“レジェール”の魅力に迫る!! 樹脂製リードの実力を藤田淳之介が試奏チェック

特集 by 取材=サックス&ブラス・マガジン編集部 写真=言美歩 2011年6月20日

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近年、木管奏者の間で注目を集めつつある樹脂製リード”レジェール”。天然のケーン素材のリードと変わらない吹奏感ながら、耐久性は段違い。厚さは1/4単位刻みで選ぶことができ、個体差が少なく、事前に湿らす必要もない。そんな夢のようなリードの噂を耳にして”実際に吹いてみた人の意見を知りたい!”と思ってた人、いるんじゃないですか? そこで今回は、プロの試奏レポートや開発者インタビューなど、さまざまな角度からレジェールの魅力に迫ります!!

目次 レジェール・リード 5つのポイント
  1. 耐久性に優れ長持ちするため経済的
  2. 個体差が少なく安定した品質
  3. 1/4単位の増減で
    自分に合った厚さが選べる!
  4. 事前にリードを湿らす必要がない!
  5. 水洗いも可能で衛生的

1. 藤田淳之介がレジェールを試奏!

まずはプロ・ミュージシャンによる試奏レポートをお届けしましょう。試奏者にはサックス奏者の藤田淳之介さんを迎え、用途・キャラクターの異なる3つのマウスピースを使って、レジェールの各モデルを吹き比べてもらいました。日々、さまざまな演奏現場を渡り歩き、リードに関してはシビアな目線を求められるプロ・ミュージシャンからの評価はいかに!?

Standard スタンダード

ジャンルを選ばない音色は
まさしくスタンダード

“スタンダード”というネーミングの通り、幅広い音楽ジャンルにフィットするよう開発されたモデル。レジェールのサックス用リードの中では唯一、ソプラノやバリトンまでラインナップされている。

  • 価格:3,150円
  • ラインナップ:ソプラノ、アルト、テナー、バリトン
  • サイズ:[1 3/4] [2] [2 1/4] [2 1/2] [2 3/4] [3] [3 1/4] [3 1/2] [3 3/4] [4] [4 1/4] [4 1/2]
    ※ソプラノの[1 3/4]はなし。バリトンには[4 3/4]と[5]もある。

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角のない、丸くてキレイな音色

【ラバー】吹き心地はバンドーレンの青箱(トラディショナル)に近い気がします。樹脂製リードってパリパリした音のイメージでしたけど、これは角のない丸くてキレイな音色ですね。音のつながりもすごく良い。レジェールの中では1番ダークなキャラクターです。初心者だったらこれがオススメかな。

【メタル】音色がわりとマットなんで、エレクトリックな環境でバリバリ吹く時には少し音が小さく感じるかもしれない。もちろん普通に使えるし問題はないけど、メタル・マウスピースの特性を生かすんだったら他のモデルの方が合うかもしれませんね。

【クラシック】まとまったキレイな音色です。リードにプレスをかけて、音色に丸みを出すには最適。クラシックのセッティングには非常によく合いますね。角の丸い音を出しつつ、音を遠くに飛ばしたい時にも合いそうです。

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Studio Cut スタジオ・カット

ジャズ・プレイヤー向けに開発されたモデル

ジャズ・プレイヤー向けに開発されたモデルで、レスポンスのよい鳴りが特徴。コンボ編成からビッグバンドまでシーンを選ばずに最適な音色を約束してくれる。フュージョン、ポップス、吹奏楽などにも対応可能。

  • 価格:3,150円
  • ラインナップ:アルト、テナー
  • サイズ:[1 1/2] [1 3/4] [2] [2 1/4] [2 1/2] [2 3/4] [3] [3 1/4] [3 1/2]

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エッジが強くて鳴りがいいですね

【ラバー】音飛びが良いですね。吹き心地はバンドーレンのJAVAとV16の中間という感じ。エッジがかなり強く出るので、鳴りが欲しい時には重宝 しそうです。ジャズ用に開発されたとのことですが、ファンクにも合いそうだし、ビッグ・バンドの中で目立ちたいという人にも良いんじゃないでしょうか

【メタル】メタルでジャズを吹く時って、わざと繊維にムラがあるものを選んで、濁った音を出したりもするんですけど、その雰囲気も再現してるのはす ごい。こっちはムラじゃないけど、 “バリッ”としたニュアンスが出しやすく計算されてるんでしょうね。エッジや鳴りに長けているので、音色に主張のあるマウスピースと合わせた時に、本領を 発揮すると思います。

【クラシック】他のモデルと比べたらクラシック向きじゃないかもしれませんね。でも、クラシック的に意識して吹けば全然問題なく使える範囲です。

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Signature Series シグネチャー・シリーズ

プロの使用を想定した上位機種

元シカゴ交響楽団のラリー・コムズ氏らと協力して開発された上位機種。吹き心地や反応性などにさらなる改良を加え、従来の樹脂製リードのイメージを覆す高品質を実現した。プロの中でも愛用者が特に多いモデル。

  • 価格:4,200円
  • ラインナップ:アルト、テナー
  • サイズ:[2 1/4] [2 1/2] [2 3/4] [3] [3 1/4] [3 1/2]

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樹脂製リードもここまで来たかという感じ

【ラバー】吹き心地はリコのラ・ヴォーズに近くて、ストレート・ジャズを吹く時とか、息のニュアンスをより出したい時に選びたいですね。吹き加減でニュアンスがつけやすいし、息の量を減らしても音になる。エッジも立ってるし使いやすいと思います。

