プロを魅了する UNIVERSAL AUDIO Apolloシリーズのクオリティ〜その② セールス・マネージャー・インタビュー

新生Apolloシリーズ by サウンド&レコーディング・マガジン編集部/interpretation:Mariko Kawahara 2015年9月4日

NAGAI

Apolloはターゲットを定めた単体のオーディオI/Oから
カスタマイズ可能なプラットフォームへと成長しているのです

 

UNIVERSAL AUDIOが新しく発売したApolloシリーズ・オーディオI/Oの魅力に迫る本企画。製品概要紹介に続き2回目の投稿となる今回は、同シリーズにどのような技術が用いられているのかをUNIVERSAL AUDIOのインターナショナル・セールス・マネージャー=ユウイチロウ・ナガイ氏のコメントを通して紹介したい。

原音の再現性に優れた新しいAD/DA部
アナログ部をデジタル制御するUnison

●まずは新しいApolloシリーズのコンセプトについて教えてください。
ナガイ 主要なコンセプトは、UNIVERSAL AUDIOの核となる部分を向上させ、それを反映させることでした。
●今回AD/DA部をブラッシュアップしたということですが、どのような点が刷新されたのでしょう?
ナガイ 新しいAD/DA部は次世代のコンバーター技術を用いたもので、従来機に比べてダイナミック・レンジとひずみ率が向上しています。これにより録音/再生音量の大小を問わず、原音に極めて近い音質が得られるようになりました。しかし再現性に優れた音だからと言って、それが必ずしも音楽的に良いものとは限りません。だからこそApolloでは、UAD-2プラグインによって入出力信号にキャラクターを与えられるようにしているのです。
●新しく追加されたNeve 88RS Channel Strip Collectionなどは“Unison”テクノロジーに対応していて、エミュレーション対象のプリアンプに通じるテイストをインプットに付与できるそうですね。
ナガイ はい。このUnisonというテクノロジーは、アナログとデジタルのハイブリッドなシステムを提供します。システムの半分はA/D前段のアナログ・ハードウェアにあり、それがもう半分によってデジタル制御される仕組みです。Unison対応のプラグインを立ち上げると、そこからアナログ・プリアンプ部のインピーダンスやヘッドルーム、ゲイン・ストラクチャーなどをコントロールでき、エミュレート対象のプリアンプのサウンドと振る舞いを高い精度で再現することができるのです。
●こうしたハイブリッドな技術を生み出し、製品として実用レベルまで高められたのはなぜなのでしょう?
ナガイ Unisonは、“UNIVERSAL AUDIOのビンテージ・プリアンプ610をプラグインとして再現する”という長年の追求により生まれたと言えます。デジタルの技術だけを使った結果には満足することが無かったので、アナログ・コンポーネントを必要とすることは明白でした。弊社は610のみならず、エミュレートしたいすべてのプリアンプをリサーチした上でアナログ部やA/D部、ソフトウェア面を入念に設計し、Apollo TwinとともにUnisonをデビューさせることができたのです。
●今回Unisonが新しくハイインピーダンスの再現にも対応したため、Raw Distortionなどのギター用プラグインも高い音質を実現しているそうですね。
ナガイ 原理は先のプリアンプと同じで、プラグインからアナログ部を制御できるシステムです。実はApollo Twinを設計し始めたとき、最初の顧客としてギタリストを見込んでいました。それでギタリストに向けたプラグインを開発する中で、デジタルの技術とアナログのコンポーネントを組み合わせることにより、エミュレーションの精度向上が図れると気づいたのです。

 

マルチユニット・システムのI/Oを
柔軟に構成できる“Flex Driver”機能

ApolloZuhan

●Thunderbolt接続の利点について教えてください。
ナガイ ApolloシリーズはオーディオI/Oであると同時にUAD-2用のDSPアクセラレーターでもあるので、他社のオーディオI/Oよりも広い帯域幅を必要とします。そこでThunderboltの出番というわけです。Thunderboltは巨大な帯域幅を有しているため、フル装備のハイレート・オーディオI/Oと、優れたプロセッシング・パワーを一度に提供できるわけですね。そのほかのメリットとしては、ラップトップ・コンピューターを用いた環境でもパワフルなシステムを構築できる点や、複数台のユニットをデイジー・チェインする際の有用性などが挙げられます。
●Apolloは4台までデイジー・チェイン可能ですね。
ナガイ はい。Thunderboltを備えたユニットをデイジー・チェインすることで、オリジナルのApolloやApollo Twin、今回の新モデルを組み合わせたシステムを構築できます。そして4台のユニットが持つ入出力は、すべて1つのConsole 2.0ソフトウェアで管理することが可能です。GUIの上部には各入力のメーター・ブリッジが並んでいるのでレベルを視認しやすく、調整したいチャンネルのメーターをクリックすれば、即座に目的のチャンネル・ストリップを表示させることができます。また“Flex Driver”という機能も出色で、複数のユニットから成る大規模システムのI/Oルーティングやネーミングの変更が可能です。これを利用すれば、Native版のAVID Pro Toolsのように入出力数の限られたDAWと併用する際など、どの入出力にどのユニットのどんな端子を割り当てるか柔軟に設定することができるのです。

MeterBridge
▲Console 2.0のGUI上部をクローズアップした画面。上の方に各チャンネルのメーター・ブリッジが並んでおり、任意のものをクリックすれば調整したいチャンネル・ストリップにジャンプできる

●マルチユニットのシステムでは、いずれか1台でモニター系統をコントロールする形でしょうか?
ナガイ システム内では、任意のユニットをモニターとクロックのマスターに設定できます。そのユニットでメイン・ミックスやAUXバス、キュー・バス、モニター・セクション、システム・クロッキングを制御する仕様ですね。クロックはThunderboltで割り振られ、マスターのユニットから拡張ユニットにポイント・トゥ・ポイントで送られます。
●最後に、日本のミュージシャン/エンジニアに向けて、メッセージをお願いします。
ナガイ Apolloは、ターゲットを定めた単体の製品から、カスタマイズがフルに可能なプラットフォームへと成長しています。また今年中に素晴らしいUAD-2プラグインのリリースを予定しておりますので、お見逃しなく。

 

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