足立智美『記譜法としての境界面』 自作電子楽器による独創的な音響世界

NEWS by 編集部 2011/11/14

世界的に活躍するパフォーマー/作曲家、足立智美の新作CD『記譜法としての境界面』が、ナヤ・コレクティブより発売された。

『記譜法としての境界面』は、これまで足立智美が取り組んできた数々の電子自作楽器をフィーチュアした新作。9曲全録りおろしに加え、各楽器の写真も豊富に掲載され、足立の電子音楽の集大成ともいえる仕上がりとなっている。

世界に愛用者の広がるお弁当型電子楽器トモミン、衝撃のパフォーマンスで話題の赤外線シャツ、独創的な打楽器型電子楽器トモリングなど、ユニークな電子楽器の数々が活躍する音響世界を、この新作で存分に楽しもう。

tomomin、他 赤外線シャツ tomoring II

『記譜法としての境界面』

収録曲

1. Tomoring, Computer (13:58)
2. Voice, The Right Hand, Computer (4:55)
3. Tomominsynthesizer II (3:57)
4. Tomoring II, Voice (4:11)
5. Tomomin II (resonating in mouth), Voice (3:14)
6. Voice, Infrared Sensor Shirt, Computer (5:41)
7. Tomoring II (15:08)
8. 4 VCOs (8:36)
9. Tomomin, Tomomin II, Tomominsynthesizer (6:41)

解説

足立智美は1972年生まれ。即興演奏家、作曲家、音響詩人、インスタレーション作家として多岐にわたる作品を1994年から作り続けている。近年は声と自作エレクトロニクス、ラップトップによるソロ・パフォーマンスと、音楽を専門としないパフォーマーによる大規模なアンサンブルのプロジェクト、またジョン・ケージ、コーネリアス・カーデューなど実験音楽の古典的作品の再解釈を中心に活動し、テート・モダン、ポンピドー・センターを始め世界各地でパフォーマンスをおこない、高橋悠治、一柳慧、伊藤キム、猫ひろしらと共演、またアジアン・カルチャル・カウンシルの招きで2009年から2010年にかけてニューヨーク滞在、DAAD(ドイツ学術交流会)の2012年ベルリン滞在芸術家に選出されるなど国外でも高い評価を受けている。

《記譜法としての境界面》は、活動の初期から足立智美の代名詞でもあった自作楽器に関わる録音を集めた初めての作品集となる。1994年に作られ、約100台販売された「トモミン」はその独特の音色のみならず、チープな外見が評判を呼び、フェイス・ノー・モアのマイク・パットンがライヴで使用していた他、コーネリアスの録音や、映画、ラジオなどでも紹介された。このCDには以降15年以上に渡って開発された9つの楽器がその写真と共に収録されている。それはタッパーウェアに組み込まれたアナログ電子楽器を中心に、コンタクトマイクで増幅されるオブジェ、パフォーマンスにおいて声を変調するためのフィジカル・インターフェイスが含まれている。その奇妙な外見や、独特の音色だけでなく、ツマミやセンサー、または物体の配置が、一種の記譜法として読解されることで、即興と作曲の二分法を更新する音楽を作り上げることに重点が置かれている。このCDはまた、いま世界に勃興しつつある手近なテクノロジーの流用とブリコラージュを特徴とするDIY文化とも連動するものである。

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