NEUのミキサー&スピーカーでマイPAシステムを手に入れろ!

NEUのPA機器 by サウンド&レコーディング・マガジン編集部/Photo:Shunsuke Nakanishi 2016年2月25日

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簡易PA用の機材を中心に手掛けるメーカー、NEU(ヌー)。同社が新しく発売したパワード・ミキサーLive Activ
eシリーズとパッシブ・スピーカーのLSシリーズは、PAについて特別な知識を持たない人でも扱いやすい製品群だ。今回はPAエンジニアの西川文章氏と4人組ロック・バンドの“空きっ腹に酒”に協力してもらい、8chモデルのLive Active 8と10インチ径ウーファー搭載のLS-10をテスト。昨今増えているミュージシャン自主企画のカフェ・ライブを想定し、30人ほどのキャパシティを有する心斎橋CONPASSのセカンド・フロアで試してみた。

今回チェックした製品

Live Active 8 オープン・プライス(市場予想価格:35,000円前後)

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DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を搭載した8chのPA用パワード・ミキサー。各チャンネルにはマイク・イン(XLR)やライン・イン(フォーン)のほか、2バンドEQや内蔵のDSPエフェクトへの送りレベル、出力レベルのツマミが備えられている。これらの右側にはマスター・ボリューム、5バンドのグラフィックEQ、DSPエフェクトの各セクションを配置。DSPエフェクトは16種類のプリセットを備え、“PARAMETER”ツマミで音色、“VOLUME”ツマミでリターン音量を調整可能。シリーズ製品として4chのLive Active 4(オープン・プライス:市場予想価格30,000円前後)が発売されている。

▲リアには左から、電源スイッチ、電源端子、AUXインL/R(RCAピン)、スピーカー・アウトL/R(スピコン、フォーン)、ライン・アウトL/R(RCAピン、出力レベルを-20/-10dBの2つから選択可能)、エフェクト・リターン端子、エフェクト・センド端子(以上、フォーン)を配置

▲リアには左から、電源スイッチ、電源端子、AUXインL/R(RCAピン)、スピーカー・アウトL/R(スピコン、フォーン)、ライン・アウトL/R(RCAピン、出力レベルを-20/-10dBの2つから選択可能)、エフェクト・リターン端子、エフェクト・センド端子(以上、フォーン)を配置

SPECIFICATIONS
■ 入力チャンネル数:8
■ 電源:AC100V 50/60Hz
■ 消費電力:240W
■ 外形寸法:515(W)×215(H)×280(D)mm
■ 重量:12kg

LS-10 オープン・プライス(市場予想価格:28,000円前後)/ペア

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可搬性を重視したPA用のパッシブ・スピーカー。10インチ径のコーン・ウーファーと1インチの高域ドライバーを内蔵する2ウェイ仕様となっており、1本あたり7.5kgと軽量なので、カフェ・ライブなどの仮設PAにも向いている。シリーズ製品として、8インチ・ウーファーのLS-8(オープン・プライス:市場予想価格25,000円前後)もラインナップしている。

︎リアの入力端子(スピコン)

︎▲入力端子はスピコン

SPECIFICATIONS
■ スピーカー構成:10インチ・コーン・ウーファー(低域)+1インチ・フェノール・ドライバー(高域)
■ 出力:400W(ピーク)/200W(RMS)
■ 指向性:90°(水平)×60°(垂直)
■ 周波数特性:68Hz~20kHz
■ 外形寸法:360(W)×505(H)×270(D)mm
■ 重量:7.5kg

 

Live Active 8ミキサー使用レポート!

ミキサー/スピーカー共にとにかく軽量

普段は休憩スペースなどとして使われているCONPASSのセカンド・フロア。ソファやテーブルといった備品が置かれているが、それらを別の部屋に移動させ、空いたスペースに機材を設置すると、まさにカフェ・ライブ然とした空間へと変ぼうした。PAエンジニアの西川文章氏はセッティングを終えるやいなや「Live Active 8もLS-10もめちゃくちゃ軽いですね。ビックリしました」とコメント。とりわけLive Active 8については、スピーカーを鳴らすためのパワー・アンプを内蔵しているにもかかわらず「えい!と気合いを入れて持ち上げたら拍子抜けしたくらい」の軽さとのことで、持ち運びや設置のしやすさがうかがえる。またボディの両サイドにはラック・マウント用の耳が付いているため、1台のラックにアウトボードやワイアレス受信機とともにセットし持ち運ぶことも可能だ。

