YEBISU MUSIC WEEKEND初日トークセッションレポート!

NEWS by 編集部 2014/11/17

2014年11月1日から3日までの3日間、東京・恵比寿ガーデンプレイスを舞台に繰り広げられた“ライブ、トーク、プレゼンで音楽を楽しむ☓知る☓考えるエンタメフェス「YEBISU MUSIC WEEKEND」”。連日盛況ながら、のんびりしたムードも好評だった同フェスのさまざまな演目の内、初日のトークセッションの模様をレポートしていこう(記事中敬称略)。

YMW-Eyecatch

YEBISU MUSIC WEEKENDの初日となった11月1日はトークのみの開催で、13時から21時過ぎまで、5つのセッションが繰り広げられた。

口火を切ったのは麻田浩(トムスキャビン)と北中正和による“音楽でできた人生をあゆむということ”と題された対談的なインタビュー。70年代から海外アーティストの招聘会社であるトムスキャビンを運営し、その後はピチカート・ファイヴやコレクターズのマネージメントも手がけ、SXSW ASIA代表も務める麻田の話を、『ニューミュージック・マガジン』編集者としてキャリアをスタートした音楽評論家の北中がうまく聞き出していた。決して昔話で終わることのない、音楽愛にあふれるトークが印象的であった。

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北中正和(L)、麻田浩(R)

続いてはオトトイの学校presents“Arts and Lawの、今勉強する、音楽の著作権!!!”ということで、なかなか理解するのが難しい音楽の著作権について、弁護士の藤森純(Arts and Law理事)が解説。聞き手として飯田仁一郎(オトトイ)も登壇し、関西弁ならではのやわらかな口調で、多くの人が疑問に思っていることを藤森にぶつけていた。面白いのは藤森・飯田の2人ともがバンドマンということで、バンドでジャムりながら作った曲の著作権は誰に属するのかなど、分かりやすい身近な切り口で法律を解説していたことだろう。

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藤森純(L)、飯田仁一郎(R)

「いま流しているBGM、実は意味があるんですよ」という意味深な手島将彦(ミューズ音楽院)の発言でスタートしたのは、ミューズ音楽院presents“個性的すぎる才能とつきあう方法〜精神科医が明かす、才能育成・マネジメント法〜”と題されたセッション。本田秀夫(信州大学医学部附属病院診療教授)の話を、高階經啓(LENZ LLC.代表)、手島が引き出す形で進行したが、10人に1人が自閉症スペクトラムと言われる現在におけるクリエイティビティについて、真剣に考える必要を感じた。遅刻グセがあったり片付けられないアーティストを闇雲に叱ることは、創作能力の減退にもつながりかねないようなので、注意したい。なお冒頭のBGMは、自閉症スペクトラムだと言われているミュージシャンの作品のみでセレクトされたものだった。

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本田秀夫(L)、高階經啓(C)、手島将彦(R)

ここまででもいかに多彩なトークが繰り広げられたかが分かるが、まだまだセッションは続く。

副業ではなく複業としての音楽活動を提唱したのが、パソナ・ミュージックメイトpresents“音楽で生きずに、音楽と生きる〜Wキャリアがもたらす世界〜”。安西正史(パソナ・ミュージックメイト担当ユニット長)がチェアマンとなり、レジー(音楽ブロガー/レジーのブログ)、白木裕也(バンドマン/引力レコーズ編集長)、ウエムラケイ(ボサノバ弾き語り)と、Wキャリアとしての音楽活動について討議を重ねた。“CDでミリオンヒットを出してプール付きの豪邸に住む”というような物語が現実性を失ったいま、地に足が着いた音楽活動を進めるに当たって、音楽以外の仕事をいかに組み込んでいくかは、大きなポイントと言えるだろう。そういう意味では、ミュージシャンに対してその活動に適した仕事を斡旋してくれるパソナ・ミュージックメイトの試みは、注目に値する。

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白木裕也(L)、ウエムラケイ(C)、安西正史(R)

さて、1日の最後には急遽ディアステージpresents“アイドルのセルフプロデュース論”がセッティングされ、夢眠ねむ(でんぱ組.inc)と大山卓也(ナタリー)が登壇した。もともとは京都精華大学での特別講義“アイドルのセルフプロデュース論”として展開された内容の“恵比寿バージョン”ということであったが、夢眠ねむの幼少期から現在までをセルフプロデュースという観点からたどり直したような内容で、表方(アイドル)=裏方(プロデューサー)というあり方を公表することへの危惧や、他者をプロデュースする際のモチベーションなど、興味深い話が盛りだくさんであった。

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大山卓也(L)、夢眠ねむ(R)

以上駆け足でレポートしたが、2日目以降も多岐にわたるテーマでトークが交わされたほか、ベテランからアイドルまでのライブ演奏も2会場で多数行なわれた。参加したオーディエンスたちは、きっと新たな発見を胸に家路に着いたのではないだろうか。ぜひ来年以降もYEBISU MUSIC WEEKENDが続き、音楽を聴く環境だけではなく、作る環境までもが変化していくことを期待してやまない。

写真提供:YEBISU MUSIC WEEKEND(撮影:ossie)

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