第20回~音楽制作における“ケーブル”の話①

“D”と“P”の作法(音楽業界編) by 中脇雅裕 2018年3月12日

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またまた、ご無沙汰してしまいました。

もう3月です。はやー!!!
2月はロスに行ってきました!
ロスではレコーディング、Co-Writing、ちょっとした講演をしました! で、またホノルルです~。ボチボチ海外での様子をFacebookページやTwitterなどに上げていきますので良かったらそっちも覗いてください。

 

たかがケーブル、されどケーブル。求道者には“沼”にもなり得る

さて、今回はケーブルの話。
ぶっちゃけ、あなたはケーブルに気を遣っていますか?
私の答えはYesでもありNoでもあります。分かりにくいですね〜。
どういうことかと言うと、ケーブルに気を遣いだすと“音質向上”という名の底なし沼に入って行くのが怖いから……。

魔性の女(男の場合もありますかねw)にどんどん気持ちを持っていかれるような……。
気が付いたらケーブルのために身も心も捧げていたなんて言うことになるかもしれません(笑)。

それくらいケーブルは面白いということです。

私が最初の自宅に宅録の機材入れて小さなスタジオを作ったとき、シンセやマルチトラックのテープ・レコーダーをアナログ・ミキサーにつないでいたケーブルはC社のモノでした。3mのライン・ケーブルでも1,500〜2,000円くらい。なんだかんだ40本くらい必要だったと思います。ということはケーブルだけで7〜8万円。まあまあしますよね。「ケーブル代もバカにならないなー」と思っていました。

そして、それから数年経ち、あるエンジニアさんが電源ケーブルとマイク・ケーブルをレコーディング・スタジオに持ち込んできました。

その電源ケーブルは見た目がめっちゃごっつくて、「これホスピタル・グレードのプラグを使ってるんだよね。1本5万したんだよね」とドヤ顔。で、オーディオ・インターフェースの電源ケーブルを試しに替えてみたら、

「なんじゃこりゃー!!!」
「なんで電源ケーブルを変えるだけで、こんなに音が変わるの???」

ともかく音を押し出す感じが強くなり、輪郭もはっきりしました。その理由は“ネットで検索”してください。いろいろと出てきます。

マイク・ケーブルも1mにつき1万円ほどのケーブルに2つで15,000円のコネクターを使った自作品とのことでしたが、聴き比べてみると明らかに違いが分かる。輪郭がはっきりして音が密になる感じ。

そこから私は、“ケーブルの魔力”にハマっていったのです。

とりあえず、主要な機材の電源ケーブルを一新しました。特に効果があったのはPC(Mac)とHDDです。

▲私のスタジオの主な部分のケーブルはFURUKAWAです

▲私のスタジオの主な部分のケーブルはFURUKAWAです

▲私のスタジオでは、最低でもMONSTER CABLEの電源ケーブルを使っています

▲私のスタジオでは、最低でもMONSTER CABLEの電源ケーブルを使っています


 

マスタリング・スタジオにPro Toolsシステムとケーブルを持ち込んだ話

今から20年ほど前、あるアーティストのアルバムが完成し、スタジオでマスタリングする運びとなりました。
当時、マスタリング・スタジオにはまだPro Toolsは常備されていません。
ミックス・ダウンしたマスターも1/2インチ・オープン・リールのアナログ・テープやDAT(もうホントに見なくなりましたね〜)で作っていた時代ですが、

「Pro Toolsで作ったのだから、このPro Toolsのシステムをそのままマスタリング・スタジオに持っていこう!」

ということになりました。

今だったらAPPLE MacBook ProとオーディオI/O(ちなみにこのところ、私はRMEのBabyface Proを使っています)を持っていけば大丈夫。手提げカバン一つで事足ります。

しかし20年前、Pro Toolsをスタジオに持ち込むのは相当大変でした! 私のPro Toolsシステムは、「Power Macintosh G3 MT」でデカい! 重い! (値段が)高い! 3拍子そろったMacに「Pro Tools│24Mix」。I/Oや拡張シャーシ、クロック・ジェネレータなどなどの機材……多分100kgほどを車に積み、マスタリング・スタジオに持ち込んだのです。

マスタリング・スタジオはモニター環境がとても良いので、些細な音の違いも明確に分かります。

そこで、我々は何本かの電源ケーブルも持っていき、曲によってMacや外付けHDDに、どの電源ケーブルを使えばいいか試していきます。電源ケーブルを替えると、下手にEQするより効果があったりします。

もちろん、I/Oのアウトに使うケーブルも何種類か持っていき試していきました。

“ケーブルは見た目と同じようなキャラの音がする”と言われています。
太いケーブルはファットな感じ。細いケーブルは繊細な音。
ともかく、あーだこーだ言いながらケーブルを選んでいくのでした……。

次回もケーブルの話の続きを。ちょっと落ち着いたので、次回はそんなにお待たせしないはずです!

See you soon!

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よろしくお願いします!

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ガンガン、応募お願いします!

【中脇雅裕】
プロデューサー/音楽ディレクター。CAPSULE、中田ヤスタカ、Perfume、手嶌葵、きゃりーぱみゅぱみゅなどのヒット作品に深くかかわる。アーティスト/クリエイターの成功とメンタルの関連性に日本でいち早く着目し、研究を重ねている。http://nakawaki.com

 

 

※本連載は毎月15日・30日近辺に更新していく予定です。お楽しみに!

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