第42回 フラジオの吹き方を身につける③

伊勢賢治のサックス初級ドリル by 伊勢賢治 2013年6月24日

さて、今週はついにフラジオの最終回です。

これまででだいぶフラジオの感覚が身についてきたと思いますが、今回はかなり高い音まで一気にご紹介いたします。

まずは下の運指表を見てください。

 

フラジオ運指表

ise42

 

これは本誌の最新号で掲載したものと同じですが、本誌で書ききれなかったところを補足説明していきましょう。

フラジオは基本的には自転車と同じで、最初のGとA辺りが出てしまえばあとは比較的楽にスイスイ吹けてしまいます。

「そんなことないよ!」と言う方のための補足説明です。

何パターンかいるのですが、ここまでのGとAの音が出ている場合に陥りやすい形とは「G♯が出ない」という状態です。

上の運指図のG♯の左の運指は少し出しづらい運指になっています。

理由はGからの運指が非常にスピーディーにいくからなのです。

フラジオだからといって運指が遅くて良い理由にはなりません。

そこで、なるべくスピーディーに指が動くようにこのような運指になっています。

なので、G♯が出ない方は右の運指でまずは感覚をつかみましょう。

こちらはAの音が出ている人ならだいぶ出しやすいと思います。

 

楽曲の中で上手くフラジオが使えない理由

また、AやBくらいまでは出ても、それ以降の高いフラジオがでないという方や、単体だと音が出るのに楽曲の中で使おうとするとどうしても出ないという方が陥りやすい状態としては、舌の位置が下がる人がほとんどです。

フラジオは舌の微妙な力加減、特に第40回にやったような「ヒュ」「ヒョ」と発音したときの形の、空気の通り道をキープしなければ音が出てくれません。

ゆえに「フラジオ→音が高い→頑張る」という人や「楽曲を吹く→譜面や運指に一生懸命→力む」と言った人は、息の圧力が強すぎて、舌でせっかく作った空気の通り道が押し広がり、本来の理想の状態ではなくなってしまっている場合が多いのです。

例えば、すでにフラジオが出せる人でも、思い切り息を吹き込んで大きな音をフラジオで出そうとしてみてください。けっこうな確率で出しにくくなるはずです。

もし自由に出せるのなら、それは相当フラジオが上手いと思ってOKでしょう。

本来、このような強い息で吹く場合は、舌の方でもちゃんと準備をして、いつもより少し狭めにしたり、しっかりと息の圧力に負けない緊張感で息の通り道をキープすることが重要なのです。

 

タンギングをするとフラジオが出しにくい人は?

また、中にはフラジオでタンギングすると途端に音が出ないという人がいます。

これも同じで、タンギングをしたときに息の通り道が壊れてしまうのが原因です。

タンギングをするのは舌の前方部分であって、フラジオで使用する真ん中より少し後ろの部分とは別々の動きができる筋肉です。

その前方部分につられて、フラジオで使用する筋肉まで動いてしまう、つまりは無駄な舌の動きが多い人はタンギングでフラジオを吹くと音が出なくなります。

そういう人は、タンギングしなければ大丈夫ということですから、まずはタンギングしない状態でフラジオを出して、そのときのフラジオを出すための舌の形に影響が出ないよう、慎重にゆっくりタンギングを練習することが重要になってきます。

さて、今回は陥りやすいケースにわけて、本誌では書き切れなかった細かい説明をしてみました。

ちょっとボリュームがあって大変だったかも知れませんが、皆様のフラジオの練習のお供になれば幸いです。

頑張って憧れのフラジオをマスターしてしまいましょう。

伊勢賢治

松任谷由実をはじめとする有名アーティストのツアーやレコーディング、セッションに参加するほか、楽曲提供やホーン/ストリングス・アレンジ、編曲なども行っている。サックス以外にも管楽器全般、ボーカル、パーカッション、ドラム、ピアノ、指揮法など、数種類の楽器を担当するマルチ・プレイヤーでもある。また、個人レッスン・吹奏楽部への指導なども行っている。サックス&ブラス・マガジンで『サックス初級ドリル』も連載中。



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