Device12 harmonics + subharmonics laboratory by デヴィッド・ジカレリ

Maxで作る自分専用パッチ by デヴィッド・ジカレリ 2014年1月16日

基礎的な機能ブロックをつなぎ合わせることで独自のソフトウェアを構築できるCYCLING ’74 Max。現在ネット上では数え切れないほどのパッチがシェアされており、それらのプレーヤーとしても活用が可能です。ここでは最先端のプロフェッショナルが作成したクールなパッチを紹介。パッチのサウンドを試聴できるほかファイルをWebよりダウンロードして、新しい音楽の制作に役立ててください

Device12 harmonics + subharmonics laboratory by デヴィッド・ジカレリ

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▲パッチ外観(プレゼンテーション・モード)


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▲パッチ内部(パッチング・モード)

 

 

ファイルをダウンロードする(harm+subharm lab.zip)

CEO自ら特別にパッチを提供

サウンド&レコーディング・マガジンの読者の皆さんこんにちは、CVCLING ’74 CEOのデヴィッド・ジカレリです。私は2013年の9月3日に昭和音楽大学で開かれた「Max Conference in Japan」に招待を受け、Genの編集結果が即座にVSTプラグインに反映されるデモンストレーションを披露しました。会場では幅広いレンジのクリエイターによるMaxのプレゼンテーションを見ることができ、大変有意義でした。このサウンド&レコーディング・マガジンに登場したいずれのパッチもそうですが、ルックスが美しいものが多いのは日本の特徴だと思います。

カンファレンスの翌日に、プレゼンターとしても登場してくれたKatsuhiro Chibaと対談を行ったのですが(本誌2013年11月号を参照)、その際に編集部から“ぜひこの連載にパッチを提供してほしい”とのリクエストを受けました。この連載に登場する皆さんは、素晴らしいパッチを提供してくれていますから、どのようなものを作るべきか迷いましたが、栄えある12回目を任されるとのことで、頑張って作ってみました。

正弦波オシレーターによる美しい音空間

このパッチの名前は「harmonics + subharmonics laboratory」と言います。このパッチを使うと、音色とパターンの間で美しい空間を探検することができます。

このパッチで聴けるサウンドは、一連の正弦波オシレーターで作成されます。この正弦波オシレーターは(基音のフリケンシーを増加する)ハーモニクスと(基音を区分けする)サブハーモニクスを奏でます。

ここには2つの独立したボイスがあります。両方のボイスにそれぞれに特化した基音があり、この基音はインターフェース上のキーボードで設定/変更することが可能です。しかし、ここで留意してほしい点は、このフリケンシーは平均律ではなく216Hzという数学的な値だということです。また各ボイスにはアタック/リリース/フィルターなどのパラメーターも付いています。

2基のシーケンサーは両方のVoice 1/2を同時にプレイしますが、それぞれ異なるレートでのプレイを設定することが可能です。インターフェース上部にあるシーケンサーのグリッドをクリックすることでハーモニクスを1から19の範囲で設定することができ、同様に下の列にあるグリッドをクリックしてサブハーモニクスを1から19まで設定可能です。また、シーケンス・グリッドの上にあるレンジ・スライダーを使うと、シーケンスがループする範囲を変更することもできます。プリセットを試してみたり、新しいサウンドを作ってみたり、自分好みのパッチにカスタマイズすることも自由自在です。

穏やかなサウンドから現実離れした音像まで

この「harmonics + subharmonics laboratory」のパッチは、私の仕事仲間であるデヴィッド・フィッツパトリックの発見を元に作られたものです。デヴィッドは長年サウンドとヒーリングの関係性を研究しており、特定の周波数帯域が人体に与える影響を専門にしています。彼と私はこの考えに基づき、Maxを使用しての音楽的なパフォーマンスの開発に取り組んでいるのです。

私たちはアルゴリズミックなコンポジションの技術を、連続するハーモニクスの生成に適用することに興味を持っていました。そして、2〜3のシンプルなパラメーターを操ることで、穏やかでオーガニックなサウンドから現実離れした異質な音像風景へと移行できることに喜びを感じつつ楽しんでいるのです。

今回は、日本のクリエイターに負けないようルックスにもこだわりました。読者の皆さんが、このパッチを楽しんでくれることを願っています。また、私は皆さんからのフィードバックも待っています。DavidFtz@cruzio.comかzicarell@cycling74.comまで、ぜひE-Mailを送ってください。(翻訳:中山美樹)

dgデヴィッド・ジカレリ

【Profile】1980年代よりM、Jam Factory、OvalTuneなどのクリエイティブな表現のためのインタラクティブなソフトウェアを開発。1989年よりMaxの研究に取り組み、1997年にCYCLING ’74を設立、現在もCEOを務める。スタンフォード大学ではヒアリングとスピーチ・サイエンスで博士号を取得

 

CYCLING ’74 MaxはMI7 STOREでオーダー可能

問合せ:エムアイセブンジャパン
http://www.mi7.co.jp/

 

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