Ujico*/Snail’s Houseが使う「FL Studio」第1回

ミュージシャンが使うFL Studio by Ujico*/Snail's House 2017年10月20日

UjicoTop

僕の楽曲制作に欠かせない!
FL Studioの基本機能

初めまして。フューチャー・ベースなどのトラックを作っているUjico*/Snail’s Houseと申します。今回から、僕の愛用しているWindows専用のDAWソフト=IMAGE-LINE FL Studioについての連載を担当することになりました。FL Studioを触ったことのない方にも興味を持ってもらえるよう書いてみようと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 

ピアノロールではノートごとに
さまざまな設定が可能

僕は2012年に作曲を始めました。当時はニュージーランドに留学していて、PRESONUS Studio One Freeから入門したのですが、乗り換えを検討しているときに知り合いから“今使うならFL Studio一択ですよ!”と薦められ、スイッチすることに。ちょうど Ver. 11が出たタイミングでしたね。それでFL Studioでの作曲を開始し、数多くの曲を作ってきました。FLP(プロジェクト・ファイル)を見返してみると、その総数は2,000ほどに及びます。

FL Studioを一言で表すと、Windows用ソフトですが“DAW界のMac”といった感じだと思います。つまり触れば大抵のことは分かるように設計されていて、そこが直感的で面白いところです。体験版も用意されており、一度保存したプロジェクト・ファイルを開くには製品版を購入する必要があるくらいで、ほぼすべての機能が使えます。未使用の方は試してみるのもいいかもしれません。

僕がFL Studioを使う一番の理由は、ピアノロールの便利さにあります。例えば消去したいノートがある場合、右クリック一発でデリートできるので、作業がサクサク進められます。ささいな部分かもしれませんが、ここだけを取ってもかなり直感的だと思います。

ピアノロールにはほかにも便利な機能があり、例えば“Note properties”をよく使っています。ノートをダブル・クリックするとコントロール・メニューが現れ、ベロシティやパン、ピッチ・ベンド、レガート、リリースなどの調整が簡単に行えるのです。とりわけパンに関しては、ベロシティと同じセクションの中で調整できるので便利。またノートごとに異なるパンを設定することで、ステレオ感を強めることができ、重宝しています。

 

▲ピアノロール上で各MIDIノートのパンやベロシティ、リリース、モジュレーション・アマウント、ピッチなどを調整できるNote properties。FL Studio 12 All Plugins Bundle(99,990円)、FL Studio 12 Signature Bundle(パッケージ版:31,000円)、FL Studio 12 Producer Edition(24,000円)、FL Studio 12 Fruity Edition(12,800円)の全グレードに備えられている。Signature Bundle以外はbeatcloud(https://beatcloud.jp/)でダウンロード購入可

▲ピアノロール上で各MIDIノートのパンやベロシティ、リリース、モジュレーション・アマウント、ピッチなどを調整できるNote properties。FL Studio 12 All Plugins Bundle(99,990円)、FL Studio 12 Signature Bundle(パッケージ版:31,000円)、FL Studio 12 Producer Edition(24,000円)、FL Studio 12 Fruity Edition(12,800円)の全グレードに備えられている。Signature Bundle以外はbeatcloud(https://beatcloud.jp/)でダウンロード購入可

 

▲画面の下部にあるバーは、ピアノロール上の各ノートに設定したパンを表している。ハイハットのパターンだが、このように発音のたびに定位を変えることでステレオ感をフルに生かせる

▲画面の下部にあるバーは、ピアノロール上の各ノートに設定したパンを表している。ハイハットのパターンだが、このように発音のたびに定位を変えることでステレオ感をフルに生かせる

 

コンピューター・キーボードの“Ctrl+L”で実行できる機能=Quick legatoも良いですね。例えばMIDI鍵盤でリアルタイムにコードを打ち込むと、各構成音の長さがバラバラになってしまいがちです。そんなときに全構成音を選択し、Ctrl+Lを押せば見事にお尻がそろいます。

 

▲Ctrl+Lのビフォー/アフター。長さがバラバラだったMIDIノートのノート・オフ位置がそろっている。和音の響きを安定させたいときなどにも便利だろう

▲Ctrl+Lのビフォー/アフター。長さがバラバラだったMIDIノートのノート・オフ位置がそろっている。和音の響きを安定させたいときなどにも便利だろう

 

 

まずはループを組んでから
プレイリストに並べて曲を構成

FL Studioにはステップ・シーケンサーが備わっていて、そこに音源をアサインしてパターン(ループ)を組むことができます。ステップ・シーケンサーに打ち込んだパターンは先ほどのピアノロールで開くこともでき、“プレイリスト”と呼ばれるタイムラインの画面にドラッグ&ドロップ後、クリップとして並べて曲を構築可能です。

 

