プロが信頼を置く英国のブランド ASTON MICROPHONES〜タブゾンビ

ASTON MICROPHONES Aston Origin

ASTON MICROPHONES連載 by 撮影:Hiroki Obara 2018年5月30日

ASTON_tabuMain

第3回 タブゾンビがOriginを使う理由

 ASTON MICROPHONES(以下ASTON)は、SE ELECTRONICSの共同経営者であったジェイムス・ヤング氏とフィル・スミス氏が2015年に創業したマイク・メーカー。現在は単一指向&トランスレスのAston Origin(以下、Origin)とマルチパターン&トランス出力のAston Spirit(以下Spirit)という2種類のコンデンサー・マイクがラインナップされている。ハイクオリティかつリーズナブルな“Built in Britain”マイクは、さまざまな現場での活躍の機会が増えている。今回は、2年ぶりのアルバム『DAPPER』リリースしたばかりのSOIL&”PIMP”SESSIONSのタブゾンビ(tp)にご登場いただく。

 

タブゾンビ
<Profile>2001年にSOIL&”PIMP”SESSIONSを結成。“デス・ジャズ”と呼ばれる爆音ジャズを展開し、ワールドワイドに活躍。5月9日にリリースされた2年ぶりのアルバム『DAPPER』は多くのゲストを迎え、ヒップホップ、エレクトロ、R&Bなどのテイストを加え、バンドとしての新たな可能性を示した

 

格好が良くて音の良い手ごろなマイク
サブトーンの息のニュアンスがよく出る

 タブゾンビがASTONのマイクに出会ったのはテレビの収録現場。PAエンジニアが用意したOriginを気に入り、自身でも購入したそうだ。

 「どちらかと言えばSpiritの方が音は好みだったんですが、Originはスタンドに取り付けたときのバランスが良くてかわいい。ストレートのマイク・スタンドに、ホルダーを使わずにこのまま付けられるコンデンサー・マイクは、これまで無かったと思います。もちろん、音も良かったんです。何が良いって、サブトーンを吹いたときに息の音が“プスー”って聴こえる。そういうマイクはあまり無いんです。太さに関してはほかのマイクの方があるので、SOILの『DAPPER』ではチューブ・マイクやリボン・マイクを組み合わせて使いました」

 音質のみならず、金属の質感が生きるボディ・デザインもタブゾンビがOriginを高く評価している点だ。

 「音が良いマイクは多いんですが、Originは格好良くて音が良いマイク。さらに値段も手ごろというのがすごいですね」

 SOIL&”PIMP”SESSIONSは、新作『DAPPER』において、爆音でプレイする従来のデス・ジャズ・スタイルから、ヒップホップやR&Bのニュアンスを生かした方向に大きくシフトした。当然、アルバム中でもそうした息のニュアンスが生きるタブゾンビの演奏が堪能できる。

 「だからこそ新作ではマイクの種類と距離感、プリアンプなど、相当こだわりました。あのマイクとこのマイクを試したいと言ったら、エンジニアの奥田(泰次)さんが全部準備してくれて、吹き比べてみたりしましたから。若手のホーン・プレイヤーももっと自分の使うマイクにこだわった方がいいと思うし、自分でマイクを買ってみるのもいい。その入口として、ASTONのマイクは相当お得だと思います」

 タブゾンビ自身も、普段からOriginを現場に持っていくことが多いという。

 「インディーズの現場だと、SHURE SM58のような定番的なダイナミック・マイクしか選択肢が無いことが多い。SM58も太さがあっていいマイクですが、繊細な部分は出にくいんです。その点、Originを持っていけば、静かな曲でニュアンスを重視した録音にも対応できるんですよ。あとリハも、Originを持っていけばいい音で録れますしね」

 

金管での収音のコツは“少し下を狙う”こと
小編成のアコースティック・ステージに最適

 金管楽器は倍音が多いため、繊細なコンデンサー・マイクとの相性が問題となることもある。タブゾンビは、Origin使用時のマイキングでうまくコントロールできると語る。

