Pro Toolsユーザー・レポート⑥ Studio Tightrope

Pro Toolsユーザー・レポート by サウンド&レコーディング・マガジン編集部 撮影:八島崇 2017年7月27日

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AVID Pro Toolsユーザーに、仕事で使う道具としてのPro Toolsについて語っていただくこの連載。今回は都内にある音楽レコーディング・スタジオ、Studio Tightropeに伺って話を聞いた。

 

最新リバーブの“リアルな響き”が分かる
Pro Tools|HDXの空間再現性

代々木上原の閑静な住宅街、マンションの地下階にあるのがStudio Tightropeだ。代表を務める梅原篤氏は、シンセ・プログラマーとして長年活躍してきた人物。このスタジオは、1995年ころに、自身が手掛けていた制作のために設立したという。

「当時、カラオケ制作の仕事がたくさん来るようになったのですが、カラオケの予算では外部のスタジオは使えない。だったらスタジオを作ってしまった方がいいだろうと」

地下階とは思えないほど開放感がありつつ、どこかプライベート・スタジオのような雰囲気も感じられるのは、そうした経緯で設立されたからであろう。現在は、2ルームあるうち、メインのAstがボーカル・レコーディングなどに向けたスタジオとして営業中。設立当初はALESIS ADAT+アナログ・コンソールという当時のプロジェクト・スタジオ定番のセットアップだったが、程なくしてPro Tools|24 Mixにリプレース。Pro Tools|HD、Pro Tools|HDXとアップデートしていく中で、現在のようなコンソールレスのスタイルになっていったという。

Studio Tightropeと業務提携しているエンジニア、石川純也氏はこう語る。

「Pro Tools|HDでもクオリティは十分でしたが、Pro Tools|HDXになって空間が一回り大きく感じられるようになりました。少し前から、リアルさを追求するリバーブ・プラグインが増えてきていましたが、Pro Tools|HDXになってからそれらの“リアル感”を強く感じるようになりましたね」

Pro Tools|HDXが稼働するAPPLE Mac Pro、AVID HD I/O、SONNET TECHNOLOGIES Echo Express III-D(Thunderbolt〜PCIe変換シャーシ)とハード・ディスク、LEXICON 480L

Pro Tools|HDXが稼働するAPPLE Mac Pro、AVID HD I/O、SONNET TECHNOLOGIES Echo Express III-D(Thunderbolt〜PCIe変換シャーシ)とハード・ディスク、LEXICON 480L

 

スタジオ内にあった、旧バージョンのPro Toolsのボックス。左はPro Tools|24 Mix時代のVer. 4.3.1で、メディアは3.5インチ・フロッピー・ディスク。右はPro Tools|HDで使用していたVer. 6.4。スタジオの歴史がうかがえるアイテム

スタジオ内にあった、旧バージョンのPro Toolsのボックス。左はPro Tools|24 Mix時代のVer. 4.3.1で、メディアは3.5インチ・フロッピー・ディスク。右はPro Tools|HDで使用していたVer. 6.4。スタジオの歴史がうかがえるアイテム

 

ゆったりとしたブース。マイクはNEUMANN U87AI

ゆったりとしたブース。マイクはNEUMANN U87AI

最新マイクプリを増強
居住性の良さに加えて安心感のあるスタジオ

コンソールレス・スタイルになった現在、主な機材はSTERLING MODULAR製デスクにインストール。AVID Artist Mixも埋め込まれている。ディスプレイはVESAマウント・アームで手元に持ってくることが可能で、エディットもしやすいと石川氏は語る。

また録音に欠かせないマイクプリは、AMEK System 9098 EQ×4をメインにしつつ、新たにAUDIENT ASP800を導入したそうだ。石川氏はこう説明してくれた。

「AVID HD I/Oは8x8x8構成で、ASP800はデジタルで接続しています。ASP800は宮地楽器さんから薦めていただいたのですが、脚色が少ないキャラクターだけど無色透明ではないという意味でAMEKと近い印象ですね。また以前使っていたAVID Preも残してあるので、それ以上マイク入力が必要な場合も対応できます」

