Liniaが使う Studio One 第1回

ミュージシャンが使うStudio One by Linia 2017年1月25日

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 第1回 Studio Oneの導入と
作業におけるメリットについて

はじめまして、Liniaと申します。作編曲家、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとしての活動をしておりまして、すべての作業をStudio One(以降S1)で完結しています。その作業におけるS1の活用法を数カ月にわたり紹介していきたいと思います

ソフトの起動がすごく速く
一画面表示による作業が便利

僕がS1を使用し始めたのは2012年(Ver.2)からです。そのころは多くのDAWが64ビットでの動作に移行しているタイミングで、僕もほかのDAWを併用している時期でした。初めて使ったときの印象ですが、APPLE MacBook ProのSSDとの組み合わせもり、起動がすごく速くて感動したのを覚えています。外出先でも作業しているので特に助かりました。

これまで使ってきて、お気に入りのポイントを挙げていきますと、S1はノート・パソコンの画面サイズでも十分作業できるよう、一画面の中にアレンジビュー、ミキサー、プラグインなどのエリアが表示されていて使いやすいです。また、僕は作曲やアレンジのほかにも、レコーディングの現場でS1を使用することが多いので、CELEMONY Melodyneがプラグイン起動ではなくソフトウェア本体と一体化しているのが、最も気に入っています。

 

▲Studio OneにはCELEMONY Melodyne Essentialが付属(Professional版のみ)し、素早いアクセスを可能としている

▲Studio OneにはCELEMONY Melodyne Essentialが付属(Professional版のみ)し、素早いアクセスを可能としている

そのほかに、ライブでマニピュレーター(演奏者にクリックを送ったり、シーケンスを再生するなど)をすることもあるのですが、その際にもS1が活躍しています。Ver.3から追加された機能で、アレンジ・トラックがありますが、ライブでのセットリスト管理に役立っています。

▲大編成のアレンジでも効率良く作業できる機能、アレンジ・トラック。筆者はこちらをライブのセットリスト管理に活用している

▲大編成のアレンジでも効率良く作業できる機能、アレンジ・トラック。筆者はこちらをライブのセットリスト管理に活用している

曲順を簡単に並べ替えることができるので非常に便利なのです。本来は作曲、アレンジの際にA、B、サビ、間奏などをパーツごとに並べ替えできる機能なので、これは自分ならではの使い方なのかもしれません。また、アクティベーション方式がUSBドングルじゃないのは密かにお気に入りのポイントです。MacBookのUSBポートを消費せずに済みますので、移動中なども気兼ねなく作業ができるのです。

サード・パーティ製のプラグインとの
相性も非常に良い

S1で作曲するときの流れを解説していきましょう。生ドラム系のアレンジの場合は、あらかじめ作ってあるテンプレート・セッションを開きます。FXPANSION BFD3をキットごとにパラアウトして、S1側でシンバルのバス、タムのバスなどにまとめ、最終的にドラム・バスにまとめてEQ、コンプなどをインサートしています。この状態をテンプレートにしているのです。

▲筆者が生ドラム系のアレンジの際に使っているテンプレート・トラック。FXPANSION BFD3のキットごとにパラアウトしており、さらにバスでまとめてプラグインで処理をしている

▲筆者が生ドラム系のアレンジの際に使っているテンプレート・トラック。FXPANSION BFD3のキットごとにパラアウトしており、さらにバスでまとめてプラグインで処理をしている

サンプラーなどほかのプラグイン・インストゥルメントでも、パラアウトが必要なときはミキサー内のウィンドウから簡単にできます。DAWを始めたころはこういった機能にたどり着くまでにプロセスが多くストレスに感じることがありましたが、S1は必要な機能までのアクセスが極めてシンプルに設計されています。

クラブ・ミュージックやエレクトロ系の楽曲を作る場合は、空のセッションを開いて必要なインストゥルメントを立ち上げていきます。S1内蔵のImpactは、各ジャンルにマッチするドラム・キットも多く入っていますし、初めからミキサー側にパラアウトされていて便利なので、よく使っています。

