モンスターストライク リミックスで目指す次世代クリエイター 【第6回】リミックス上達のマル秘テクニック

モンスターストライク リミックスで目指す次世代クリエイター by Text:サウンド&レコーディング・マガジン編集部 2019年5月28日

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スマートフォン向けアプリ“モンスターストライク”(以下、モンスト)の楽曲をリミックスする“【XFLAG公式】リミックスコンテストvol.2”が開催された。応募受付は終了し、現在審査中だが、今回はお手本リミックスを手掛けたXFLAG Sound Creatorsの3組に、普段の制作から今回のリミックス音源作成まで活用したマル秘テクニックを教えてもらおう!

 

動画で音源をチェック!
特設サイトから3組のリミックス音源を聴くことができる。各クリエイターのこだわりや、リミックスのコンセプトなども解説されいるので、記事と併せて見てほしい。

 

 

モンスターストライクとは?

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世界累計利用者数5,000万人(2019年4月時点)を突破したスマートフォン向けアプリ。ゲームの内容はシンプルで、自分のモンスターを指で引っ張り、敵のモンスターに当てて倒していくというもの。最大4人までの協力プレイが可能となっており、強い敵や難しいクエストも協力してプレイすることにより突破することができたり、1人で遊ぶよりも多く報酬が得られたりするのも魅力の一つだ。【XFLAG公式】リミックスコンテストvol.1の課題曲「モンスターストライクメインテーマ」をはじめ、多くの楽曲を作曲家の桑原理一郎が手掛けている。

 

効率重視で声の抜けを良くするメソッド

▲戸田章世氏

▲戸田章世氏

アーティストへの楽曲提供やゲーム・サウンド・クリエイターなどさまざまな経験を擁する戸田氏。今回のリミックスは、ホーンやストリングスが幾重にもなったシネマティックな仕上がりだが、しっかりとボーカルが聴こえるよう処理が施されている。そのテクニックを見てみよう。

 

1. ボーカル・トラックにMaserati VX1をアサイン

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「メインで聴こえるボーカル素材には、まずエフェクト・チェインのWAVES Maserati VX1をインサートします。以前はコンプレッサーやEQをそれぞれかけていたのですが、Maserati VX1はインサートしてプリセットを選び、つまみを微調整するだけで求めるサウンドが得られるので、最近では制作のスピードを重視してボーカルにはほぼ毎回使用しています。つやをどれくらい出すか、コンプでどれだけ圧縮するかなど直感的に操作できる点を気に入っていますね。ボーカルの抜けを良くしたいときには一発でその効果が得られるのでお薦めです」

 

2. 残響系/空間系エフェクトでなじませる

H-Reverb

「音を整えたら残響系/空間系のエフェクトを薄くかけて、存在感を与えつつトラックとなじませます。リミックスではWAVES H-Reverbが活躍しました(画面)。トラックによってはUNIVERSAL AUDIO UAD-2のRealverb Proなどのリバーブ、UAD-2のStudio D Chorusをはじめとしたコーラス、WAVES H-DelayやSuperTap、BRAINWORX BX_Delay 2500などのディレイを使って調和させます」

 

 3. コンプレッサーでリバーブをふくよかに

CLA-2A

「リバーブをいくらかけても残響感が得られないときには、リバーブ成分自体の存在感を強める必要があります。リバーブの後段にWAVES CLA-2Aを挿すことによって、モチっとしたふくよかな残響感が得られるんです。リダクションは−3dB以内に収まるくらいになるようにしていますね。オプティカル・コンプの自然なかかり方が好きなのでCLA-2Aはよく使っています」

 

 

エフェクトを駆使したうなるようなベース

▲KASAJIMA SHI氏

▲KASAJIMA SHI氏

ベーシストとしてアーティストのレコーディングやライブに多数参加してきたKASAJIMA SHI氏。氏がDJ/トラック・メイカーのPharien氏と手掛けたリミックスは、うなるようなベースをフィーチャーしたテクノ・サウンドだ。エフェクトを駆使した特徴的なベースの音作りを解説してくれた。

 

 1. マルチエフェクトで録り音を作り込む

Axe_FX

「AVALON DESIGN VT-737SPを通ったベースの信号は、マルチエフェクトのFRACTAL AUDIO Axe-FXⅢに入り、専用アプリケーションのAxe-EditⅢでエフェクトをかけていきます。飛び道具的な使い方もしますが、今回はプリアンプのような役割がメインでした。Axe-FXⅢはたくさんエフェクトのループが組める上、音の劣化がほとんど無いので、重宝しています」

 

2. EQでローカットしセンドにダブラーを挿す

Waves Q10_mono

「Axe-FXⅢからAVALON DESIGN U5に送られた信号は、STEINBERG Cubaseに。ここでWAVES Q10をかけて、必要の無い部分をばっさりカットしていきます。今回は100Hzあたりまでローをカットしましたね。ベースなのにローカットしてしまうと芯が無くなるのではないかと心配するかもしれませんが、センド&リターンでWAVES Doublerをかけることにより、存在感を与えつつすっきりしたサウンドに仕上げられます」

 

3. ディレイですき間を埋める

H-Delay

「続いてWAVES H-Delayをかけます。あまりはっきりとしたディレイが好きではないので、薄っすらとリバーブ的な使い方をしていますね。ボーカルのすき間を埋めることを意識してセッティングしました。ちなみに、僕はエフェクトを設定するとき、パラメーターの値をあまり見ないようにしています。視覚に惑わされず、聴いて格好良いものを追求することが大切ですからね」

 

 

ボーカル・チョップでEDM感を演出

▲佐藤良輔氏

▲佐藤良輔氏

着うた制作や音効業務、遊技機のサウンド開発を経て、XFLAGに参加した佐藤氏。今回は、コライトを務めたトラック・メイカー/DJのFiftee West氏が得意とする、フューチャー・ベースに落とし込んでいる。EDMに欠かせないボーカル・チョップ制作のノウハウを聞いていこう。

 

1. ボーカル素材をKontaktへ

Kontakt

「AVID Pro Tools内でボーカル素材の使いたい部分をカット。フェードを描いたり、余白を切ったりといった簡易な処理をしたら、NATIVE INSTRUMENTS Kontaktに取り込みます。Batteryを使うこともあるのですが、Kontaktの方がボーカルにはマッチしている印象です」

 

2. EQで200Hz以下をカット

EQ3

「Kontaktに取り込んだら、AVID EQⅢで200Hz以下をカットをします。これは普段の制作からも取り入れており、ボーカルには聴こえていないものの、出ている帯域があるので、そこはカットする癖をつけていますね。結果的に、すっきりとした聴きやすい音になるんです。その後、リバーブとディレイでトラックになじむように処理しましょう」

 

3. Tape Stopが隠し味

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「ボーカル・チョップを適宜配置したら、隠し味としてKILOHEARTS Tape Stopをかけます。DJが使うテンポ・ダウンのような効果が得られるエフェクトです。Stop TimeとStart Timeというシンプルな構成なので、直感的な操作ができます」

 

 

 

 

応募受付終了! ただ今審査中!!

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審査結果は6月25日(火)12:00に、特設サイトで発表。また、同日発売の本誌8月号では、結果発表とともにREMIX JUDGES(審査員)のコメントも掲載する。

 

特設サイトhttps://xflag.com/sound-creators/remix-contest-vol2/

 

サウンド&レコーディング・マガジン 2019年7月号より転載

 

 

 

 

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