【スタジオ・モニターYAMAHA HSシリーズ】エンジニア・レビュー第4回 五十川祐次

YAMAHA HSエンジニア・レビュー by サウンド&レコーディング・マガジン編集部/撮影 :八島崇 2017年4月19日

YamahaHsReview第4回アイキャッチ画像

超低域までしっかり表現でき
テンポ感、リズム感も奇麗に再現するHS7+HS8S

“精確性”という設計理念を受け継ぎ製作しているYAMAHAのスタジオ・モニター。リニューアルされ登場したHSシリーズのラインナップは、5インチのHS5、6.5インチのHS7、8インチのHS8、8インチのサブウーファーHS8Sとなっている。今回も前回に引き続きスクウェア・エニックスのサウンド・デザイナー、レコーディング・エンジニアとして活躍する五十川祐次氏に登場いただき、ゲーム・サウンド制作におけるHSシリーズのマッチングについて、HS7、HS8そしてHS8Sの印象を聞いた。
(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2013年11月号の記事に加筆・修正を加えたものです)

 

新開発のドーム・ツイーターを搭載

HS7は今回のシリーズから新たにラインナップされた6.5インチのウーファー・ユニットを搭載したモデルだが、五十川氏はその第一印象を次のように語る。

五十川:とにかく澄んだ高域にビックリしましたね。レスポンス、スピード感もすごくあり、奥行きもしっかりしている。前回試聴したHS5と違うツィーターを使っているのかなと思ったら、同じだと言うことで、どこに秘密があるのかなと思ったくらいです。

HSシリーズのツィーターは、3タイプとも共通で、新開発の1インチ・ドーム・ツィーターを搭載。前シリーズよりも高分解能で、高域の再生可能周波数を広げている。またHS8について五十川氏は以下のように語ってくれた。

五十川:このスタジオのサイズ(18㎡)ですとパワーがあり過ぎましたね。あと二回りくらい大きなサイズのスタジオに合うと思います。でもウーファーの口径が大きい分、高域から低域までバランス良く気持ちいい音でした。

そして、HS8Sを含むすべてのモデルを試聴した上で一番好印象だったのが、HS7HS8Sの組み合わせだったという。

五十川:弊社の場合、ゲームだけでなく映画寄りのミックスも多いので、LFEという超低域を増強しているのですが、HS7だけだとその帯域が少し控えめなんです。でもHS8Sを足すことによって超低域までしっかり奇麗に聴こえるようになりました。しかもその組み合わせで聴くと、テンポの速い曲でもリズム感のある曲でもすごく奇麗に出てくるんですよね。また、爆破シーンなど、音が割れてしまいがちな場面でも全然割れることもなくミックスもやりやすかったです。この小型のサイズでこれだけの音量が出るのは素晴らしいですよ。

HS8Sは、バスレフ・ポートの形状設計に最新の流体音制御技術を採用し、ノイズ軽減を実現。五十川氏が“超低域まで奇麗”と感じた理由の1つだろう。

 

ゲームの録音/ミックスにも最適

五十川氏には今回、すべてのモデルを試聴してもらったが、あらためて新HSシリーズのポイントについて聞いてみた。

五十川:今回のHSシリーズは、コスト・パフォーマンスがすごく良いので、これはポイント高いです。それからゲームの録音/ミックスを行う場合、BGMとボイスと効果音のバランスを判断したり、声優のペーパー・ノイズやリップ・ノイズなどの有無を的確に判断する環境が非常に重要なんですけど、個人的に、録音はHS7でミックスはHS5がやりやすいかなと思いました。あと、今回は5.1chでは試せていませんが、すごくいい鳴りすると思いますね。フラットで伸びも良く、奥行きもすごく出るので、空間をすごく奇麗に表現してくれると思います。シーンが描写されるというか、近い音や遠い音が奇麗に出てくると思います。そういった意味でも映像や音楽の作業に、今回のモデルはすごく使いやすいと思いましたね。

 

▲HS8Sでは、ポート形状の設計に空気の流れと音を可視化・解析・制御する最新の流体音制御技術を採用。空気の渦を最小限に抑えた新型ポートにより、ノイズの減少を実現した

▲HS8Sでは、ポート形状の設計に空気の流れと音を可視化・解析・制御する最新の流体音制御技術を採用。空気の渦を最小限に抑えた新型ポートにより、ノイズの減少を実現した

 

【プロフィール】 五十川祐次
Isogawa

サウンド・デザイナー、レコーディング・エンジニア。スクウェア・エニックスのスタジオ管理をしながら、ゲーム音楽の録音からディレクション、MA作業まで幅広くこなし、これまでに、『ガンスリンガーストラトス』『ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター』『ロマンシング サガ』シリーズなど多くの作品に携わっている

 

YAMAHA HS7

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SPECIFICATIONS
■構成 高域:1インチ・ドーム、低域:6.5インチ・コーン
■出力 95W(高域35W+低域60W)
■周波数特性 43Hz〜30kHz (−10dB)
■外形寸法 210(W)×332(H)×284(D)mm
■重量 8.2kg(1本)
■価格 オープン・プライス
(市場予想価格 25,000円前後:1本)

 

YAMAHA HS8

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SPECIFICATIONS
■構成 高域:1インチ・ドーム、低域:8インチ・コーン
■出力 120W(高域45W+低域75W)
■周波数特性 38Hz〜30kHz (−10dB)
■外形寸法 250(W)×390(H)×334(D)mm
■重量 10.2kg(1本)
■価格 オープン・プライス
(市場予想価格 40,000円前後:1本)

 

YAMAHA HS8S

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SPECIFICATIONS
■構成 低域:8インチ・コーン
■出力 150W
■周波数特性 22Hz〜160kHz (−10dB)
■外形寸法 300(W)×350(H)×389(D)mm
■重量 12.5kg(1本)
■価格 オープン・プライス
(市場予想価格 48,000円前後:1本)

 

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【問合せ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン
プロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL 0570-050-808  www.yamahaproaudio.com/japan/

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