ヤマハMOXシリーズ―MOX6/MOX8の魅力をGakushiが語る!「こんなに軽くて安いのに、使いたくなる音がたくさん入っている。正直びっくりしました。」

特集 by 編集部 2011年7月28日

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ワークステーション・シンセサイザーに求められる音の良さと機能性を満たした上で、手ごろな価格と軽量性を兼ね備えたヤマハの新製品=MOXシリーズが注目を集めている。MOTIFクオリティの音源エンジンによって生み出される”使える音色”を簡単な手順で操り、心地よい感触で演奏できる――まさに楽器の基本と思える特長をバランス良く備えている点が、同シリーズの大きな魅力と言っていいだろう。ここでは、そんなMOX6/MOX8の発表イベントでデモンストレーターを務めていたキーボーディストのGakushiに登場願い、MOXシリーズの良さを知り尽くした上での素直な感想を聞かせてもらった。Gakushiが提供してくれたオリジナル・デモ曲もぜひ併せて聴きながら読んでいただきたい。

MOTIF XFとは別の個性を感じます

Gakushi’s RECOMMEND

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▲MOXの注目すべき特長の1つに、鍵盤の弾き心地の良さがある。MOX8に搭載されたピアノタッチのGHS鍵盤はもちろんのこと、MOX6の新開発セミウェイテッド鍵盤は、Gakushiも”61鍵シンセでここまで弾きやすいのはすごい”と驚きの声を上げるほどの出来映え。”音色ともうまくリンクしていて、弾いてて「いいぞ!」っていうのをすごく感じます”。

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▲さまざまなソフトウェアが付属し、高い連携性の下に活用できるのもMOXシリーズの魅力。専用エディターやDAWソフトCubase AIをはじめとして、楽器もシーケンサーもハードウェア派を自認するGakushiが太鼓判を押したオルガン音源YC-3B(右画面)、”アクや主張もあるけど、アンサンブルにうまくなじみます”というシンセ音源Prologueがバンドルされている。

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▲インタビュー中でGakushiが何度も言及しているパフォーマンスクリエイターは、MOXの使い勝手を飛躍的に高めている注目の機能。例えばボイスモードでLAYERボタンを押し、レイヤーしたい音a色を選ぶと瞬時にパフォーマンス(音色セット)を作成できる。同様にスプリットや、ドラム・パートを重ねたパフォーマンスの作成(DRUM ASSIGN)も簡単に行うことが可能。演奏の手を休めずに幅広い音作りを楽しめる、うれしい機能だ。

●MOXシリーズを手にして、まずどういうところから試してみましたか?

Gakushi プリセット音色をひととおりチェックした後、上モノ的によく使うブラスの音色でパフォーマンス(複数のボイスを組み合わせた音色セット)を組んでみるところから始めました。MOXにはパフォーマンスクリエイターという機能があって、簡単な操作でレイヤーやスプリットを作れるので、すごく良いと思いましたね。ボタンを押したらこうなるんだなというのが瞬時に分かるので、ビギナーの人でも使いやすいと思います。慣れれば目をつぶっていても使えるんじゃないですか?(笑) その機能を使って、ライブで使えそうな音をすぐに作ることができました。

●いろいろな音色を聴いた中で、特に気になったサウンドは?

 Gakushi 僕は割とエッジの立ったシンセ・ブラスが好きなんですけど、MOXのブラスを聴いたとき、MOTIF XFより好きかもしれないと思ったんです。ヌケの感じが違うんですよ。単体で聴いてそう感じただけでなく、セッションでも使ってみて確認しました。全く別のキャラクターとして使えると思いましたね。

●鍵盤楽器系の音色はどうでしたか?

 Gakushi ピアノ系の音色はさすがにMOTIFからの流れを踏襲していて、価格帯以上の良い音だと思います。いつもツアーとかで使っているのと同じ音だという安心感もありました。チャーチ・オルガン的な音色も良いですね。僕はジャズ・オルガンとかロック・オルガンのような歪み系の音があまり好みじゃなくて、パーカッションもあまり使わないくらいなので、クリーンなオルガンで良い音がするのはうれしいです。でもレスリーのシミュレーターも、回転している感じがすごく出ていて良いと思いましたよ。オルガンといえば、付属のソフトウェア音源YC-3Bもかなり気に入りました。使いやすくて動作も軽いし、グリスしても音がグチャグチャになったりしない。今までソフト音源はあまり使ってこなかったんですけど、こんなに良いんだ!とびっくりしました。

値段を超えた魅力が詰まった1台です

●高密度なリバーブや、MOTIF XSで高い評価を得ているVCMエフェクトなど、内蔵エフェクトも充実しています。

 Gakushi 僕はギタリストがいない現場で歪み系のギター・パートを弾くことがけっこう多いので、ディストーションの音は注意深くチェックします。MOXには、シミュレーターっぽくない感じで豊かに歪む音があって、バッチリだなと思いました。フィードバックも良い感じで出せるのでよく使っています。