また、Studio Tightrope全体のサイズがちょうど良いとも石川氏は語る。

 「ブースと直回線でつながっているので、ケーブルの長さをかなり短縮できて、ロスが少ないのは利点ですね。ギターの録音も、キャビネットだけブースに置いて、スピーカー・ケーブルを通してといったこともできます」

もともと、フルスペック・スタジオをコンパクトに作ることが目的であったStudio Tightropeは、ボーカル・ダビングだけを想定したスタジオとは、その在り方が少し異なる。石川氏は続ける。

「現在はこのスタジオでもボーカル録音がメインですが、コントロール・ルームもスペースに余裕があるのでボーカルが複数居るグループの録音も楽ですし、ロビーもある程度の広さがあるのでスタッフが集まることもできますね。エフェクトも、Pro Tools内部でプラグインを使うことがほとんどではありますが、かつての定番アウトボードもたくさんあるので、使い慣れたものがここにあるという安心感も大きいんですよ」

空間的な居心地の良さに加えて、長く音楽制作に携わってきたからこその安心感。そんな雰囲気が満ちたStudio Tightropeを、機会があればぜひ利用してみてほしい。

STERLING MODULAR製のデスクに埋め込まれた、スタジオの中枢部。アウトボードは左奥からDBX 165A、TUBE-TECH CL 1B、UREI 1176LN。右はPRESONUS Central Station、AUDIENT ASP800、AMEK System 9098 EQ×4。手前左側にはAVID Artist Mix、右側にはCentralStationのコントローラーCSR-1が置かれている

STERLING MODULAR製のデスクに埋め込まれた、スタジオの中枢部。アウトボードは左奥からDBX 165A、TUBE-TECH CL 1B、UREI 1176LN。右はPRESONUS Central Station、AUDIENT ASP800、AMEK System 9098 EQ×4。手前左側にはAVID Artist Mix、右側にはCentralStationのコントローラーCSR-1が置かれている

 

アウトボード類。左上からEVENTIDE H3000 SE、TC ELECTRONIC TC2290、GML 8200、TUBE-TECH PE 1B×2、DRAWMER DS201。右上から下にLEXXICON PCM70、SONY MU-R201、YAMAHA SPX900、REV7、ROLAND SDE-3000A×2、SDD-320。実際の処理はPro Tools内で行うことが多いそうだが、これらの機材が選択肢としてあるのも魅力

アウトボード類。左上からEVENTIDE H3000 SE、TC ELECTRONIC TC2290、GML 8200、TUBE-TECH PE 1B×2、DRAWMER DS201。右上から下にLEXXICON PCM70、SONY MU-R201、YAMAHA SPX900、REV7、ROLAND SDE-3000A×2、SDD-320。実際の処理はPro Tools内で行うことが多いそうだが、これらの機材が選択肢としてあるのも魅力

 

梅原氏が長年使い込んだSEQUENTIAL Prophet-5。「アナログ・シンセはOBERHEIMなど、たくさんあったのですが、残しておいたのはやはりこれでした。宮地楽器さんにリペアをお願いしたら、これ以上無いというところまで直していただいたのには驚きました」と梅原氏。その下はKORG Trinityで、FENDER Twin Reverbの姿も見える

梅原氏が長年使い込んだSEQUENTIAL Prophet-5。「アナログ・シンセはOBERHEIMなど、たくさんあったのですが、残しておいたのはやはりこれでした。宮地楽器さんにリペアをお願いしたら、これ以上無いというところまで直していただいたのには驚きました」と梅原氏。その下はKORG Trinityで、FENDER Twin Reverbの姿も見える

 

中央が代表の梅原篤氏。右がエンジニアの石川純也氏。左は機材コーディネートを手掛ける宮地楽器プロフェッショナル事業部の井上聡氏

中央が代表の梅原篤氏。右がエンジニアの石川純也氏。左は機材コーディネートを手掛ける宮地楽器プロフェッショナル事業部の井上聡氏

 
Studio Tightrope
http://tightrope.tokyo/
https://www.facebook.com/StudioTightrope/

 
Presented by AVID & Miyaji Professional Division

 

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