Device 25 パソコン本体で演奏するテルミン by RAKASU PROJECT.(落 晃子)

Maxで作る自分専用パッチ by RAKASU PROJECT.(落 晃子) 2016年8月25日

基礎的な機能ブロックをつなぎ合わせることで独自のソフトウェアを構築できるCYCLING ’74 Max。現在ネット上では数え切れないほどのパッチがシェアされており、それらのプレーヤーとしても活用が可能です。ここでは最先端のプロフェッショナルが作成したクールなパッチを紹介。パッチのサウンドを試聴できるほかファイルをWebよりダウンロードして、新しい音楽の制作に役立ててください

Device 25 パソコン本体で演奏するテルミン by  RAKASU PROJECT.(落 晃子)


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▲プレゼンテーション・モード

 

telBOOKmin&teLIGHTmin2

▲パッチング・モード

 

 

ファイルをダウンロードする→tel”BOOK”min

 

 パソコン本体を傾けたり光を当てて演奏

今回紹介するtel“BOOK”minはノート・パソコンを傾けたり光を当てたりすることでテルミンのような演奏が可能になるパッチです。このパッチは、緊急モーションセンサー(SMS:Sudden Motion Sensor)が内蔵されているAPPLEのノート・パソコン(HDDモデル)でしか、すべての機能を使うことができません(2016年7月現在、HDDモデルのMacBook Proは1機種しか販売されていません)。また、ノート・パソコンを直接傾けたり揺さぶったりという行為により演奏しますので、あらかじめ重要なデータなどはバックアップいただき、ご理解の上、使用ください。

なお該当機種をお持ちでない方でも、近年発売されたAPPLE製ノート・パソコンにほぼ内蔵されているALS(Ambient Light Sensor)を使用し、パソコン本体のセンサーに光を当てて演奏するテルミン=te“LIGHT”minは使用可能です。使用にあたっては、以下のリンクより2つのエクスターナル・オブジェクトをインストールする必要があります(www.iamas.ac.jp/~aka/max/#aka_bookmotionwww.iamas.ac.jp/~aka/max/#aka_booklight)。

ちなみに筆者がこのパッチを作ったのは約10年前。当時のPowerBook G4をいまだにライブ演奏などで使用しており、全国各地で数百回以上、ありえない激しさで振り回しておりますが、これまで一度も修理に出したことはありません。ただし、Apple Store心斎橋でのインストア・ライブにて、このパッチでカミーユ・サン=サーンス作曲の「白鳥」を演奏した際、店内のスタッフの方々から大笑いされましたので、本来推奨されていない演奏……いや、使用法であることは間違いありません。使用には十分ご留意ください。

パッチの演奏方法

tel“BOOK”minパッチの使用方法ですが、画面上部のトグル・ボタンをオンにし、センサーを作動させます(HDDモデルでない場合でも“test tone”ボタンで取りあえず音は出せます)。音程は本体を前後に、音量は左右に傾けることでコントロールします。前後または上下に小刻みに揺らすことでビブラートを表現することも可能です。オクターブ単位のトランスポーズ・ボタンも付けました。波形はcycle、saw、rand、tri、rectの5種類から選べ、数字キーでの波形切り替えも可能です。

一方のte“LIGHT”minは、画面上部のトグル・ボタンをオンにし、センサーを作動させます。マシンのモデルにより光センサーの位置が異なりますが、最近のモデルの場合はWebカメラ付近にあると思われます。該当部分に光を当てたり暗くしたりすることで音程を変えることができます。こちらも5種類の波形を選べます。

しかし正直なところ、光センサーで音階を演奏するのは相当に困難を伴います。そこで、te“LIGHT”minをtel“BOOK”minのビブラート・コントローラーとして作動させるモードも付けました。“Vibrato”モードをオンにすると、光センサーによるテルミン・モードはオフになりますが、環境光に応じてtel“BOOK”minのビブラートを変化させることができます。波形によってビブラートが効かないものがあったり、かなり過激な音が出る場合もありますので、“Vibrato depth”や“sensitivity”を手動でお好みの数値に調整してください。さらに、お好みのVST、またはAudio Unitsプラグイン・エフェクトも使用できます。エフェクトのドライ/ウェットは、各プラグインの操作パネルで調整してください。

なお、このパッチは当初、平♯重行さんが作成したエクスターナル・オブジェクトを使用していました。すご腕プログラマーでありジャズ・ピアニストでもある平♯さんとは、後にtel“BOOK”min とピアノによる1時間超に及ぶコンサートでの共演も実現しました。また、作成にあたり助言くださった平野砂峰旅さん、2つのエクスターナル・オブジェクトを快く提供くださいました赤松正行さんにも厚くお礼申し上げます。

 

 

RAKASURAKASU PROJECT.(落 晃子)

【Profile】広島県出身。その昔、坂本龍一/矢野顕子がプロデュースした『Demo-Tape1』に参加。商業音楽、実験音楽の制作のほか、各種センサーによる自作「ミン楽器」によるパフォーマンスを行っている。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部音楽コース特任准教授。
Twitter:@RAKASU
Facebook:https://www.facebook.com/rakasu.project/

 

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