバーをインストールする必要がなく、デバイスに接続したそばから認識される辺り、音楽制作ビギナーの方でもすぐに使い始められそうな一台です。テクノロジーの進化はすごいですね。個人的にはIRig Keys I/Oとノート・パソコンのみで、パワー・スポットや雑踏の中で作曲してみたいものです。

 

▲リア・パネルには、左から電源切り替えスイッチ(USB/電池/オフ)、電源端子、デバイス用端子(ミニDIN)、ヘッドフォン端子(ステレオ・ミニ)、ライン・アウトL/R(フォーン)、ゲイン・ノブ、マイク/ライン・イン(XLR/フォーン・コンボ)、48Vファンタム電源スイッチ、インスト・イン(フォーン)を配置

▲リア・パネルには、左から電源切り替えスイッチ(USB/電池/オフ)、電源端子、デバイス用端子(ミニDIN)、ヘッドフォン端子(ステレオ・ミニ)、ライン・アウトL/R(フォーン)、ゲイン・ノブ、マイク/ライン・イン(XLR/フォーン・コンボ)、48Vファンタム電源スイッチ、インスト・イン(フォーン)を配置

 

▲IRig Keys I/Oの25鍵モデル

▲IRig Keys I/Oの25鍵モデル

 

▲写真① 付属スタンドを使いつつ、APPLE iPhoneと併用しているところ。iPhoneに立ち上げているのは、DAWアプリのIMAGE-LINE FL Studio Mobile(別売)

▲写真① 付属スタンドを使いつつ、APPLE iPhoneと併用しているところ。iPhoneに立ち上げているのは、DAWアプリのIMAGE-LINE FL Studio Mobile(別売)

 


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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年1月号より)

IK MULTIMEDIA

IRig Keys I/O

25鍵モデル(オープン・プライス:市場予想価格26,000円前後)、49鍵モデル(オープン・プライス:市場予想価格39,000円前後)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪鍵盤数:25鍵もしくは49鍵(モデル別で、いずれもベロシティ対応のフル・サイズ鍵盤) ▪パッド数:8(ベロシティ対応のマルチカラー自照式) ▪その他の操作子:スライダー・ストリップ(アサイナブル。デフォルトはピッチ・ベンドとモジュレーション)、オクターブ/プログラム・チェンジ・ボタン、トランスポート・ボタン、アサイナブルなタッチ・センス・ノブ×5 ▪接続方式:ミニDIN(付属のUSB↔ミニDINケーブルかLightning↔ミニDINケーブルを使用) ▪オーディオ入出力数:アナログ1イン/2アウト ▪ビット&サンプリング・レート:16/24ビット/44.1/48/88.2/96kHz ▪周波数特性:20Hz〜20kHz(±1.5dB/マイク・イン)、10Hz〜21kHz(±0.2dB/ライン・アウト) ▪対応OS:Mac/Windows/iOS ▪電源:USBバス・パワー(コンピューター接続時)、単三電池×4本(iOSデバイス接続時)、ACアダプター(別売のIRig PSU 3Aを使用) ▪外形寸法:693(W)×65(H)×208(D)mm(49鍵モデル)、373(W)×65(H)×208(D)mm(25鍵モデル) ▪重量:2.18kg(49鍵モデル)、1.26kg(25鍵モデル)

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