サクブラ本誌の連載コラム『マンガBLUE GIANTを読む!』を試し読み☆

サクブラ編集部ブログ by 栗原健 2013年12月11日

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マンガ誌『ビッグコミック』(小学館)で連載中の、ジャズに目覚めた高校生・宮本大がテナー・サックスを吹きまくる青春ストーリー『BLUE GIANT』。

その単行本1巻の発売を記念して、サックス&ブラス・マガジンで連載中の『BLUE GIANT』連動コラム(上画像)を試し読み☆

プロ・ミュージシャンの栗原健(sax)が毎号マンガを読んで、サックス・プレイヤーの視点から感想をつづります!

※サックス&ブラス・マガジンの最新情報はこちら

 

連載コラム『マンガBLUE GIANTを読む!』by 栗原健

※以下の文章は『サックス&ブラス・マガジンvol.28』(上画像)より転載したものです

 

俺も土手で吹いてたなあ!  高校一年のころサッカー部だった僕は、あるときからサックスが欲しくなって街の楽器屋さんに寄ってから家に帰るようになった。

何とか手に入れてからはマウスピースとリードの取り付け方と、だいたいの構え方を楽器屋の店員さんに教えてもらい、大くんみたいにがむしゃらに吹いた。

それこそチョー我流。

第1話 で大くんが土手でサックスを吹いてるシーンだけで、サァーっと記憶が蘇ってきました。さぞボケーっと間抜け顔をしてたことでしょうな(笑)。

僕の通ってた学校にはブラスバンド部がなかったから、僕も大くんみたいに一人で土手で吹いてた。

ロングトーンっていうのが大事だって楽器屋さんに教わってから、利根川土手の向こう岸を越えて赤城山までまっすぐ音がいくようにって念じながら、ボ—、ボ—ってやってた。

この土手はステージ。 河川敷にはたくさんのお客さんが詰めかけるんだ!って変な妄想つきだった。ウッドス トックのビデオを観たからかもしれない。

ある日、父が駅で売ってるような『JAZZ GIANT〜Tenor Sax 編』みたいな CD をプレゼントしてくれた。

その中に入ってたジョン・コルトレーン(ts)のアドリブ・ソロを聴いて “よくこんなにいっぱい吹けるなあ、 全部覚えてるんだべコレ?スッゲー!” て 感心したり、デクスター・ゴードン(ts)の「Don’t Explain」を聴いてその生々しさに具合が悪くなったりしてました。

大くんは友達 に連れていかれたライブでいきなりジャズにやられちゃうです。

目の前で汗だくになって 演奏してるジャズマンたちを観てピシャーっ と脳天に雷が落ちた。

そっから一筋、世界一 のジャズ・プレイヤーになることを決意。それこそがむしゃらに、チョー我流で土手で吹き始める。

雨の日も吹ける場所を探して。

大くんに協力してくれるようになる楽器屋のおっちゃんが僕にも同じようにいたなあ。元気かなあ?

大くんはジャズのハゲしさ、人によっても日によっても違うその演奏と人間臭さに惹かれたんだよな、きっと。

僕もあるとき、音楽は、楽器は、その人の声なんだって気づいた。

特にジャズはそれがもろに出る。

だからその人が面白いヤツじゃなきゃダメだって思った。“俺って面白いと ころあるんだろうか……” と、ずーんと沈ん だこともあったなあ。

その人その人生そのものならば、とにかくやり続けることが大事 なんだ、と思えるようになったのは巡りあった素晴らしい人たちのお陰ですね。感謝!

大くんは気持ちで吹くから自然と必要なことや、必要な人に巡りあっていくんだと僕は思います。

第6話ではライブのオファーも舞い込んできて、わけもわからずステージに立って “全部出してやる!” って挑む。

これだよなあ!

デクスター・ゴードンのジャケに写ってるメタルのマウスピースに興味持ち出しちゃってるし。

第1話の最後で、初めてジャズのライブに連れて行ってくれた友達を前にして、 大くんが一人で思いきり吹くシーンがあるんだけど、大くんの何か波動をキャッチした友達が“お前、あの日、こんな感じだったんだ な”って言うんです。

ここのシーンがとても好きですね。

 

文:栗原健(くりはら・たけし)

http://takeshikurihara.blogspot.jp

kurihara1

群馬県出身。高校時代にリズム&ブルース、ロカビリーなどをやっていたバンドから独学でサックスを始める。さまざまなライブ、レコーディング、セッション、ビッグバンド、路上ライブ、小さなJazzクラブのマスターなどを経て今にいたる。最近では自己の活動のほか、近藤房之助、MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO、Jazztronikなどのライブ、レコーディングに参加。マンガ好きでもある。これまで関わったアーティストは、Super Butter Dog、Scoobie Do、スパノヴァ、HERBERT、Chara、福原美穂、Carlos Garnett、土岐麻子、クラムボン、SARO、Going Underground、マボロシ、Soulcrap、Takizawa Kentaro、 KINGDOM☆AFROCKS、cro-magnon、荒井伝太、CENTRAL、清水翔太、13 Souls、Swing-o、Kyoto Jazz Massive、DJ KAWASAKI 、高橋琢哉、BRISA、近藤房之助、mint julepなど。

 

コラム第2回は『サックス&ブラス・マガジンvol.29』に掲載!

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