「AUDIENT ID22」製品レビュー:アナログ機器で有名な英国メーカーによる小型USBオーディオI/O

AUDIENT ID22

REVIEW by 鈴木Daichi秀行 2014年4月15日

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卓やマイク・プリアンプなどを開発する英国のメーカーAUDIENT。同社からDSP搭載USBオーディオI/Oとモニター・コントローラーが一体となったID22が発売。早速チェックします。

ADATを含めて最大10イン/14アウト
2系統のセンド&リターン端子も装備

まずは外観から。ズッシリと重みがあり、価格以上の高級感で、さすが英国メーカーといった感じです。ツマミやノブもしっかりとした作りで操作性もとても良いです。オーディオI/O機能としては最大24ビット/96kHzで、Mac/Windows対応。アナログ2イン/6アウト仕様で、入力はマイクプリ付きXLR/フォーン・コンボ×2(ch2のみフォーンのギター入力を兼備)、出力はフォーン×4とステレオ・フォーンのヘッドフォン×1系統。さらにオプティカルのデジタル・イン/アウトも1系統備え、S/P DIFとADATに対応します。また、2系統のセンド/リターン端子も装備されており、これによってA/Dの前段でEQやコンプといった外部アウトボードをインサートすることができるわけです。

一方、パネル上には中央に大きなボリューム・ノブを備えるほか、モニター用のDIMやCUT(ミュート)スイッチ、カスタム・アサイン可能な3つのファンクション・ボタン、2系統の入力に関連したスイッチなどが並びます。機能が一目で分かり、誰にでも簡単に使えるようなシンプルなレイアウトです。特に3つのファンクション・ボタンには、モニター・コントローラーとして便利なモノラル機能、位相反転、トークバック、スピーカー切り替えなどの中から自分の環境に合わせて好きなものをアサインできます(後述の専用ソフトを使用)。特にスピーカー切り替え機能では、出力につないだ2台のモニター・スピーカーを自由に切り替えながらの作業を可能にします。

 

どんなソースにも合うクリアな音質
プロ機にも迫るクオリティの高さ

ではサウンド・チェックに移りましょう。本機をAPPLE MacBook Pro+AVID Pro Tools 11に接続したシステムと、筆者のスタジオにあるPro Tools HDXシステム(Pro Tools HD 11)+HD I/Oで同一セッションを立ち上げ、切り替えながら比較試聴を行ってみました。ID22のサウンドはとてもクリアで、HD I/Oと比べると低域が若干スッキリした印象がありますが、とてもレンジが広くパンチもあって好印象でした。見た目の印象と同じく、とても紳士的でリッチなサウンドです。HD I/Oとの差異は補正で対応できる範囲内ですし、リファレンスとしても十分な性能を持っていると感じました。

2系統用意されているマイクプリもやはり同じ印象で、クリアな音質はどんなソースもしっかり受け止めてくれる安心感があります。この辺りは定評ある同社製品をはじめ、他メーカーへのOEM供給で長年培ってきた技術力のなせる業です。マイクプリ部には最大+60dBのゲイン・ツマミのほか、+48Vファンタム電源、−10dBのPAD、位相反転、100Hzハイパス・フィルターといったスイッチ類も備わっています。

本体内には専用ソフトでコントロールするDSPミキサーも搭載されています。専用ソフトは本体と同様にシンプルなデザインで、デジタルを含む入力チャンネルとDAWリターン・チャンネルによって任意のモニター・ミックスが作れます。さらにメインのモニター・ミックスとは別に2系統のCUEミックスも作成可能。しかも、このソフト上で作ったセッティングはプリセットとしてセーブすることができますので、録音時/ミックス時と個別にプリセットを作ると効率的でしょう。

 

これだけの音質であればメインの作業環境にも十分対応できますし、作業デスクもシンプルに収まるでしょう。さらに、本機とノート・パソコンさえあればどこでも録音からミックスまで最低限の機材で作業ができてしまうので、メインの作業環境に加えてサブシステムを構築する場合にも本機はピッタリだと思いました。これだけの機能とクオリティでこの価格ということに正直驚きです。

 

▲リア・パネル。上段は左から電源(本機はUSBバス・パワー非対応)、USB2.0、S/P DIF兼ADAT入出力×1系統(オプティカル)、インストゥルメント・イン(フォーン)。下段は左からヘッドフォン(ステレオ・フォーン)、アウトプット×4(フォーン)、センド&リターン×2系統(フォーン)、ライン/マイク・イン×2(XLR/フォーン・コンボ)

▲リア・パネル。上段は左から電源(本機はUSBバス・パワー非対応)、USB2.0、S/P DIF兼ADAT入出力×1系統(オプティカル)、インストゥルメント・イン(フォーン)。下段は左からヘッドフォン(ステレオ・フォーン)、アウトプット×4(フォーン)、センド&リターン×2系統(フォーン)、ライン/マイク・イン×2(XLR/フォーン・コンボ)

 

 

サウンド&レコーディング・マガジン 2014年5月号より)

AUDIENT

ID22

77,000円
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪接続タイプ:USB2.0 ▪オーディオ入出力:10イン/14アウト(ADAT併用時) ▪最高ビット&レート:24ビット/96kHz ▪マイクプリ数:2 ▪周波数特性(マイクプリ部):10Hz〜100kHz(±0.5dB) ▪最大出力レベル(DAC):+18dBu ▪外形寸法:227(W)×88(H)×181(D)mm ▪重量:1,445g(実測値) 【REQUIREMENTS】 ▪Mac:Mac OS X 10.6.8以降 ▪Windows:Windows 7以降

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