第51回 アンブシュアをアップデートする方法

中山浩佑のトランペット初級セミナー by 中山浩佑 2012年8月21日

トランぺッターなら誰しも一度は悩むアンブシュア。その考え方とアップデートの方法をお話ししましょう。

皆さん夏休みはいかがお過ごしでしょうか?

今日はアンブシュアについてお話していこうと思います。

 

ベストなアンブシュアは十人十色

トランぺッターなら誰しも一度は悩むと思いますが、僕はアンブシュアとは結果論だと思っています。

今、自分が演奏している奏法の一部分にすぎません。アンブシュアの見た目よりも体の使い方や、舌の使い方、息の使い方などがより大切だと思います。

ですので、絵に描いた様な綺麗なアンブシュアを作れれば、必ずしも素晴らしい演奏ができるというわけではないと思っています(結果的にそうなることはOKですが)。

そもそも一般的に言われる綺麗なアンブシュアの定義自体、何故それが正しいと言われているのか怪しいと思います。 

例えば10人いたら、外観、声、背丈などが違うように、歯ならび、顎の噛み合わせ、舌の長さなどの条件も違いますよね。

アンブシュアも自分にとってベストのものが人と違っていても、良い結果が出ていればそれでOKと考えています。

世界的に有名なプレイヤーたちの演奏を見ていても、いろいろなアンブシュアの人たちがいます。いわゆる定義から外れている吹き方の人もたくさんいますよね?

極論を言ってしまえば、良い音が出せて演奏できていれば何でもOKということなんです。

あまり見た目だけにとらわれすぎないように注意してください。

それにアンブシュアとは常に変化しています。

体調や調子によってどんどん変化していきますし、音を出しているのはアンブシュアではなく、すべてのバランスで成り立っているのです。

かの有名なメイナード・ファーガソン氏は7つのアンブシュアを使い分けていたそうです。毎日ハードなステージをこなすには唇のいろいろなトラブルもつきまといますし、それが自然なことなのかもしれません。

 

アンブシュアをアップデートする方法

たまに誰か(先輩や先生)に言われてアンブシュアを直しているという人がいますが、それもナンセンスだと思います。

しかし、今の奏法に疑問を感じでアンブシュアを意識してる人がいるなら参考にしてほしいのですが、アンブシュアのアップデートとして普段の自分の吹き方に新しい要素をプラスして行くというやり方があります。

アンブシュアの矯正を考えてる人はぜひやってみてください。

●Step 1

「M(n)えん」という発音を声に出して、「n」の発音で唇をロックします。

M(む)とn(ん)の間の発音みたいなイメージですね。

ここでは唇を閉じることが大切。開かないようにしましょう。

●Step 2

舌を下の歯より前に出し下唇に触れている状態にします。さらに両奥歯に舌がのっかるくらい、舌を横に広くとりましょう。

●Step 3

腹から勢いよく息を吐き出します。その際、バズィングしてしまっても大丈夫です。

●Step 4

息の出口(アパチュア)を確認して、それをマウスピースの穴の位置と合うようにして唇にあてます。 ※マウスピースは楽器に装着した状態

●Step 5

五線の下のド(チューニングのドのオクターブ下)をロングトーンしてみましょう。

舌が奥に引っ込まないように注意してみてください!舌を動かしてみてよく鳴るところを見つけてみましょう。

音が鳴って来たら、ドから下の方に少しずつ広げていきましょう(ドシドシ〜、ドシ♭ドシ♭〜、ドラドラ〜という風に)。

その際、息や顔がガクガク動かないで、まっすぐ吹けるように注意してみてくださいね!

こういう練習を1日の練習の中で5分でいいので取り入れてみてください。それ以上はやる必要はありません。というより、やりすぎないでください。

今までの吹き方を潰さない範囲内でかまいません。アンブシュアのアップデートだと考えてほしいのです。ちょっとずつ慣れてくると、今までの吹き方と新しくやっている吹き方がどんどん混ざってくるようになります。

かなり時間もかかるし根気のいる練習なんですが、焦らずゆっくり育てていってみてください。

これは例えばTVを見ながらマウスピースだけでやってもかまいません。

「M(n)えん」と声に出してからアンブシュアを作って、息の出口を確認してから唇にマウスピースをあて、音が鳴らなくてもOKなので息を出し続ける習慣をつけましょう。その際、口を引かない様に注意してください。

それでは今週はここまで!

次回はいよいよ最終回です!!

中山浩佑

本名・中山浩介。1985年03月10日 大阪生まれ。トランペットを15歳から始める。尚美学園大学音楽表現学科Jazz&Popsコース Trumpet科卒業。トランペットを、ERIC MIYASHIRO、西村浩二、木幡光邦、松島啓之、奥村晶、辻本憲一、生川耕次郎、各師に師事。在学中よりスタジオワークを中心にライブ、作、編曲、ミュージカルやTVなどジャンルにとらわれずにオールマイティに活動中。数多くのTVCMや映画音楽、ジャニーズやJ-Pops、演歌、クラシックなどの録音に参加。
ライブ活動では自己のバンドを始め、エリック宮城EMBIGBAND(サポート)、木幡光那923BigBand、メジャーアー ティストのツアーなど、他にも様々なジャンルのバンドに参加し、SAX&BRASSマガジンへの執筆や、個人でのレッスンや高校に招かれてレッスン、ゲスト演奏などクリニシャン、プレイヤーとして、 後世の音楽家の育成にも積極的に取り組んでいる。トランペットの他に、口笛、ホルンなども演奏している。



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