「YAMAHA TFシリーズ & RSio64-D」発表会レポート

コラム by Sound & Recording Magazine編集部/辻 太一 2015年5月19日

TF5

YAMAHAが本日5月19日、東京の恵比寿ガーデンルームにて新製品の発表会を開催した。お披露目されたのは、PA用ミキサーのTFシリーズとMini-YGDAIカード/DanteインターフェースのRSio64-D。本稿では、各製品の概要や発表会の模様をお伝えしていこう。

 

幅広い層に使いやすそうな仕様

TFシリーズは、TF5(上写真/32インプット+1マスター・フェーダー)とTF3(24インプット+1マスター・フェーダー)、TF1(16インプット・フェーダー+1マスター・フェーダー)の3機種をラインナップするPA用ミキサー。タッチ・パネル(マルチタッチ対応)による柔軟な操作性や豊富なプリセットのほか、Mac/Windows/iOSの各種デバイスに向けたコントロール・アプリが用意され、アマチュアからプロまで幅広い層に有用な仕上がりとなっている。価格や機能の詳細については、先日アップしたレポート記事をご参照いただきたい。

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▲TF3。左上には、コントロール・アプリのTF StageMixをインストールしたAPPLE iPadが置かれている。このアプリでは、TFシリーズ本体のタッチ・パネルと同様のマルチタッチ操作が可能だ

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▲TF1。16インプット・フェーダー/16アナログ・イン/16アナログ・アウトなので、小規模スペースでのPAなどに向くだろう

 

4人編成のバンドでデモンストレーション

今回はボーカル&キーボード/ギター/ベース/ドラムの4人組バンドのライブPAを通し、製品のデモンストレーションが行われた。使用モデルはTF5。インプットの回線はTF5本体のアナログ・インに入力され、ミキシングされてから本体のアナログ・アウトよりパワー・アンプへと伝送された。メイン・スピーカーは、片側あたりNEXOのフル・レンジ・モジュールGEO M620×4とベース・モジュールGEO M6B×2に、サブウーファーのLS18を加えた構成であった。

バンドの演奏が始まる前に、新機能“QuickPro Presets”を単独でテストする場面が見られた。これは、特定の楽器へ特定のマイクを立てたときのゲイン/EQ/ダイナミクスの各種設定をプリセット化したもの。例えばキックにはSHURE Beta 52Aが設置されていたので、“Shure BETA 52A”というキック用のプリセットが選択され、エンジニアの手で会場の特性などに合うよう微調整が施された。

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▲キックへ立てたBeta 52Aに適したプリセット(上から2つ目)。選択すると、ゲインやEQ、ダイナミクスなどが自動的にリコールされる

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▲AUDIO-TECHNICAのマイクを基にしたプリセットも装備

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▲これらはSENNHEISERマイクのプリセット

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▲ドラマーの演奏に合わせて、QuickPro Presetsをエディットしている場面。各マイク・メーカーとともに作られたプリセットなので信頼感が高く、ある程度音作りされた状態からセッティングを始められるのもうれしい

エンジニアによる一連のオペレーションは、バンド背面のスクリーンに常時映写。演奏が始まった後も1-knob COMPを操作したり、マルチタッチでEQカーブを微調整する場面が見られた。また、各ミュージシャンの持ち場にはAPPLE iPod Touchと思われるデバイスが置かれ、コントロール・アプリのMonitorMixで各人が好みのモニター・バランスを作れるようになっていたのも印象的だ。肝心の出音は、各楽器の分離が良くて明りょう度の高いもの。“ヤマハ伝統のナチュラルサウンド”とうたわれている通り、ソースのキャラクターを損なうことのない音質と感じた。

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▲バンドの演奏中もステージ後方にエンジニアの手元が映し出されていた

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▲ミュージシャンが任意のモニター・バランスを作るのに便利なアプリMonitorMixがiPod Touchとおぼしきデバイスにインストールされ、ステージ上に置かれていた

 

Mini-YGDAIカードとDanteをつなぐインターフェース

TFシリーズとともに発表されたRSio64-Dは、YAMAHA Mini-YGDAIカードをDanteネットワークに接続するための2Uインターフェース。2015年9月発売予定で、価格はオープン・プライス。

リア・パネルにはMini-YGDAIカード用スロット×4つが装備されており、プロセッシング/アナログ入出力/デジタル入出力などの各種カードを挿して使用できる。また各カードを接続するためのルーティング・パターン×7種類がプリセットされ、フロントのロータリー・スイッチで任意のものを選んで使えるほか、ユーザー・パターンを組むことも可能。すべてのカード・スロットにはサンプル・レート・コンバーターが搭載されているので、異なるワード・クロックで動作している機器を接続してもノイズや音切れに悩まされることなく運用できる。

カード・スロット横のDante端子(プライマリー/セカンダリー)では、最大64イン/64アウトのオーディオを扱うことが可能。Mini-YGDAIカードのサウンドを、同社CL/QLシリーズやNuageを核としたDanteネットワークへ展開できる。

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▲RSio64-Dのフロント・パネル。ワード・クロックやルーティングなどを設定するためのツマミやボタンが並ぶ

以上、駆け足で発表会の内容を振り返ってきた。タッチ・パネル&充実のプリセットなどで従来機には無い個性を備えたTFシリーズ、そしてあらゆる機器をDanteネットワークに取り入れられるRSio64-D。どちらも、今後現場でどのように使われるのかが楽しみな製品だ。

 

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