「TURBOSOUND IP1000」製品レビュー:Bluetoothによるワイアレス・システムを構築可能なPAスピーカー

TURBOSOUND IP1000

REVIEW by 増田聡(Astroglia) 2017年10月12日

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名ブランド各社から次々と登場するコラム+サブウーファー型のパワード・スピーカー。ポータブルPAシステムの需要が高まる中、TURBOSOUNDがリリースしたIP1000をチェックしてみました。

 

設置スタイルに応じて
後方壁反射を補正するPOSIT.機能

ちょうど良いタイミングで、小規模ライブ・ハウスにてスタッフの懇親会が行われ、催しとしてラウンジDJをすることになったのでIP1000をSRスピーカーとして設置しました。今回は1台のみのテスト借用でしたのでモノラル・システムとなります。操作運用上のフィーリングを中心にお伝えしましょう!

それでは本体を設置していきましょう。DSP内蔵のサブウーファーの上面接続端子にコラム・スピーカーを挿し込むだけで簡単にセッティング完了。接続端子外側に4点のガイド・ピースがありますので、一発で安全に挿し込めますし、ガタやグラつきもありません。合計24.8kgの本体重量となりますが、設置作業において苦労する重さではないと感じます。“人間工学に基づいた”と称されるサブウーファーのハンドルは絶妙な深さ/角度が付いており、少なくとも成人男性なら片手でヒョイと持ち上げて歩くことができます。

リア・パネルには、XLR/TRSフォーン・コンボジャックのインプットA/B、パラアウト用のXLR端子が2つ備わっています。インプットのゲイン・コントロールはA/B個別で操作できるので複数のソースを扱いやすい設計です。Bluetooth接続によるオーディオ・ストリーミングも可能で、こちらもレベルは独立で操作できます。

設置が完了しましたのでDJから音を出しながらコントロール部を触っていきます。マスター・ボリューム、インプット別のゲイン・コントロール、そして4つのプリセットEQは、それぞれの周波数特性もカーブで表示してくれるので、シーンに合わせて好みの音を簡単にチョイスすることができるでしょう。さらに3バンドEQとサブウーファーの出力レベル、そしてPOSIT.という機能を使い音作りを追い込むことができます(写真①)。POSIT.とは後方壁反射を補正するDSP処理で、IP1000の設置スタイルに応じてCorner/Wall/Floorの3パターンから選ぶことができ、ロー側の周波数特性が変化します。

 

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▲写真① KLARKTEKNIKのDSPをコントロールするパネル部分。ここで、ボリューム、インプット・ゲイン、EQ、Position、Bluetoothなどの設定を行うことができる

 

Bluetooth機能は、ポータブルPA機器ではすっかりトレンドになりましたが、IPシリーズはこれがとても充実しています。まずはオーディオ・ストリーミング。これはインプットA/Bと別回線ですので気軽に接続することができます。そして専用のiOSアプリを使ってBluetooth接続によるフル・コントロールが可能です(画面①)。このiOSアプリはアイコン表示主体で設定状況を見渡すことに優れ、操作性も上々の感触でした。さらに、IPシリーズ同士をBluetooth経由でリンクしてステレオ・システムを構築するSLAVE機能を搭載しています。今回はこの機能を試すことはできませんでしたが、Bluetoothオーディオ・ストリーミングと併せて使えば電源を除き、オール・ワイアレスによるステレオPAシステムが運用可能です。

 

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▲画面① 専用のiOSアプリ“Turbo Control”。こちらでEQや音量などの遠隔操作が可能

 

 

パラメーターをリニアに処理してくれる
KLARKTEKNIKのDSPを内蔵

さて、肝心な出音についてです。今回は約50㎡のラウンジ・スペースだったのですが、パワー不足は全く感じません。8インチ×2基によるサブウーファーはコントロールに優れ、コラム側に搭載された8連の2.7インチMFドライバーがしっかりとラインアレイ効果を生み出し、距離に対しても減衰が小さく、そして至近距離でハンド・マイクを扱ってもハウリングが非常に起こりにくくなっています。そしてMFの上に1つだけ1インチHFコンプレッション・ドライバーがマウントされているのですが、これがいい仕事をします。

IPシリーズのようなタイプの製品は床に直接置いて使用することがほとんどだと思いますが、その場合やはり線音面の多くはオーディエンスに遮られてしまうことになります。そこで地上高にしておよそ2m弱、つまり頭の少しに位置するこのホーン型ツィーターがしっかりとスペースの端まで高音をスローイングしてくれるわけですね。K
LARKTEKNIKのDSPを内蔵する本機は、どのパラメーター操作もリニアに処理し、出力を上げていっても嫌なピークを発生させないまま保つので、とても扱いやすい印象を受けました。

省スペースながら十分なパワーを持ち、それでいて柔軟なコントロール性やサウンド補正機能はもちろん、ステージ・ユースに耐えられますし、イージーな設営/設置、ツボを押さえた便利な機能はラウンジ/カフェ/講演会など幅広い用途に対応可能な、まさにオールインワン・スピーカーと言えるでしょう。

 

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▲リア・パネルの端子は、左からLINK A(XLR)、INPUT A/B(XLR/フォーン・コンボ)、LINK B(XLR)を備える

 

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サウンド&レコーディング・マガジン 2017年10月号より)

TURBOSOUND

IP1000

オープン・プライス(市場予想価格:89,800円前後)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪構成:8インチ×2(低域)+2.75インチ×8(中域)+1インチ×1(高域) ▪周波数特性:50Hz〜20kHz(±3dB)、43Hz〜2 0kHz(−10dB) ▪水平指向角度:120°(−6dB) ▪最大音圧レベル:122dB SPL ▪クロスオーバー・タイプ:4ウェイ ▪アンプ・タイプ:クラスD ▪パワー・アンプ出力:1,000W ▪外形寸法:262(W)×1,955(H)×370(D) ▪重量:24.8kg

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