第37回 運指表にはのっていない低音域“ペダル・トーン”の練習

中野勇介のトランペット初級ドリル by 中野勇介 2013年5月14日

今回はペダルトーンの練習フレーズを紹介いたします。

低いファから下の音をペダル・トーンといい、強制的に低い音を出すことによって、音色の向上やアンブシュアの強化、また唇の振動ポイントをつかむのにも効果的な練習になるのです。

 

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トランペットで出せる低音は、譜面7小節目の低いファ♯までで、8小節目以降の低いファから下の音は楽器の構造上音がないために運指表などにはのっていません。

ペダルトーンを安定して出すのはすごく難しいですが、少しずつ練習に取り入れてみましょう。

まず最初からフレーズ全体を演奏せずに、譜面前半を吹いてみましょう。7小節目の低いファ♯が安定してきたら、下の段に進んでください。

下の段の運指はそれぞれ小節の1拍目と同じで大丈夫です。ペダルトーンの中でも13小節目の低いドの音はかなり出にくいので1拍目と違って、1・2・3番ピストンを押さえて演奏しても大丈夫です(この模範演奏でも1・2・3番ピストンを押さえています)。

今回の練習をするときに注意しなくてはいけないのは、脱力しすぎないことです。

低い音を出すときに力を抜きすぎると、アンブシュアが安定しないので唇が振動せずに上手く音が出ません。イメージとしては1拍目を演奏している状態のまま、オクターブ下に下がる感じです。口や体が緩みすぎないようにしましょう。

今回の模範演奏にはピアノの音が入っていますが、ペダル・トーンは音程も安定しにくいので、ピアノの音に合わせてピッチにも気をつけながら練習しましょう。

ただし、この練習のときはチューナーを使ってしまうと、唇で音を探ってしまうので、できるだけピアノなどの正確な音程を聴きながらまっすぐ音を狙うようにしましょう(本来出ない音を出しているので、チューナーもうまく反応しないと思います)。

また、マウスピース(楽器)の押さえつけ方にも注意しなくてはいけません。理想的にはどの音域を吹いているときもプレスの仕方が変わらず、適度に口が押さえられていることが大事です。

この感覚については、実際に演奏する本人が練習によってつかむしか方法がありません。今回のようなペダル・トーンを安定して出せるようになると、後にハイトーンの練習にもつながります。

体の使い方や、連載の最初にお話ししたブレスのことも意識しながら練習しましょう♪

中野勇介

1978年3月17日長崎県佐世保市生まれ。大分県立芸術文化短期大学附属緑丘高等学校音楽科を経て、2000年国立音楽大学を卒業。トランペットを北村源三、高橋文隆の両氏に師事。これまでにDreams Come True、YUKI、福山雅治、角松敏生、槇原敬之、Mr.Children、東京事変、平井堅、渡辺美里、RIP SLYME等のライブやシカゴ、コーラスライン、ドリームガールズ、ウエスト・サイド・ストーリー等のミュージカルに多数参加。その他、FNSうたの夏まつりや、ミュージックフェア等のバンドにも参加している。また、Dreams Come True、YUKI、smap、角松敏生、いきものがかり、長渕剛、水樹奈々、小柳ゆき、矢島美容室、mihimaru GT、SOFFet等のCDやサウンドトラック、CMなど数々のレコーディングに参加。自己のリーダー・バンドであるTHE BRASS THEATERや、オルケスタ・デル・ソル、バトルジャズ・ビッグバンドのメンバーとしてライブ活動も行っている。



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