第10回〜【番外編】音楽ビジネスの今①

“D”と“P”の作法(音楽業界編) by 中脇雅裕 2017年4月21日

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皆さんこんにちは!
この原稿はロサンゼルスで書いています。
USC(南カルフォルニア大学)で講演をしてきました。お題は“日本のエンターテイメント・ビジネスの特異性について。”AKBのビジネスモデルの話はウケてました!
友人でKiss、ガンズ・アンド・ローゼズなどのプロデューサー、ケイン氏とのパネルディスカッションも盛り上がりました!

▲南カルフォルニア大学で講演する筆者

▲南カルフォルニア大学で講演する筆者

前回は“歌を作る”というテーマで編集作業の話などをしましたが、今回は旅の途中ということもあり、ちょっと脱線させていただいて、今回のUSCでの講演の内容を一部お伝えさせてください。m (_ _) m

 

グローバル・レポートから見る音楽コンテンツの売り上げ

ミュージック・ビジネスだけでなく、映画やテレビなどエンタメ業界は、常にヒットを作り出すことが目的と言っても良いでしょう。

しかし、ここ数年、爆発的なヒットが生まれ難くなっていると言われています。

その理由は、インターネットなどでそれぞれ個人が自分の好みのコンテンツを選ぶため、一つのコンテンツに人気が集中しづらくなったためと言われています。

そしてその上、YouTubeやSpotify,などの無料コンテンツで音楽が聴けるようなったためか、CDの売上が大きく落ち込んでいます。これはミュージック・ビジネスの中で大きな問題とされています。

この問題は、ハードウェアの問題。つまり、CDプレーヤー(PCのドライブも含め)所有者が激減していることも大きな理由です。

ここで、ちょっとデータを見てみましょう。世界各国の音楽産業団体を代表する国際レコード産業連盟(IFPI)が毎年公開している、グローバル音楽レポートの2016年版(http://www.ifpi.org/downloads/GMR2016.pdf)によると……。

2015年度のミュージック・ビジネスは収益が3.2%増加して約1兆6250億円を記録し、約20年ぶりに音楽産業がプラス成長しましたが、ほぼ横ばいです。

また、2015年はデジタル音楽からの収益が全体の45%を占め、39%だったフィジカル(CDなどのパッケージ)の売り上げを初めて上回った歴史的な一年でした。

その理由は世界的にSpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミング・サービスが大きく成長したからです。
2015年までの過去5年間でこれらストリーミングは4倍以上の急成長をしています。ストリーミングのシェアは43%でiTunesなどのダウンロードの45%に迫っています(私の予想では近々、iTunesなどのダウンロードは無くなると思います。だとするとCDよりはるかに短命ですね)。

世界的に見ると19カ国の音楽市場でデジタル売上がCDなどのフィジカルの売り上げを超えました。

つまり、ストリーミングの成功がこの音楽ビジネスを支えているのです。

ストリーミングの定額制サービスの有料会員数は世界で6,800万人以上。2010年の時点で世界の会員数はたった800万人でしたが、2014年では4,100万人、そして2015年で6,800万以上!
この一年で大成長です!

そしてその収益は、推定2,168億円でした。

フィジカルはシェアの39%をキープしているものの、世界的に売上は減少しています。

しかし、国別の音楽業界におけるフィジカルの割合は、
日本は75%
ドイツが60%
フランスが42%
です。

日本はフィジカルの割合が世界一! 実は売り上げも世界一!
つまり世界で1番CDが売れている国なんです。

そして、その日本のCD売り上げを支えているのが日本のアイドルたちなのです。

次回は私が考える音楽ビジネスの将来を皆さんにお伝えできればと思っています!

CUS!

【中脇雅裕】
プロデューサー/音楽ディレクター。CAPSULE、中田ヤスタカ、Perfume、手嶌葵、きゃりーぱみゅぱみゅなどのヒット作品に深くかかわる。アーティスト/クリエイターの成功とメンタルの関連性に日本でいち早く着目し、研究を重ねている。http://nakawaki.com

 

 

※本連載は毎月15日・30日近辺に更新していく予定です。お楽しみに!

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