【メタル】メタルに合わせるリードは、キンキンした部分を押し出しつつ、ふくよかさもあるとすごく良いんですが、これはまさにその両方を兼ね備えている。レジェールの中では1番メタルに合いますね。

【クラシック】うん、クラシックでも問題ない。本当に万能ですね。とにかくどんなセッティングでも”響き”を付け足してくれます。ついに樹脂製リー ドもここまで来たかという感じ(笑)。 スタンダードとスタジオ・カットは、それぞれの方向性が明確ですけど、これは良くも悪くも反応性が素晴らしいの で、ウマく使えるかどうかは自分の技量次第。上級者向きですね。

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試奏を終えて

選び抜いたリードを万全の状態にしたものに近い

樹脂製リードは初めて吹いたんですけど、口当たりや吹き心地がケーン製のリード(一般的なもの)とまったく変わらないんでびっくりしました。サブトーンも出るし、フラジオはむしろ出しやすいくらい。その上、使い続けてもヘタらないというのも魅力ですね。

シグネチャー・シリーズは特にクオリティが高くて、普通のリード数10枚の中から”選んで選んで選び抜いた1枚”に近い。しかもそれを湿らせて、ちょっと吹いて、また少し置いといて、 “これからいくぞ”っていう万全の状態にした感じですね。ライヴでもスタジオでも、リードを湿らすヒマもなくすぐに吹かなきゃいけない時って意外と多いし、長時間吹いてると唾が出なくなってくることもあるから、リードがいつでも使える状態になっているというのはとてもありがたいです。僕はアルトとテナーをよく持ち替えるので、そういう時にもいいですね。

初心者が使っても全然大丈夫だし、これから僕も使ってみたいと思いました。

藤田淳之介

クラブジャズの新鋭バンド”TRI4TH”のサックス担当。その他、アコースティック・ジャズ、フュージョン、クラシックなど、幅広いジャンルでスタジオ・ワークやライブ・サポートをこなす。作曲家・アレンジャーとしても活躍中。

試奏に使用した機材

  • サックス本体:キャノンボール A5-BR”The Brute”
  • マウスピース:
    ラバー(ジャズ用)/マウスピース:メイヤー、リガチャー:ウッドストーン
    メタル(エレクトリック用)/マウスピース:ウッドストーン、リガチャー:マウスピース付属
    ラバー(クラシック用)/マウスピース:バンドーレン、リガチャー:マウスピース付属

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2. ギィ・レジェール インタビュー

続いてはレジェール・リードの開発者である、ギィ・レジェール氏のインタビューです。

大勢のプレイヤーが言ってくれるよ。レジェールが最もケーンに近いってね。

—-樹脂性リードを開発しようと思ったきっかけは?

クラリネットを吹いていた頃、リードが乾いてキーキー鳴ったりすることがあった。それで”質感の安定したリードが作れないか”と考えたのが始まりさ。その後、仕事でさまざまな素材の価値を調べることが多くなり、それぞれの素材の”個性”を知るようになった。そこで、オリエンティッド・ポリマーという素材にはケーンと同じ個性があることに気がついたんだ。適度な固さがありながら、高密度すぎないという個性だよ。それで、パートナーのコルチョト博士(トロント大学の化学技術教授であり、プラスチック・合成素材のスペシャリスト)と新素材の開発を進めたんだ。

—-開発にあたって最もこだわった部分は?

一定の耐久性とサウンドのクオリティを保つために、リードをミクロン単位で機械加工したこと。それと最も大きなチャレンジはやはり素材自体を作ることだったね。

—-レジェールのセールス・ポイントは?

控えめに言っても、サウンドとパフォーマンスの良さは他の樹脂製リードとは違うと思うよ。あとは”樹脂製リードの中でもレジェールが最もケーンに近い”と言ってくれるプレイヤーがたくさんいること。それが1番のセールス・ポイントかもしれないね。̶̶レジェールを愛用しているプロ・ミュージシャンはどんな人達ですか?ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のヴェンツェル・フックス(cl)、元シカゴ交響楽団のラリー・コムズ(cl)といった著名プレイヤーを初め、たくさんのプレイヤーに愛用してもらっているよ。

—-各モデルの特徴を教えてください。

“スタンダード”は、クラシック奏者によく使われるタイプで、さらに一般的な用途でも使えるカット・デザインだ。”スタジオ・カット”は吹奏楽とジャズ用に開発したよ。”シグネチャー・シリーズ”は熟練奏者により良いサウンドを提供するリードで、ピアニッシモやフォルテシモでもニュアンスをつけやすい。クラリネット用の”ケベック・カット”は古いタイプのリードのように中心部分が高くなっていて、ダークな音が出る。オーケストラの奏者がよく使っているね。

—-あなたが考える理想のリードとは?

私の理想は常に変化してるよ。だって、プレイヤーというのは常により良いリードを求めるものだからね。ひとつ言えるのは、良いリードとは、マウスピースにマッチするものということだ。リードもマウスピースも、片方だけでは意味をなさない。両方がしっかりと組み合わさることが重要なんだよ。私達は今後もリードの改良を続けていくが、それと同時にマウスピース・メーカーとの共同作業も大事になってくると考えているよ。

翻訳:中山美樹

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※本記事は『サックス&ブラス・マガジン volume.19』から転載しました。

サックス&ブラス・マガジン volume.19

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