ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「ヘッドフォン・ケーブル」

ACOUSTIC REVIVE連載 by 寺田康彦、Masayoshi Iimori、中村文俊 撮影:川村容一 2019年3月18日

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回クロス・レビューするのは、ヘッドフォン・ケーブルのRHCシリーズ。識者3名に、普段愛用しているヘッドフォンでチェックしていただいた。

第2回「ヘッドフォン・ケーブル」

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

ACOUSTIC REVIVEのヘッドフォン・ケーブルは、世界初のノイズ除去機能付きヘッドフォン・ケーブルになります。日立金属が開発したノイズ除去素材“ファインメットビーズ”の搭載により、ヘッドフォンへ混入するノイズをほぼ100%除去することが可能です。

鍛造(たんぞう)製法によって信号が流れる方向へ連続した結晶構造の単線導体“PC-TripleC”や、比誘電率に優れたテフロン絶縁、各社のヘッドフォン用に特化させた完全非磁性体構造のロジウム・メッキ・プラグなどで圧倒的な導通特性を実現し、ヘッドフォンに付属するケーブルやほかの単体製品のヘッドフォン・ケーブルでは到達できない次元へとご愛用のヘッドフォンのクオリティを昇華させます。

<Price>
RHC-2.5AK-TripleC-FM(AKG Studioシリーズなどに対応):24,800円
RHC-2.5UL-TripleC-FM(ULTRASONE Prolineシリーズなどに対応):28,000円
RHC-2.5SH-TripleC-FM(SHURE SRH940などに対応):28,000円
RHC-2.5SH-S-TripleC-FM(SHURE SRH1840に対応):55,000円
RHC-2.5SH-B-TripleC-FM(SHURE SRH1840に対応):88,000円
RHC-2.5HS-S-TripleC-FM(SENNHEISER HD650などに対応/フォーン仕様):55,000円
RHC-2.5HS-B-TripleC-FM(SENNHEISER HD650などに対応/XLRバランス仕様):88,000円
RHC-2.5HE-S-TripleC-FM(SENNHEISER HD800に対応/フォーン仕様):68,000円
RHC-2.5HE-B-TripleC-FM(SENNHEISER HD800に対応/XLRバランス仕様):98,000円

※長さはいずれも2.5m。長さの特注も可能で、延長は50cmあたり15,000円、1mあたり20,000円。2.5m以下の特注は上記の標準品と同価格

 

Cross Review

Engineer/Sound Producer
寺田康彦
4
<Profile>アルファレコードなどを経てシンクシンクインテグラルを設立。エンジニアとしてはYMOやPINK、スピッツ、矢野顕子、DECO*27など多くを手掛けてきた。

あるものをそのまま再現し
忠実に伝達する印象

マイク・ケーブルは随分いろいろな製品を聴き比べましたが、ハイ上がりだったりロー感の変化するものが多く、個性を出そうとするあまりマイクやプリアンプの特性を見えづらくするものがあったかと思います。なので、結局はナチュラルなのがベストだと考えていました。今回はヘッドフォン・ケーブルということで、少し別の見地から考える必要がありますが、派手に聴こえたりしてもミックスの出来上がりに反映されないわけだし、デメリットの可能性もあるわけです。

私の密閉型ヘッドフォンSHURE SRH1540は少し中高域が出てくる印象ですが、普段は慣れてミックスをしています。ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5SH-S-TripleC-FMに感じたことは、基本的に素直で、どこかの帯域が見えやすくなるとかではなく落ち着いた音場。“あるものをそのまま再現しているのかな”という印象です。しいて言えば、低域がほんの少し増したかなという感じ。バランスの悪いものは悪く、ダイナミクスも素直に表れます。とにかく信号を忠実に伝達するケーブルだろうと感じました

 

 

DJ/Producer
Masayoshi Iimori
5
<Profile>DJ/プロデューサー。TREKKIE TRAXよりデビューし、スクリレックス、ディプロ、メジャー・レイザー、DJスネイクら世界のプロデューサーからサポートを受ける。

40〜50Hz帯を扱う僕にとって
ありがたい存在です

RHC-2.5AK-TripleC-FMをオープン型ヘッドフォンのAKG K702で使ってみました。付属ケーブルから替えてみて最初に感じたのは、音のバランスがより聴きやすくなっていること、そして低域が豊かになっていることです。AKGのヘッドフォンはエイジングの必要がないくらい耳に優しい音なのですが、付属ケーブルではいかにもモニター・ヘッドフォンという感じの音で、少し高域が強い気がしていました。

しかしRHC-2.5AK-TripleC-FMでより聴きやすく、きめ細かいバランスになるように感じられます。また低音や倍音が奇麗に見えることで、僕のような40〜50Hz帯の超低域を扱うプロデューサーにとっては自宅でのヘッドフォン作業がしやすく、ありがたいです

また、このケーブルは“単線”を採用しているので、通常のヘッドフォン・ケーブルより太く、重量感のある作りです。それに合わせてプラグ部分のコーティングも分厚く、ヘッドフォン側には金属パーツがついており曲がり過ぎることが無く、断線に強いというところも高ポイントです

 

 

Engineer
中村文俊
中村さん
<Profile>レコーディング/ミックス・エンジニア。スガ シカオ、大黒摩季らの作品に携わる。ライブDVDのサウンド・ミックスやゲーム用サウンドのデザインなども行う。

ケーブルで味付けされる感じがせず
作った音をきちんと反映してくれる

ヘッドフォンのリケーブルは何度かやっていますが、味付けされる傾向で、エンジニアの感覚では正直使いづらいものが多かったように思います。

今回ACOUSTIC REVIVEのヘッドフォン・ケーブルを使い、その印象が払拭されました。音の傾向はモニター的で、ヘッドフォン本来のキャラクターを保ちつつ、周波数特性をなだらかにしてワンランク上の音にしてくれる感じ。高域は奇麗に伸びていつつも作られた感じがせず、低域も全体的に引き締まり、いずれの帯域でも定位がとらえやすくなりました。音場の広さ(左右感)や奥行き感、音一つ一つの近い(大きい)/遠い(小さい)という違いもはっきり分かるようになります。

そして、こちらが実際に作っている音をきちんと反映してくれるのがうれしい。例えば、サビの部分では曲全体が盛り上がることで、歌を前に出しているにもかかわらず埋もれて聴こえてしまうことがありましたが、このケーブルを使うとそれが無いのです。正直、もう元のケーブルには戻れないと感じました。またジャンル的にはオールラウンドで、どんなスタイルの楽曲でも演奏や歌の繊細さが分かり、今まで気付かなかったミスタッチにも耳が行くように。ロックのスネアの皮やギターのひずみの感じもよく再現され、ノイズ・チェックなども容易です。ケーブルはやや硬めで、取り回しには注意が必要ですが、“今のヘッドフォンは気に入っているけど、もうちょっとこうなればな……”という悩みを解決してくれるでしょう。高い機種への買い替えは、音の傾向が変わって使いづらくなったりしますからね 貸し出しサービスもあるので、実際に試してみるとよいと思います!
<製品概要>
ACOUSTIC REVIVEヘッドフォン・ケーブル

 

 

(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2019年4月号からの転載となります)

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