▲ステップ・シーケンサー。各チャンネルに音源をアサインし、ステップ・キーで打ち込んでいく仕様。入力したパターンはピアノロールに展開することもできるので、メロディックなパートはそちらで作成した方が効率的だ。複数のチャンネルをまとめて、プレイリスト上で一つのパターン・クリップとして扱えるのも特徴

▲ステップ・シーケンサー。各チャンネルに音源をアサインし、ステップ・キーで打ち込んでいく仕様。入力したパターンはピアノロールに展開することもできるので、メロディックなパートはそちらで作成した方が効率的だ。複数のチャンネルをまとめて、プレイリスト上で一つのパターン・クリップとして扱えるのも特徴

 

▲筆者のプレイリストの一部。パターン・クリップやオーディオ・クリップ、オートメーション・クリップを時系列で並べて曲を構築できる

▲筆者のプレイリストの一部。パターン・クリップやオーディオ・クリップ、オートメーション・クリップを時系列で並べて曲を構築できる

 

FL Studioのパターンというのは概念的にちょっと変わっていて、デフォルトでは複数の楽器パートのMIDIデータを1つのパターンとして扱うようになっています。もちろん、各パートを個別のパターンにバラしてプレイリストに並べることもできるので、ステップ・シーケンサー/ピアノロールでループ作成→それをタイムラインに並べて膨らませる、というのが基本的なワークフローです。

打ち込んだパターンをプレイリストにドラッグ&ドロップすると、パターン・クリップと呼ばれるクリップが生成されますが、これは単なるMIDIクリップではなくオートメーションの情報も含んでいます。オートメーションについては、それ専用の“オートメーション・クリップ”というものもあるのですが、いずれにしても右クリックしながらドラッグするだけで描けるので、作業がスムーズです。また一度描いたオートメーションは、右クリックによる操作だけでほかの位置にコピー&ペーストできます。

 

各種機能に即アクセスできる
ファンクション・キー

打ち込み以外の機能のうち、よく使うものとして紹介しておきたいのが、コンピューター・キーボードのファンクション・キーによる機能呼び出しです。DAWには、画面上部のメニューにカーソルを合わせてクリックし、出てきたサブメニューから任意のものを選んで……というプロセスがありますが、ファンクション・キーがあれば瞬時に目的のメニューへアクセスできます。ぜひ押さえておきたい機能だと思うので、僕がよく使うものを以下に記載しておきましょう。

F4:エンプティ・パターンを作る(何のデータも打ち込まれていないステップ・シーケンサーが立ち上がります)
F5:プレイリストの表示/非表示を切り替えます
F6:ステップ・シーケンサーの表示/非表示を切り替えます
F7:ピアノロールの表示/非表示を切り替えます
F8:プラグイン・ピッカー(エフェクトやシンセのブラウザー)の表示/非表示を切り替えます

 

▲プラグイン・ピッカー。コンピューターにインストールしているソフト音源やプラグイン・エフェクトをグラフィカルに表示/選択できる

▲プラグイン・ピッカー。コンピューターにインストールしているソフト音源やプラグイン・エフェクトをグラフィカルに表示/選択できる

Ctrl+F8:プロジェクト内のパターンやチャンネル(=立ち上げているシンセなど)をサムネイルとして一覧表示します。パターンは左側のバンク、チャンネルは右側に並び、パターン・バンクの方で“New pattern”を押せば新しいパターンを作成することが可能。またパターンのサムネイルにマウス・オンすると、そのパターンで使用されている音源のサムネイルにチェックが入ります

 

▲Ctrl+F8で表示することができるプロジェクト内のパターン&チャンネル(使用音源など)の一覧。画面では、左上のパターン(ピンクの矢印)にマウス・オンしており、右側のバンクでそのパターンに使用されている音源に黄色いチェックが付いている

▲Ctrl+F8で表示することができるプロジェクト内のパターン&チャンネル(使用音源など)の一覧。画面では、左上のパターン(ピンクの矢印)にマウス・オンしており、右側のバンクでそのパターンに使用されている音源に黄色いチェックが付いている

F9:ミキサーの表示/非表示を切り替えます

このほか、FL Studioの機能ではTempo Tapperなども時折使います。テンポを決めにくいときに便利ですね。以上、今回は僕がよく使っているFL Studioの基本的な機能について紹介しました。FL Studioは、ほかのDAWとはやや異なる部分もありますが、仕組みについてはおおまかにでもご理解いただけたことと思います。次回は、標準搭載のプラグインなどを中心に解説しようと思います。お楽しみに!

 

FL Studio シリーズ・ラインナップ

FL Studio 12 All Plugins Bundle(99,990円)
FL Studio 12 Signature Bundle(パッケージ版のみの販売:31,000円)
FL Studio 12 Producer Edition(24,000円)
FL Studio 12 Fruity Edition(12,800円)

<<<Signature Bundle以外はbeatcloudにてダウンロード購入可能>>>

 

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