バンドの収音方法は極めてシンプル。ドラム・セットの3点(キック、スネア、ハイハット)やギター・アンプ、ボーカル、コーラス×2へ立てた計7本のマイクとベース・アンプのダイレクト・アウトをLive Active 8につなぐだけだ
った。これら8chのサウンドはステレオにミックスされた後、客席向けの2台のLS-10に送られたが、特徴的だったのはモニター・スピーカーが使用されなかった点。西川氏は「最近こういう現場が増えていると思います」と話す。
「いわゆるライブ・ハウスではモニター・スピーカーが必要になってきますが、カフェなどの小規模な会場であればペア1組のスピーカーが客席用とモニター用を兼ねることもあるんです。例えばスピーカーをミュージシャンの後ろ側に設置すれば、本人たちとお客さんの両方に音が届きますからね」

多彩なエフェクトを備えるLive Active 8

セッティングが完了すると、いよいよサウンド・チェックが始まった。
まずはLive Active 8の音質について聞いてみる。
「内蔵パワー・アンプの音質が特徴的ですね。中域寄りで、丸みやパワー感があります。僕はシャリシャリした音が苦手なので、このミキサーの音にはすんなりと入っていけました。各チャンネルに付いている2バンドEQもすごく良い……効果が分かりやすいんですよ。ツマミをちょっと回すだけで低域をスッキリさせたり、高域を立たせることができます。またブースト方向で使っても、そこまで位相感が悪くなりません」

Live Active 8には、同時に1系統まで使用できるDSPエフェクト(デジタル・エフェクト)が搭載されている。プリセットはリバーブやディレイをメインとした全16種類で、チャンネルごとにかかる量を調整することが可能だ。
「プリセットが豊富で良いですね。個人的にはリバーブの“Plate 3”が気に入りました。僕はリバーブに関してもシャリシャリしたものが苦手なんですが、このPlate 3には温かみがあって、すごく良い感じだなと。“Vocal Reverb 2”も好印象です。普通のリバーブではなく、ディレイが少し付くんですよ。いかにもリバーブです!といった感じが薄れ、よりなじみの良い響きが得られます。普段はリバーブとディレイを個別に用意しているので、1台で両方の効果を得られるのは便利ですね」
このほかLive Active 8にはマスター用のグラフィックEQが搭載されている。100/330Hz/1/3.3/10kHzの5バンド仕様となっており、「的確な周波数設定だと思います」と西川氏は評している。

テストの模様

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製品のテストを行った西川文章氏。大阪を拠点に全国で活動するPAエンジニアで、今回も確かな手腕を披露。かきつばたやブラジルといったプロジェクトにて、アーティスト活動も行っている

MIXER
現場に設置されたパワード・ミキサーNEU Live Active 8。フロント・パネル上段のCh1~3にメイン・ボーカルとコーラスのためのSEIDE Pro-38S、Ch4にはキック用のSHURE Beta 58Aを接続。パネル下段のCh5とCh6にスネアとハイハットへ立てたSM57、Ch7にはベース・アンプのダイレクト・アウト、Ch8にはギター・アンプ用のSM57をつないだ

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心斎橋CONPASSのセカンド・フロアはキャパシティ30人ほどのスペース。縦長の空間で、当日は奥の方にバンドの持ち場、入り口の付近にPA席を仮設した。協力してくれたバンドは、大阪を拠点に活動する“空きっ腹に酒”。田中幸輝(vo/写真中央やや左)、西田竜大(g/同右)、シンディ(b/同左奥)、いのまた(ds/同中央奥)から成る4人組で、ロックを基調にファンクやヒップホップを取り込んだグルービーなサウンドが持ち味。来る3月16日にミニ・アルバム「人の気持ち」をリリースする

 

LS-10スピーカーの使用レポート!

バンドの音圧にも耐えるLS-10

続いてはスピーカーのLS-10について伺ってみよう。テストに協力してくれた“空きっ腹に酒”は大音量のロック・バンドだが、LS-10はその音圧に耐えられたのか?
「うまく耐えていたと思います。Live Active 8のグラフィックEQで100Hzを3〜4dB、330Hzを2dBほど下げると、キックやベースも無理なく鳴りました。“おっ!”と思ったのは、ボーカルが埋もれなかった点。バンドの音量やスピーカーのサイズを考えると、歌が聴こえなくなるかなと心配していたのですが、ちゃんと抜けてきたんですよ。Live Active 8のパワー・アンプとLS-10の組み合わせが、思った以上にパワフルだったわけですね

