総制作費1,000万円! 世界初のガラス製ギター

PRODUCTS by 編集部 2012/12/10

先日11月29日,耐熱ガラスメーカーの最大手,HARIO制作,監修にクラシック・ギター奏者の村治佳織を迎えた世界初のガラス製ギターの発表会が行なわれたのでここにご紹介しておこう。

HARIOと言えば耐熱ガラスの最大手メーカーで,コーヒーのドリッパーや調理器具の製造で知られており,これまでもチェロやリュートなどのガラス楽器シリーズを発表してきた会社。そんな同社がこのたび新たにガラスの楽器制作に着手,村治佳織を監修に迎えたクラシック・ギターを完成させた。

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同社は東日本大震災の影響で茨城県にあるガラス窯が鎮火,一時は企業存続も危ぶまれたというが,その厄難を乗り越え,今回のガラス・ギターの制作には約2年もの歳月がかけられたとのこと。ボディ・シェイプやサイズのベースとなったのはいわゆる19世紀ギターのモデルで,19世紀はクラシック・ギターの世界ではソルやジュリアーニが活躍した黄金期に当たる時代。ちょうどバロックからモダンへの変換期らしい風雅な装飾が施されており,サイズは現在の標準よりもかなり小ぶりなサイズが採用されている。ちなみにこのサイズの採用には強度を確保する意図もあったようだ。寸法の具体値はボディ最大幅は280mm,スケールは650mm,ボディ厚は25〜30mmにして重量は約3.7kgとかなり重め。なお,強度面に関してはネック~ヘッドはアクリルを使用,ガラスであるボディにはR加工を施すなど万全が期されている。

肝心のサウンドについては,発表会にて村治佳織が本人が「禁じられた遊び」「カヴァティーナ」を演奏してくれた。さすがに木材製と比べるとボディの振動が抑制されるので音量は小さめ,とりわけ振幅の広い低音は弱めであったが,その反面,高音の伸びは特筆すべきものがあり,風鈴のような煌々とした音色を発してくれる。「禁じられた遊び」のように高音のメロディが強調される曲では木材製ギターとはまるで趣の違う神秘的な世界を表現してくれていた。

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総制作費に1,000万円がかけられた本器は現在世界に2本しかなく,そうそうにお目にかかれる代物ではないが,村治佳織はゆくゆくコンサートでも使ってみたいと語っていた。ご興味のある方はぜひ村治佳織のコンサートに足を運んで頂ければと思う。

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