ついにDSD録音が可能になったKORG DS-DAC-10R発表会レポート

レポート by 市原 泰介(サウンド&レコーディング・マガジン編集部) 2015年10月23日

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近年、音楽メディアのハイレゾ音源ブームと対照的に、デジタル音源とは異なる音の良さやスタイルが見直され、アナログ・レコード・ブームが再燃しているが、それらを高音質なデジタル・データでアーカイブ化し、手軽に良い音で楽しみたいという要望も多い。本日KORGから発表されたUSBオーディオ・インターフェース、DS-DAC-10Rは、同社の特徴を生かしたユニークな新機能を盛り込まれ、ハイレゾ音源とアナログ・レコードの魅力を同時に楽しむことができる魅力的な製品に仕上がっている。その発表会の模様をレポートすると共に製品の魅力を伝えていきたい。

 

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KORG DS-DAC-10R本体

 

まず一番大きな特長は、DS-DACシリーズに高音質録音機能が加わった点だ。 PCと本体をUSBで接続するだけで誰でもレコードを高音質で録音し、いつでも好きなときに良い音を楽しむことができる。

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プロント・パネルとリア・パネル

レコード・プレーヤーを直接接続するためのフォノ入力端子を搭載。後述するように、フォノ・イコライザーはこの後段でソフトウェア処理されるため、入力端子はカセット・デッキなどのライン・レベルの入力にも対応している。従って、古い音源のアーカイブ以外にも、さまざまなステレオ録音用途でも活用できるだろう。銅メッキ板、金メッキ端子を採用しており、高音質にこだわった設計になっている。

 

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DS-DAC-10Rにはハイレゾ・オーディオ再生/録音ソフトウェア、AudioGate 4が付属している。

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KORG Audio Gate 4

録音/再生ともにDSD 2.8/5.6MHz、PCM なら最大24ビット/192kHzのフォーマットに対応している。フォノとラインの入力レベルの切り替えはAudioGate 4の録音設定画面で行う。

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録音設定画面

AudioGate 4にはDSDフォノ・イコライザーを搭載しており、録音時に掛け録りするだけでなく、そのまま入力/録音したものに後がけすることができる。これは設定されたファイル形式のまま、AudioGate 4のソフトウェア側でダウン・コンバートすることなくイコライジング処理されている。

フォノ・イコライザーはレコードの刻まれた波形を元のオリジナル波形に復元する役割を担っているが、1954年にRIAAが規格化される前に発売されたレコードに関しては、どのようなイコライザー・カーブを使って録音されたか分からないものも多い。また一説によると1980年代ぐらいまでは地域によってRIAAではないカーブを使ってレコードをカッティングしていた可能性もあるという。

このようなレコードをカバーできるようにAudioGate 4には一般的なRIAA以外にも5種類のカーブが用意されている。またフォノ・イコライザーをOFF設定することで、レコードに刻まれたそのままの音をアーカイブ化し、後がけでイコライジングして音の違いを楽しむこともできる。

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6種類のイコライザー・カーブだけでなく、OFFも設定できる

今回の発表会では、このようにアナログ・レコードの音声を一度AudioGate 4のDSDフォノ・イコライザーに通して試聴した。

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MC型カートリッジを使用しているためレコード・プレイヤーとDS-DAC-10Rとの間に昇圧トランスを接続している。

録音しない場合でもInput MonitorをONにすることで、入力音声にリアルタイムでDSDフォノ・イコライザーを掛けることができる。

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Input MonitorをONにした状態

DSDフォノ・イコライザーはソフトウェアの設計次第で追加や変更が容易であることや、温度や湿度の影響を受けやすいハードウェアと違いに、理想的なカーブを実現しているというメリットがある。このシステムでレコードを再生すると聞き慣れた音楽でも新しい魅力を発見することができるだろう。

本製品はオーディオ・システムに加えて使用してもらうことを想定し、高級感のあるダイキャスト・ボディを採用し、機能美にあふれるデザインになっている。

またボリューム・ノブのLEDのカラーにより、再生フォーマットや録音状態が視認できるようになっている。

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発売は11月下旬を予定。
価格はオープン・プライス(市場想定売価60,000円前後)を予定。
[問い合わせ]コルグお客様相談窓口 TEL: 0570-666-569
[製品リンク]http://www.korg.com/jp/products/audio/ds_dac_10r/
またKORGではDSDを使ったライブ・ストリーミングにも力をいれており、ホールで聞こえている音をDSDをキャプチャーしてそのままリアルタイムで配信するというDSD LIVEストリーミング・イベントを行っている。
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このイベントに参加するためには無償で提供される再生ソフトウェアPrimeSeatが必要で、以前はKORGまたはSONY製のUSB-DACが必要だったが、10月21日に公開されたPrimeSeat v1.1.0 Betaより、これらのDACを接続しない場合でもユーザーのコンピューターの性能に応じた音質に自動コンバートして再生することができるようになった。

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KORG PrimeSeat

昨日より、ポーランドのワルシャワで開催されている第17回 フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール受賞者コンサートの模様がDSDライブ・ストリーミングされている。本日10月23日は深夜26:00より配信予定。また、PrimeSeatには過去にライブ・ストリーミングされたコンテンツの一部がオンデマンド配信されている。これを機会にDSDの音の世界に触れてみてはいかがだろうか。

 

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