プロが信頼を置くワイアレス・マイク・システム LINE 6 XD-V75〜第1回:GUGU SOUND SYSTEM

プロが信頼を置くワイアレス・マイク・システム LINE 6 XD-V75 by Sound & Recording Magazine編集部 2015年9月25日

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活況を呈するPA関連機材にあって、近年各メーカーが新製品を投入し注目を集めているのが、2.4GHz帯のワイアレス・マイク。免許不要で運用が可能な上、高域の再現性などの点で有利と言われている。LINE 6 XD-V75はその2.4GHz帯を採用したデジタル・ワイアレス・マイク・システム。24ビット/48kHzの解像度を保ったままロスの無い転送が可能ということもあり、プロのPA現場での導入例も増えてきた。今月より3回にわたって、XD-V75の活用例をレポートしていこう。Photo:Shunsuke Nakanishi

B帯のシステムと併用が可能なので手早くセットアップできる

大阪府豊中市に本拠を置くGUGU SOUND SYSTEMは中小規模のイベント/コンサートを中心に手掛けるPAカンパニー。機材庫にはXD-V75のレシーバーやデジタル・ミキサーが組み込まれたモバイル用のオールインワン・システムが5セット用意され、単体のレシーバーなども含めて計22ch分をそろえる。主宰の池田あつし氏は、「まず9Vではなく、充電ができる単三電池での駆動が可能ということで、LINE 6のワイアレス・システムに興味を持ちました」と導入の経緯について語る。

「それで段階的にチェックを行ってきたのですが、特にXD-V75は、同じ価格帯の製品で見られるようなひずみが無く、レイテンシーも想像以上に小さいものでした。音質的にも不必要な色付けが無く、定番とされるダイナミック・マイクと比べても太さがある。初めて導入したのは、かなり声量のあるロック系男性ボーカリストの現場だったのですが、全くひずまなかったので驚きましたね。“これはいい”ということで次第に数を増やし、今やメインのワイアレス・システムとなっています。本体にはマイク・モデリングが10種類用意されていますが、個人的にはSHURE SM58のモデリングを“基準”として使っています」

2.4GHz帯のメリットとしては、「まずA/B帯の製品と併用可能な点が挙げられます」と池田氏は続ける。

「弊社はホテルでのディナー・ショーのPAを手掛ける機会も多いのですが、そうした会場には既にB帯のワイアレス・システムが組み込まれていることも少なくありません。その点、2.4GHz帯を使用しているXD-V75であれば、B帯の空きチャンネルを気にすることなく、手早いセットアップが可能です。こうしたイベントではアーティストのスケジュールもあるので、絶対に現場で押せないんです。その際、セットアップ時にの5〜10分の手間を省けるのはとてもありがたい。また、そうした会場では歌手の方がテーブルの間を行き来しながら歌うことも多いのですが、レイテンシーが少なく音質も優れているので、“歌いやすい”という言葉をいただくことも多いです」

GUGU SOUND SYSTEM主宰の池田あつし氏。XD-V75での豊富な実地経験を通し、2.4GHz帯の特性を熟知する

GUGU SOUND SYSTEM主宰の池田あつし氏。XD-V75での豊富な実地経験を通し、2.4GHz帯の特性を熟知する

ダイナミック・レンジが広く声量のあるボーカリストにも対応

2.4GHz帯はこうしたメリットの一方で、周波数が高いことによる遮へい物への弱さなどの特性も指摘される。池田氏も「確かに2.4GHz帯ならではの“ローカル・ルール”はあります」と語る。

「これまでとは電波の特性が違うので、それに沿った運用が必要なんです。PAでは数年前にアナログ・ミキサーからデジタル・ミキサーへの一大変革がありましたが、そのときと同じように、使う側(=エンジニア)が頭を切り替える必要があると思います。そうして実地で使っていくと、例えば“ステージの上手で演者が出入りする現場では、レシーバーを下手に設置した方がいい”といったノウハウが蓄積されてきます。家電ではないのですから、プロであれば機材と対話して使いこなすのが当たり前。最近は2.4GHz帯の運用に関して相談を受けることも多いのですが、“音が途切れる”ということで設置状況を詳しく聞いてみると、大抵は運用法を誤っている。ほとんどの場合がヒューマン・エラーなんですよ」

池田氏は「そうした特性さえ理解してしまえば、XD-V75のマイクは驚くほど良いですよ」と続ける。

「実際、終演後に有名アーティストの方から“これ、どこのマイク?”と尋ねられる機会は多いです。ワイアレスという条件を差し引いても鮮度の高い音がしますし、僕は自信を持って使っています。“良い音=高価”という物言いがある中で、このマイクは儲けものだよと言いたい。ダイナミック・レンジが広いので、声量のあるボーカリストには特にお薦めですね」

池田氏が“G3”と呼ぶラック・マウントされた機材群。ハーフ・ラック・サイズのXD-V75のレシーバー×4(下)のほか、デジタル・ミキサーYAMAHA QL1やCDプレーヤー、パワー・アンプなどをセットし、“到着して10分で音出しが可能”とのこと

池田氏が“G3”と呼ぶラック・マウントされた機材群。ハーフ・ラック・サイズのXD-V75のレシーバー×4(下)のほか、デジタル・ミキサーYAMAHA QL1やCDプレーヤー、パワー・アンプなどをセットし、“到着して10分で音出しが可能”とのこと

 

LINE 6 XD-V75
オープン・プライス:市場予想価格65,000円前後

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世界中でライセンス無しに使用できる2.4GHz帯を採用したデジタル・ワイアレス・マイク・システム。独自のDCLテクノロジーにより、24ビット/48kHzの解像度を保ったまま最大14chの同時転送が可能。10Hz〜20kHzの周波数特性、120dB(A-weighted)のダイナミック・レンジを実現している。写真のハンドヘルド・マイクとレシーバーのセットのほか、ラベリア・マイクのセット、ヘッドセット・マイクのセットなどをラインナップ。

 

問合せ:ヤマハミュージックジャパン LINE 6 インフォメーションセンター 
TEL:0570-062-808、03-6701-0038

 

 

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