「PLUGIN ALLIANCE Fault」製品レビュー:複雑な処理が簡単に行えるピッチ&モジュレーション・プラグイン

PLUGIN ALLIANCE Fault

REVIEW by REMO-CON 2016年11月1日

Fault1

Faultという激ヤバ鬼マスト・プラグインを紹介します! 何が激ヤバって、触り始めは変態過ぎる音が容赦なく飛び出してきて、意味も分からず不安がよぎるのですが、“考えるな、感じろ!”のノリでいくと非常に使えるプラグインなのです。

FREQUENCY SHIFTERで
独特なシンセやノイズの上昇&下降音を

簡単に中身の構成をその独特のGUI左上から紹介していきます。大きく分けてINPUT、P.SHIFT(ピッチ・シフト)、FREQUENCY SHIFTER、FEEDBACK MATRIX、DELAY、FEEDBACK FILTER、SPECTRUM、OUTPUT。そして下段に隠れたエリアがあります。

それでは各セクションの中でちょいと気になるパラメーターをピックアップしながら進めていきましょう。

INPUTは文字通り入力レベルなのですが、Monoというボタンがあります。これはステレオ入力をL/R合わせてモノラルにしてくれるスイッチです。

その下のP. SHIFTにはLink(左右のリンク)とともにQuantizeを発見! 便利なことに、これをオンにするとピッチを半音単位で上下できるようになります。

さてその隣には、もしかするとなじみ薄いかもしれないFREQUENCY SHIFTERがドーンと居座っています。僕も感覚でしか分かっていないのですが、ピッチ・シフトとどう違うの?と思う方も多いでしょう。ピッチ・シフトは倍音の周波数比を維持したままシフト、つまり音色やハーモニーを原音の雰囲気に近く維持したまま上下させます(周波数の掛け算)。フリケンシー・シフトを使うと、各音の音色やハーモニーは維持されません(周波数の足し算)。と文字で説明しても何やら?ですね(笑)。実際に単音へかけていくと分かりやすいのですが、例えば昨今のEDM系で多用されるシンセやノイズの上昇音を作る際にこれを使うと、金属的な響きを感じさせながら、ピッチ・シフトとはちょっと違う上昇音や下降音を演出することができたりするのです。ちなみにBはセンターで、L/Rはそのまま左右。MULTやSPREADでBとL/Rの差をコントロールしていきます。

 

モジュラー・シンセさながらの
モジュレーション・セクションも用意

続くFEEDBACK MATRIXはディレイのフィードバックをコントロールするセクションで、DELAYはフィードバック量、SHIFTERはフィードバック音にかける変調量を調整するパラメーターです。SHIFTERの値を大きめに設定すると凶暴に共鳴するのがこれまた激ヤバなのですが、Stabilizeボタンをオンにしておくとおとなしく抑えることもできます。またKillボタンはフィードバック成分をミュートするのではなく、オンにした時点でディレイ自体を解除するという、ありそうでなかなか無い、使える機能だと思いました。

その次のDELAYとFEEDBACK FILTERは見たままですが、Filter Allスイッチをオンにすれば、ディレイ音だけでなく、原音もフィルタリングできます。

エフェクトとしては最終段にあるSPECTRUMもこれまた心くすぐられるセクションで、Ring ModeをオンにしてFREQUENCY SHIFTERをいじると、リング・モジュレーターと化して暴れてくれます。

そして、下方のMODURATIONと書いてあるところをクリックすると、新たなエリアが登場。ここにあるLFOを各パラメーターにパッチングしてコントロールできるという、ここまで説明すればもうお分かりの通り、その見た目も相まって、音源部の無いモジュラー・シンセという誰もが思いつく表現をせざるを得ません(画面①)。

▲画面① 画面下段のモジュレーション・ソース。サイン波、矩形波、サンプル&ホールドなどのLFOのほか、Input Follower(エンベロープ・フォロワー)を使って入力音量の大小で音色変化を付けることも可能。また、複数のパラメーターを同時に操作するためのマクロ・コントロールもこのセクションで作ることができる

▲画面① 画面下段のモジュレーション・ソース。サイン波、矩形波、サンプル&ホールドなどのLFOのほか、Input Follower(エンベロープ・フォロワー)を使って入力音量の大小で音色変化を付けることも可能。また、複数のパラメーターを同時に操作するためのマクロ・コントロールもこのセクションで作ることができる

……と、まるでとんでもない暴れん坊のように書いてきてしまいましたが、各パラメーターを少なめの値で設定すれば、高品位なモジュレーション・ディレイ、コーラス、トレモロ、オート・パンナーなどなど、マルチなエフェクターとして十分使えます。もちろんそういったプリセットも備わっているので、各パラメーターの意味がよく分からなくても安心です。

個人的には、2ミックスの要所要所にかけてDJプレイ中のエフェクト操作のようなダイナミックな使い方にも有効だと思います。例えばドラム・ループが続くような8小節の最後だけをFaultにぶっこんでやってアクセントをつけたり、曲中のブレイクなどで、サイケデリックに音を飛ばしまくってカオスな状態になったところで急に戻してみたりとか、想像するだけでもニヤニヤしてしまいますね。

とにかく使ってみないと分からないことが多いと思うので、何はともあれ、14日間フル機能を使用できるデモ版で存分に遊んでみることをお勧めします。Don’t Think!

 
製品ページ
http://miyaji.co.jp/MID/product.php?item=Fault

サウンド&レコーディング・マガジン 2016年10月号より)

 

PLUGIN ALLIANCE

Fault

オープン・プライス(市場予想価格12,000円前後)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
REQUIREMENTS ▪Mac:OS X 10.6以降、VST2/VST3/Au dio Units/AAX Native対応のホスト・アプリケーション、2GHz以上のINTEL製CPU ▪Windows:Windows 7/8/10、VST2/VST3/AAX Native対応のホスト・アプリケーション、INTEL Pentium 4/2GHz製以上のCPU(互換品を含む) ▪共通項目:2GB以上のRAM、1,440×900ピクセルまたは1,280×960ピクセル以上の解像度を持つディスプレイ

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