ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「USBケーブル」

ACOUSTIC REVIVE連載 by 砂原良徳、小松“K.M.D”久明、SUI 撮影:Hiroki Obara 2019年3月11日

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。ここでは特定の製品にフォーカスし、アーティスト/エンジニアらによるクロス・レビューをお届けする。今回のテーマはUSBケーブルのR-AU1-PLだ。

第1回「USBケーブルR-AU1-PL」

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

USBケーブルは利便性を追求するが故に、1本のケーブルの中に電源ラインと信号ラインが混在しています。このため、電源ラインと信号ラインそれぞれから発生する輻射(ふくしゃ)ノイズによって干渉が起こり、デジタル伝送自体が著しく劣化してしまっています。

ACOUSTIC REVIVEのUSBケーブル、R-AU1は電源ラインと信号ライン完全に分けた特許構造のUSBケーブルで、電源ラインと信号ラインの干渉を防ぎ、デジタル・データの劣化が起こりません。また鍛造(たんぞう)製法で作られるPC-Triple C単線導体、比誘電率に優れ伝送スピードを向上させるテフロン絶縁、静電気の発生を防ぐ天然シルク緩衝材、音色的な癖を発生させることなく外来ノイズを強力に遮断する銅箔シールドなど、贅を尽くした素材とケーブル構造で滑らかかつエネルギッシュな音色を実現します。

<Price>
R-AU1-PL(通常仕様):18,000円(全長1m)
R-AU1-SP(シリーズ製品/A端子2個仕様):22,000円(全長1m)
※長さの特注可能。R-AU1-PL/ R-AU1-SP共に0.5mあたり5,000円

 

Cross Review

Artist
砂原良徳
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<Profile>電気グルーヴのメンバーを経て、ソロとして電子音楽を追求しつつ、METAFIVEでも活動。近年はマスタリング・エンジニアとして多数の作品を手掛ける。

音の圧が上がるとともに
“本来の音色”が見えてくる

僕はデジタル・ミキサーのYAMAHA 01V96IをコンピューターにUSB接続し、オーディオI/Oとして使っているため、普段使用している一般的なUSBケーブルをR-AU1-PLに替えてチェックしました。使ったソースは、自らの楽曲のプロジェクト・ファイルやオーディオ・ファイル。後者については、iTunesや波形編集ソフトなど、いろいろなプレイヤーで再生してみました。

試す前は“差し替えたところでそんなに変わらないだろう”と思っていたのですが、いざチェックしてみると全然違った。スピーカーを揺らす音の力が強くなった感じで、音の“圧”が上がったような印象を受けたんです。またこういうハイエンドなケーブルを使うと、大抵は2ミックス全体の周波数レンジが広がるように感じるのですが、R-AU1-PLの場合は一つ一つの音のレンジが広がるような印象。それに伴い、分離も良くなったと思います。本当に、普段使っているケーブルとは全然違いますね。ブラインド・テストをやっても、全然違うことが分かるはずです。

あと、かなり印象的だったのが、自分ではツルツルした質感だと思っていた音色が、R-AU1-PLに替えた途端、実はザラついていたのだと分かったこと! 恐らく解像度が劇的に向上したので、本来の音が見えてきたのだと思います。普段のケーブルに、いかにあいまいな部分が多かったのかを実感しました。そのほかエコーの減衰の仕方などもよく分かるようになったので、音色作りなど細部を詰める作業に向いていると感じます。

 

PA Engineer
小松“K.M.D”久明
2
<Profile>Oasis所属のPAエンジニア。大黒摩季やLUNA SEA、河村隆一、INORAN、石野真子、DIAURAなどさまざまなアーティストの音響を手掛けてきた。

音量が大きくなる印象で
輪郭や定位が明確に

APPLE MacBook AirにオーディオI/OをUSB接続し、音楽ファイルを再生しつつヘッドフォンでサウンド・チェックしました。比較対象はオーディオI/Oの付属USBケーブルです。ファースト・インプレッションとしては、音量が上がった感じがしました。バス・ドラムの輪郭がはっきりとし、ベースとのグルーブ感が気持ち良くなったのです。各楽器の定位もはっきりとしていて、ストリングスの奥行き感までうまく表現されています。とにかく聴いていて疲れませんし、楽しい気持ちになりますね。とても良いケーブルだと思います

これまでデジタル・ケーブルの音質比較はあまり行ってきませんでしたが、今回、可能性を感じました。例えばアイドルのコンサートにおいて音源出しが多くなった昨今、いかに“良い音”で音出しするかは重要ですし、スピーカー・チューニングにおいても正確な再生ができるUSBケーブルは必要だと思います。そうした点で、R-AU1-PLは現場でも有用なのではないでしょうか。

 

Producing Engineer
SUI
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<Profile>トラック・メイクからボーカルのディレクション、ミックスまでを手掛ける作家/プロデューシング・エンジニア。近年は劇伴やCM音楽などにも携わる。

中高域の粒が奇麗に出て
解像度が上がる印象

今回は、オーディオI/OとコンピューターをつなぐUSBケーブルとしてR-AU1-PLをチェック。これまで使用していたオーディオI/Oの付属ケーブルから差し替えてみて、まずは音像全体が少しだけ中高域寄りにシフトする印象を受けました。しかしその代償として、中低域を犠牲にしているというわけではないので、落ち着いた明確な出音と言えます。中高域は、聴覚が音の定位や奥行きを把握する帯域です。そこの粒が奇麗に出そろったことで、解像度が上がったように感じます

音楽制作においてR-AU1-PLを使用するメリットは、ボーカルやギターなどの録音の際、録り音が明りょうになるという点。楽曲は複数の音が重なったものなので、一つ一つの音の変化は微細でも、最終的な音像の印象は大きく変わってくるでしょう。ミキシングやマスタリングのときは、明りょうかつ落ち着いたモニター音を聴くことになるため、仕上がるファイルは、元気で腰のすわった(中低域の充実した)音像になりやすいかと思います。

 

<製品概要>
R-AU1-PL

 

(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2018年1月号からの転載となります)

 

 

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