「ZOOM ARQ Aero RhythmTrak AR-48」製品レビュー:操作系が進化したリング・コントローラー搭載のグルーブ・マシン

ZOOM ARQ Aero RhythmTrak AR-48

REVIEW by Q'HEY(Moon Age Recordings) 2017年12月28日

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 昨年発売されたZOOMのグルーブ・マシンARQ Aero RhythmTrak AR-96(以下、AR-96)は、独創的な仕様と操作性で、驚きをもって世に迎え入れられました。最大の特徴は、インストゥルメント(音源)やエフェクト、シーケンサーなどを備えたベース・ステーションと切り離して使えるリング・コントローラー。感圧式のパッドや加速度センサーを備えるもので、Bluetooth LEを使った無線でのコントロールも行えます。このたびAR-96のシリーズ機として、ARQ Aero RhythmTrak AR-48が発売されたということで、AR-96からどのような進化をとげたのかレビューしたいと思います。

 

各セクションに専用の操作子を設け
スムーズなコントロールを実現

ARQ Aero RhythmTrak AR-48(以下、AR-48)は、400種類以上のPCM波形と70種類のシンセ・オシレーターを搭載するグルーブ・マシン。本体のオーディオ・インに入力した音や外部のWAVファイルもインストゥルメントとして扱え、それらを使ってシーケンスを組むことも可能です。

AR-96と比較して最初に気付くのは、ボタンやツマミが大幅に増えて、液晶ディスプレイも2つに増加した点。AR-96は、インストゥルメントやエフェクトのパラメーターを扱うツマミが3つのみというシンプルなデザインで、ディスプレイ上のページ切り替えによってアサインする機能を変えていました。しかしAR-48では、ベース・ステーションがサウンド/シーケンス/エフェクト/録音&再生の4エリアに分かれ、それぞれに専用の操作子があるため、よりダイレクトなコントロールが可能となっています。

2つの液晶ディスプレイは、サウンドとシーケンスに関する情報を個別に表示するため、両方を同時に確認することができます。これもうれしいアップデートですね。ただしAR-96が高精細なカラー・ディスプレイだったのに対し、本機はモノクロでドットも幾分粗いものになったという点で、シェイプ・アップが図られている模様です。

 

シーケンサー用のステップ・キーを装備し
打ち込みのしやすさが向上

リング・コントローラーに関しては、AR-96ではトップ、サイド、ボトムの各位置に32個のパッドが付いていて、それら計96個でインストゥルメントの演奏からシーケンサーへの打ち込みまでを行う形です。しかしAR-48ではトップに16個のパッドがあるのみで、随分と簡略化されました。一方、ベース・ステーションには32個のステップ・キーがスタンバイ。シーケンサーに向けたもので、パターン・モード時は2小節分の打ち込みが、ソング・モード時はパターンの登録が行えます。こうしてシーケンサー用の機能を独立させたことで、はるかに操作性や視認性が向上。しかもリング・コントローラーのパッド1個あたりの面積が倍になったため、機動性も上がりました。

AR-96のリング・コントローラーには充電池が内蔵され、ベース・ステーションに設置している間に充電していましたが、AR-48では単三電池×2を使うか、付属のUSBカール・コードでベース・ステーションと接続することで電源供給する仕様です。またエフェクトのオン/オフ、アルペジエイター、ソロ/ミュートなどのボタンが備えられ、リアルタイム演奏に一層幅を持たせられるように。こうしたアップデートにより、最大32ステップ打ち込める仕様を維持しつつ、パフォーマンス性をより発揮できるようにしたのでしょう。またAR-96と同様に、音が鳴ったときにリング・コントローラーのLEDがどのようにアニメーション表示されるか設定できます。ライブ・ユースの際に、魅せるパフォーマンスが行えそうですね。

AR-96以上に直感的な曲作りとパフォーマンスが可能となったAR-48は、まさに“音を楽しむ”ことができるグルーブ・マシンだと感じます。

 

▲ベース・ステーション(写真下の黒いハードウェア)のサイド・パネル。左から電源端子、MIDI OUT、オーディオ・アウトL/R(フォーン)、オーディオ・イン(ステレオ・ミニ)が備えられている

▲ベース・ステーション(写真下の黒いハードウェア)のサイド・パネル。左から電源端子、MIDI OUT、オーディオ・アウトL/R(フォーン)、オーディオ・イン(ステレオ・ミニ)が備えられている

 

▲リング・コントローラー(写真上の白いハードウェア)の側面には、ベース・ステーションと接続するためのUSB端子がスタンバイ。下のベース・ステーションには左から、リング・コントローラーとBluetooth LEで無線接続する際に必要な別売アダプターZOOM BTA-1をつなぐための端子、SDカード・スロット、リング・コントローラー接続用USB端子、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・ミニ)、Mac/Windowsから本体内SDカードの内容を確認する場合などに使うUSB端子を配置

▲リング・コントローラー(写真上の白いハードウェア)の側面には、ベース・ステーションと接続するためのUSB端子がスタンバイ。下のベース・ステーションには左から、リング・コントローラーとBluetooth LEで無線接続する際に必要な別売アダプターZOOM BTA-1をつなぐための端子、SDカード・スロット、リング・コントローラー接続用USB端子、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・ミニ)、Mac/Windowsから本体内SDカードの内容を確認する場合などに使うUSB端子を配置 

 

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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年1月号より)

ZOOM

ARQ Aero RhythmTrak AR-48

オープン・プライス(市場予想価格:31,482円前後)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
●ベース・ステーション ▪音源:PCM波形(400種類以上)、シンセサイザー用オシレーター(70種類)、外部オーディオ(本体のオーディオ・インから入力した音声、SDカードからインポートした16/24ビット/44.1kHzのWAVファイル) ▪シーケンサー・ステップ数:最大32ステップ ▪マスター・エフェクト:全16種類 ▪ディスプレイ:ドット・マトリクスLCD(128×32ドット)×2 ▪電源:ACアダプター(5V) ▪外形寸法:257.6(W)×63(H)×259(D)mm ▪重量:1.123kg(本体) ●リング・コントローラー ▪ベース・ステーションとの接続:USBまたはBluetooth LE(後者は別売のアダプターZOOM BTA-1が必要) ▪パッド数:16 ▪ベロシティ・カーブ:4タイプ ▪センサー:パッド用感圧センサー、3軸加速度センサー ▪電源:USBバス・パワーまたは単三電池×2(アルカリ乾電池もしくはニッケル水素充電池) ▪外形寸法:278.8(W)×29.7(H)×280.2(D)mm ▪重量:416g(本体)

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