近年はパワー・アンプとスピーカーを一体化させたパワード・スピーカーが各社から発売されている。しかしLS-10はアンプ非搭載の“パッシブ・スピーカー”であり、アンプはミキサーのLive Active 8に備わっている形だ。こうした“パッシブ・スピーカー+パワード・ミキサー”のPAシステムには、どういったメリットがあるのだろう?
「重量や電源の面にアドバンテージがありますね。パワード・スピーカーを使うとスピーカーの一つ一つにアンプが付くのでシステム全体が重くなりますが、パワード・ミキサーならアンプの重量が1台分で済むため持ち運びやすくなります。またパワード・スピーカーは電源を必要とするので、ケーブルを引き回すのが大変だったりする。でもパワード・ミキサーを使えばスピーカーまで電源を引く必要が無いし、ケーブルの本数も減らせるわけです
使いやすさとクオリティを両立したLive ActiveとLSの両シリーズ。“自前のPAセットでライブの機会を増やしたい!”というミュージシャンにはうってつけだろう。

テストの模様

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PA機器と併せてE-LITE LED Power Party Barを使用。レッド/グリーン/ブルーのトライ・カラーLED素子を備えた簡易照明で、カフェ・ライブなどに彩りを添えるだろう

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パッシブ・スピーカーのNEU LS-10はバンドの少し手前に設置。10インチ・ウーファーのモデルとは思えないほどのパワーで、キックやベースの重要な帯域もしっかりと再生していた

BASSAMP
ベーシストのシンディはGENZLERのアンプ(写真中央)を試した。ヘッドのMagellan 800(オープン・プライス:市場予想価格121,300円前後)、キャビネットのMG-112T(オープン・プライス:市場予想価格120,400円前後/ヘッドの下にあるもの)、BA12-3(オープン・プライス:市場予想価格154,700円前後/床に置いたもの)が用意されたが、サウンド・チェック時はMagellan 800とBA12-3をメイン使用。BA12-3は、12インチ・ウーファーと3インチの中~高域用ドライバー×4を備えており、ドライバーを縦に並べて配置しているのが特徴。シンディは「特に高域の再生能力が素晴らしく、レスポンスも速い。ヘッドのダイレクト・アウトと同じスピード感で聴こえます。低域についても締まりが良く、ボワつきません。今回試してみて欲しくなりましたね」と非常に高く評価していた。なおMG-112Tのシリーズ製品として、デュアル12インチ・ウーファーのMG-212T(オープン・プライス:市場予想価格184,300円前後)がラインナップされている

 

PAに役立つ! イースペックの機材

Live ActiveシリーズやLSシリーズの販売は大阪の音響会社、イースペックが手掛けている。同社はNEUを含めさまざまなメーカーの製品を取り扱っているので、その中からライブでも活用しやすいものを幾つか取り上げたい。

NEU

CXシリーズ

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アナログ・ミキサー。CX7(オープン・プライス:市場予想価格15,000円前後)はモノラル5ch+ステレオ1系統のモデルで、CX4(オープン・プライス:市場予想価格10,000円前後)はモノラル2ch+ステレオ1系統の機種。いずれもヘッド・アンプや+48Vのファンタム電源、3バンドEQ、ディレイ、AUXセンド端子などを備えている

HX-6000

NEU HX-6000
50mm径のユニットを採用した密閉型のモニター・ヘッドフォン。インピーダンスは32Ωで、最大出力は100mW、周波数特性は10Hz〜25kHz、重量は200gとなっている。価格はオープン・プライス(市場予想価格3,700円前後)

SEIDE

Pro-38S

MIC
ボーカル用ダイナミック・マイク。周波数特性は50Hz〜16kHzで、指向性は単一、価格は4,300円となっている

KVOX

Progress120シリーズ

CABLE

楽器用ケーブル。0.1mm径の銅線約120本でできた芯線/シールドを備えており、耐久性を特徴としている。また低域から高域までの各帯域で、音質の劣化を抑制。全長3mでストレート/ストレートのProgress 120 3SS(1,700円)やストレート/L字のProgress 120 3SL(2,000円)などをラインナップ

TRIPROP

MS-09シリーズ

POLE4
マイク・スタンド。ブーム・スタンドのMS-09B(ブラック)とMS-09C(クローム)、ミニ・ブーム・スタンドのMS-09 Miniの市場予想価格はいずれも3,800円前後、ストレートのMS-09Sは3,300円前後だ

STS-77

STS

アルミニウム製のスピーカー・スタンド。径は35mmで、高さの調整範囲は1.1~2m、重量は2.4kg。市場予想価格は4,300円前後

問合せ:イースペック TEL:06-6636-0372

 

 

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