ヴァーチャル・セルフ@マイナビBLITZ赤坂 ライブ・レポート

レポート by 今井悠介(サウンド&レコーディング・マガジン編集部) 2018年6月8日

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ポーター・ロビンソンのサイド・プロジェクト“ヴァーチャル・セルフ”の来日公演

 

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それは1980年代のSF映画を見ているようだった。

スクリーンに映し出されるコンピューターのブート画面、光の柱を生み出す照明、飛び交うレーザー、そしてヴァーチャル・セルフの音楽……。その特別な空間で、観客全員が一体となりタイムスリップを味わった。

若手エレクトロニック・ミュージックのDJ/プロデューサーであるポーター・ロビンソンが2017年に突如発表した新プロジェクト、ヴァーチャル・セルフ。配信限定でリリースされたEP『ヴァーチャル・セルフ』は“2000年代のトランスや1990年代のジャングルを作り直す”という思いのもと作られた作品だった。その制作についてはサウンド&レコーディング・マガジン2018年3月号にて、ロビンソン自身に語ってもらっている。インタビューでは、“日本のアートや音楽、ゲームといったものがヴァーチャル・セルフのインスピレーションの源になっており、日本でショウをすることは大きな意味がある”と語っていたロビンソン。去る5月31日、ついに来日公演がマイナビBLITZ赤坂にて行われた。

ライブのオープニング・アクトとして登場したのはCarpainter。横浜在住のTaimei Kawaiによるソロ・プロジェクトだ。KAWAII系のフューチャー・サウンドからトラップ、ロビンソンのリミックスなど、4つ打ちを中心とした楽曲を次々と紡いでいく。ヴァーチャル・セルフのライブが始まる前に大きな盛り上がりを見せた。

 

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CarpainterのDJセットが終わり、会場が暗くなるとヴァーチャル・セルフのライブがスタート。ステージ中央にロビンソンの機材が置かれ、その周りを照明が埋め尽くしている。そしてステージ左右にもLEDやストロボが用意され、ロビンソンを取り囲むように照明機材がセッティングされていた。楽曲に合わせ、光の柱が生み出され、幻想的な雰囲気を作る。楽曲と完全にリンクしたライティングに観客も感嘆の声を上げていた。

ロビンソンはAPPLE MacBook ProとNATIVE INSTRUMENTS Traktor Kontrol S4 MKII、PIONEER DJ DJM-900NXS2を使用してライブを行っていた。マイナビBLITZ赤坂のFOHにはDIGICO D5、スピーカー・システムとしてNEXO Geo Tシリーズが導入されている。低域は控えめながらも、クリアな中高域が観客に届けられ、バーチャル・アナログ初期のシンセROLAND JP-8080をメインとするデジタル・サウンドの楽曲たちによくマッチしていた。

 

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ヴァーチャル・セルフのプロジェクトにおいて、プロデューサーとしての役割をになっているキャラクターが2人いる。トランスやテクノを意識した“Pathselector”と、ハードコアやスピード・コアを意識した“technic-Angel”だ。ライブは2部構成となっており、前半はPathselectorのフェーズ、後半はtechnic-Angelのフェーズとなっていた。2人のキャラクターに合わせた楽曲がプレイされ、『ヴァーチャル・セルフ』に収録された曲はもちろん、ジャングルやトランスの楽曲、日本語詞の楽曲まで飛び出してくる。ステージ後方の大型スクリーンには幾何学的な模様からSF作品を想像させるような言葉、日本のアニメまで映し出されていた。ロビンソンの世界観を音だけでなく、映像、照明にまで反映させたこの一夜限りの公演は90分にもおよび、大きな歓声とともに幕を閉じた。

 

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Photo:Masanori Naruse

 

配信限定リリースEP 『ヴァーチャル・セルフ | VIRTUAL SELF』
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(ソニー)
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ヴァーチャル・セルフ_EPジャケット写真

 

ヴァーチャル・セルフ オフィシャルWebサイト
https://www.virtualself.co/
ポーター・ロビンソン オフィシャルWebサイト
http://porterrobinson.com/

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