▲格子状に16個並んだパッドに個別にサンプルをロードして再生できるサンプル・プレーヤー。それぞれのパッドにはピッチ、アンプ、フィルターの各コントロールがエンベロープとともに備わっており、パッドごとに複数のステレオ・アウトプットとモノラル・アウトプットが用意されている

▲格子状に16個並んだパッドに個別にサンプルをロードして再生できるサンプル・プレーヤー。それぞれのパッドにはピッチ、アンプ、フィルターの各コントロールがエンベロープとともに備わっており、パッドごとに複数のステレオ・アウトプットとモノラル・アウトプットが用意されている

自分でざっくりミックスするだけならそこまでパラアウトにこだわることもないですが、外部スタジオやほかのエンジニアに素材を渡す際にはパラアウトする必要が出てくるので、僕の場合は作曲の段階から気にするようにしています。

リズム・トラックの次は大体ベースかピアノのどちらかを打ち込むことが多いですね。ピアノは先日リリースされたSPECTRASONICSのKeyscapeを使っていますが、S1(Ver.3.3.0)上で問題なく動作しています。僕はMac OSをなるべく新しいバージョンにアップデートするようにして、ドライバーの安定度の高さなどを重要視しています。ライブのマニピュレーターやレコーディング・エンジニアとしてDAWを使用する際に、ソフトウェアの動作が安定していることは何よりも大切だと思っています。

サード・パーティ製のプラグインとの相性の良さでもS1は非常に素晴らしいです。例えばAUとVST両方のプラグインが使える点(Professional版は標準搭載、Artist版はアドオンで追加可能)

 

▲Studio One ProfessionalはVST、AUの各種プラグインおよびReWireに対応している。またArtist版には、アドオンでその機能を追加することが可能

▲Studio One ProfessionalはVST、AUの各種プラグインおよびReWireに対応している。またArtist版には、アドオンでその機能を追加することが可能

万が一プラグインのバージョン・アップで不具合が出た際もAUかVSTのどちらかは安定しているといったことも経験しています。

ギターやベースを録音するときは、入力段に内蔵のチューナーをインサートしています。プラグインの右上のピンをクリックすれば常に表示されている状態になるので便利です。

▲Sギター、ベースなどの楽器に活用できるTuner。標準表示とストロボ表示の切り替えができ、画面の左上隅に“Frequency”(実際の周波数)、右上隅に“Difference”(目的の周波数との差)が表示される。ストロボ・モードも搭載

▲Sギター、ベースなどの楽器に活用できるTuner。標準表示とストロボ表示の切り替えができ、画面の左上隅に“Frequency”(実際の周波数)、右上隅に“Difference”(目的の周波数との差)が表示される。ストロボ・モードも搭載

 

ストロボ・モードも選択できてかなり使いやすいですね。僕は実機ではPETERSONのチューナーをメインで使っていますが、宅録ではS1内蔵のチューナーがメインです。これを実機で発売してほしいくらい気に入っています(笑)。

そのほかS1には、ピアノやシンセ類も良いものがたくさん入っていますし、何より動作が軽いので作曲やアレンジの際にストレスが少ないと思います。ひらめきや直感、イマジネーションが大切な作業において動作の安定感、スピード感は重要です。ボーカル・レコーディング時に役立っている機能もたくさんあります。テイク・レコーディング機能などは非常に便利。複数のテイクを残す機能ですが、僕は音質やリズム、ピッチ補正前、補正後などを残しておくのにも使用しています。

いろいろと書きたいことはたくさんありますが、第一回は基本的な土台の部分についてお話しさせていただきました。次回以降はもう少し実践的なお話もできたらいいなと思っています。お楽しみに!

 

*Studio One 3の詳細は→http://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/

Linia

学生時代に結成したバンドでデビュー。その後、バンドでの経験とDTMを融合させた有機的な宅録サウンドを確立させる。AKB48、HKT48、ノースリーブス、MAAKIIIなど さまざまなアーティストへの楽曲及び歌詞の提供を行う。プロデュースのほかにもマニピュレーター(相川七瀬、浦島坂田船、etc.)ギター・サポート(ナオト・インティライミ、etc.)など、Studio Oneを使用したボーダレスな活動を行っている。

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