 「距離と、ベルの角度は重要ですね。ダイアフラムの真正面から狙うとビリビリと鳴ってしまうので、少し下を狙うような感じ。距離は30〜60cmくらいで、狙うサウンドによって調整します。周りの音も拾うけれど、小編成のアコースティックならちょうどいいかな。勝井祐二(vln)さん&U-zhaan(tabla)とのセッションでも使ってみましたが、いい感じでした。エンジニアは何も指定しないとローカットを入れることが多いですが、僕は80〜100Hz辺りを切らずに、フラットに作ってほしいとリクエストします」

 『DAPPER』初回盤の特典DVDには、ライブ一発録りの映像が収録されているが、ここでもOriginが活躍したとのこと。「録音用にも使うけれど、やっぱりOriginはライブがメインかな」とタブゾンビは語る。

 「俺はピン・マイクを使う現場が多いんですけど、今ではインスト・バンドがみんな使うようになってしまって、じゃあ変えようかなと。スタンド・マイクでできるような現場には、Originを使っていこうかなと思っています。録音用にSpiritも手に入れたいとは思っていますけどね。ボディの金属色もかっこいいし。Originに合うような、ちょっと錆びた感じのマイク・スタンドも作ってみたいなと思います。“良いマイクありますか?”と相談されたらOriginを薦めていますが、みんながみんな使い始めたら、俺はやめるかもしれないけど(笑)」

 

▲Originの使用時には距離のコントロールがポイントだと語るタブゾンビ。最短で30cm程度、求めるサウンドによってはさらに距離を取るようにしているとのこと。また、ダイアフラムがベルと正対する位置ではひずみやすくなるので、少し下を狙っているという

▲Originの使用時には距離のコントロールがポイントだと語るタブゾンビ。最短で30cm程度、求めるサウンドによってはさらに距離を取るようにしているとのこと。また、ダイアフラムがベルと正対する位置ではひずみやすくなるので、少し下を狙っているという

 

▲『DAPPER』初回限定盤DVDの“LIVE SESSIONS at Little Nap MUSIC STAND”では、Originが立てられているのが分かる

▲『DAPPER』初回限定盤DVDの“LIVE SESSIONS at Little Nap MUSIC STAND”では、Originが立てられているのが分かる

 

DAPPER_Jacket 『DAPPER』
SOIL&”PIMP”SESSIONS
(Getting Better Records)
初回限定盤(CD+DVD):VIZL-1327
通常版(CD):VICL-64953

 
 

Aston Origin(写真左/オープン・プライス:市場予想価格39,600円前後)は単一指向性、Aston Spirit(右/オープン・プライス:市場予想価格54,000円前後)は無指向/単一指向/双指向を切り替えられるコンデンサー・マイク。いずれも金蒸着の1インチ径カプセルを備える。回路はOriginがトランスレス、Spiritがトランス内蔵。どちらもタンブル加工のボディは傷がつきにくく、波形形状のメッシュ・ヘッドでカプセルを保護。両モデルともPADと80Hzでのローカットを内蔵している

Aston Origin(写真左/オープン・プライス:市場予想価格39,600円前後)は単一指向性、Aston Spirit(右/オープン・プライス:市場予想価格54,000円前後)は無指向/単一指向/双指向を切り替えられるコンデンサー・マイク。いずれも金蒸着の1インチ径カプセルを備える。回路はOriginがトランスレス、Spiritがトランス内蔵。どちらもタンブル加工のボディは傷がつきにくく、波形形状のメッシュ・ヘッドでカプセルを保護。両モデルともPADと80Hzでのローカットを内蔵している


 

【製品サイト】
Aston Origin
Aston Spirit

 

SOIL&”PIMP”SESSIONS オフィシャルWeb
http://www.jvcmusic.co.jp/soilpimp/
タブゾンビ Twitter
https://twitter.com/tabuzombie

サウンド&レコーディング・マガジン 2018年7月号より転載

ASTON MICROPHONES

Aston Origin


※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

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