第1回 Into Infinityとは?

Into Infinity~無限のムーブメント by 原 雅明(協力:ハシム・バルーチャ) 2009年10月14日

Into Infinityは、ロサンゼルスのネット・ラジオ局dublabが立案し、アメリカのCreative Commonsが協力して実現した、サウンドとビジュアルの作品をアーティストがネットで発表し、その作品がさらにさまざまな人々によって活用されていくというユニークなプロジェクト。ここではSound & Recording Magazineの誌面と連動し、関連リンクやイベントなどInto Infinityに関連する最新情報をお届けしていきます。

Into Infinityは、ロサンゼルスのネット・ラジオ局dublabが立案し、アメリカのCreative Commonsが協力して実現した、サウンドとビジュアルの作品をアーティストがネットで発表し、その作品がさらにさまざまな人々によって活用されていくというユニークなプロジェクト。

Into Infinityの展示の仕組みは実にシンプルだ。サウンドとビジュアルのアーティストを世界中から募り、サウンド・アーティストは8秒間のループ音源を、ビジュアル・アーティストはレコード盤サイズの円盤状の紙に制作した絵などを提供。それらはデジタル・データ化され、Into Infinityのサイトにおいてループと円盤のランダムな組み合せとして公開される。

ランダムにアーティストの作品を楽しめること自体にも展示の面白さはあるが、これは単なるネット上のアート・エキシビジョンではない。真にユニークなのは、これらのアップされた作品を第三者が自由に活用することが許されている、という点にある。

0909-ii-logo.jpgのサムネール画像

Infinity、すなわち”無限”へといざなうこのプロジェクトは、参加したアーティストの作品自体が、いわば創造性を再生させる無限の素材となる。私たちはその作品をサイトから自由にダウンロードできるし、それらを自分の作品に加えたり、作り直したりすることも許されている。

ただし、商業的に利用することは禁じられている。それはアーティスト自身が自分の著作権の一部を開放し、再利用を許可することで成り立つのだが、その許可を規定しているのがCreative Commonsライセンスで、Into Infinityはこのライセンスの下で公開されている(*)。

つまりアーティストは、自らの作品(サウンドとビジュアル)がCreative Commonsライセンスに基づいて公共に提供されることに同意することになる。しかしそれは著作権の放棄ではない。ただ、その作品が公共的に、なおかつ永久的に(=無限に)使われていくことに同意をするということだ。だから、もし誰かがループを気に入って、それを使って新たに曲を作るのも自由だし、円盤のアートワークを気に入って、それをTシャツに印刷して着るのも自由。ただ、その曲を売ること、そのTシャツを販売することは、アーティスト自らが禁止できる。

CDが売れない、音楽がデジタル・データとして解き放たれていくという現実は、日本のアーティストもリスナーも1人1人の実感としてとらえられるものとなりつつある。そうした現実に日本より前に直面し、そこから新たなアクションを起こすことを始めたのがdublabでありCreative Commonsだった。だからこそ、Into Infinityには音楽やアートを巡る状況を考えるにあたっての重要なメッセージとコンセプトが込められているのだ。

(原 雅明)

*Creative Commonsライセンスの詳細(http://creativecommons.jp/faq/)を参照。また、INTO INFINITYの作品は、Creative Commons Attribution-Noncommercial 3.0 Lcense(http://creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/deed.ja)またはCreative Commons Attribution-Noncommercial 2.1 Lcense(http://creativecommons.org/licenses/by-nc/2.1/jp/)のうち出展の時点において適用があるものに基づいている。

第2回は先進的ネット・ラジオdublabを紹介します。

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