【FOCALインタビュー】Clear Pro/Listen Proヘッドフォンの“シグネチャー・サウンド”

Developer Interview by 辻太一(サウンド&レコーディング・マガジン編集部) 2018年7月23日

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FOCALがリリースしたプロフェッショナル用ヘッドフォン、Clear Pro(198,000円/税込)とListen Pro(38,000円/税込)。既にちまたで話題の2機種だが、ここでは同社のセールス・マネージャー=グザビエ・メッツガー氏(写真)が編集部を訪れた際のインタビューをお届けし、あらためてそれらの魅力を見ていきたい。

ドライバーの素材と形状がサウンドの真髄

▲Clear Pro

▲Clear Pro

Clear Proは、FOCAL初のプロフェッショナル向けオープン型モデル。フランスにあるFOCALの工場でハンドメイドされており、独自の“Mシェイプ・ドーム・ドライバー”を搭載している。“Mシェイプ”とは読んで字のごとく“M字”の意味で、ドームを横から見たときM字型をしていることに由来する。ドライバー径は40mmとなっており、素材はアルミニウム+マグネシウムの合金。このドライバーが、ステレオ・イメージの広さや奥行きの表現力に大きく寄与している。

メッツガー「ドライバーの素材と形状が最も大きいです。このドライバーは、弊社のスピーカーのテクノロジーを応用したもので、ステレオ・イメージや奥行きを生み出すためのコア技術となっています。素材に関しては、アルミニウムだけだと軽量でクイック・レスポンスなのですが、高域が持ち上がってしまいがちです。そこでマグネシウムを少し混ぜて重量を整え、リニアリティを高めることでフラットなサウンドにしています。一方、M字の形状は均一な動きを生み出し、ひずみを低減する役目。総じて、このドライバーは原音に忠実な方向で作られており、ステレオ・イメージや奥行きが豊かに感じられるのも、ソース本来の音を正確に再現しているからなのです」

 

音の“一貫性”こそがメリット

▲Listen Pro

▲Listen Pro

もう一つのListen Proは、Clear Proよりも大幅にリーズナブルな密閉型の機種。FOCALと協力関係にある中国の工場で、本国のクオリティ・コントロールの下、生産されている。軽量かつ高い剛性を実現するため、ドライバーの素材にはマイラー・チタンを採用。FOCALならではのフラットでナチュラルなサウンドを標榜している。

メッツガー「先ほどのClear Proは、オープン型という構造もあってミキシング/マスタリングにフォーカスしたハイエンド製品に仕上げましたが、Listen Proは同じプロ向けでもより幅広い層にお届けしようと思い、開発したものです。用途についても、ミキシング/マスタリングはもちろんレコーディングにだって使いやすいですし、外出先での使用にも適しています。サウンドについては、Clear Proに比べるとディテールの表現力に差がありますが、紛れもなく“FOCALのシグネチャー・サウンド”を実現しています」

その“FOCALのシグネチャー・サウンド”がもたらすメリットについて、グザビエ氏はさまざまな面での“一貫性”を挙げる。

メッツガー「我々のシグネチャー・サウンドは、スピーカーとヘッドフォンの全製品に共通しています。例えばビギナーがエントリー向けの製品から出発し、経験を積むに従って使用製品のグレードを上げたとしたら、そのアップデートには必ず一貫性があるわけです。またスピーカーとヘッドフォンの両方をFOCALでそろえた場合、どちらも同じフィロソフィーに基づいているので、聴こえ方に誤差がほとんど無いと言えます。これは、スピーカーとヘッドフォンを併用する際に音作りの大きな助けとなるでしょう」

Listen Proは、FOCALサウンドへの入門機種としてもうってつけ。今回紹介した2機種に関心を持った人は、一度、店頭などで試してみてはいかがだろう?

▲Listen Proの筐体は柔軟で、このように曲げても壊れにくくなっている

▲Listen Proの筐体は柔軟で、このように曲げても壊れにくくなっている

 

【製品情報】

FOCAL Clear Pro

FOCAL Listen Pro

 

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