●価格帯的にアマチュア・ユースも重視していると思いますので、内蔵シーケンサーの使い勝手も気になるところです。

 Gakushi 僕自身けっこう打ち込みもやるんですけど、シーケンサーは今でもハードウェア派なんです。ハードでやる楽しさが好きなので、MOXのシーケンサーもスムーズに使えました。リアルタイム録音が全くストレスなくできただけでなく、普段はやらないステップ録音も試してみたらとても簡単にできました。これならビギナーでもすぐにトラックを作れますね。まさにオールイン・ワンだと思いました。

●MOXシリーズをライブで弾くと想定したときの使い勝手についてはいかがですか?

 Gakushi やはり最初に話したパフォーマンスクリエイター機能がポイントですね。僕は特にピアノとストリングスをレイヤーして使うことが多いんですけど、それが瞬時にできるだけでなく、2つの混ざり具合いをノブで調整することもすぐにできます。最初は素のピアノの音で始まって、途中から徐々にストリングスを足していって盛り上げる、というような使い方が簡単にできるのはうれしいです。ちょっとした操作の加減で、思いもしなかった面白い音色を作れる可能性もありますね。シンガーと僕だけみたいなシチュエーションではスプリットもよく使うので、このパフォーマンスクリエイター機能は重宝します。あと、僕はけっこうキーボードをたくさん積むのが好きなので、軽いというのも良いですね。車を持っていないころは61鍵のキーボードでもカートに載せて運んでいましたけど、これならリュックみたいに背負えてしまうのは魅力です。

●MOTIF XFも使っているGakushiさんですが、あえてMOXシリーズを使いたくなる場面もありそうですか?

 Gakushi ブラスのようにMOTIF XFよりも好きな音色があるというのは大きいし、さらに探ればそういう音色はまだまだあると思います。ロックやポップスなど全般に使えると思いますけど、僕が専門とするR&B系の音楽には絶対欠かせない1台ですね。こんなに軽くて値段も手ごろで、これだけのクオリティのシンセってほかにないと思います。

YAMAHA MOX6/MOX8

MOTIF XSと同じ335MBの大容量波形による1,217音色を搭載したMOXシリーズは、ライブから音楽制作まで幅広いシチュエーションでの使い勝手を追求したワークステーション・シンセ。鍵盤数/鍵盤機構以外は両機種とも共通のスペックとなっている。特筆すべきは、従来の30%以上の軽量化に成功している点で、88鍵のMOX8でも15kgを切る軽さ。MOX6にいたってはわずか7kgという、本格的なワークステーション・シンセとしては驚異的とも言える軽量性を実現している。

MOX6

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価格:オープン・プライス/市場実勢価格100,000円前後
61鍵セミウェイテッド鍵盤(イニシャルタッチ)
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MOX8

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価格:オープン・プライス/市場実勢価格150,000円前後
88鍵GHS鍵盤(イニシャルタッチ)
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Gakushi提供!
MOXの実力を体験できる楽曲「Le_t Go」

Gakushiが提供してくれた「Le_t Go」は、すべてのパートをMOX8で制作したトラック。打ち込みも内蔵シーケンサーで行い、本体の出力をダイレクトに録音したという。まさにMOXの実力を体感できるこの曲について、Gakushi本人に解説していただこう。

「ドラムに関しては、普段R&B/ブラック系の音楽をやっていて、特に生ドラム系の音色になかなか満足できないことが多いんです。だいたいスネアのピッチが低くてロック/ポップスっぽくなっちゃうんですけど、MOXに入っている音はその悩みを解消してくれました。今回の曲では、Power Standard Kit 1という音色を使っています。逆にベースはシンベでやってみようと思って、モーグ的な低音感で下を支えてくれるFat Sineという音色を選びました。ドラムもベースも、ちょっとした音の違いでグルーブが変わってしまいますけど、今回はすごく良い音が見つかったと思います。
メロディを弾いているエレピの音色はNatural Wurliy、バッキングの生ピアノはFull Concert Grand。どちらもプリセットそのままで使いました。サビで出てくるオルガンはFullyです。
ブラスはBright Section。普段ならパフォーマンスを組んで使うところですけど、ここではソング・モードなので素の音色です。スパッと切れる感じで、とても気に入っています。
後半で味付け程度に鳴らしているシンセは、MOXの中でも特に好きなStraight RBという音で、サビのバックにも薄く入れています。プリンスの2年前くらいのアルバムにけっこう入ってたなと思うような音で、普段のセッションでもよく使います。この音だけはソリッド感を増やそうと思って、少し違うノコギリ波を足しました。
全体のバランスは、弾いているときのベロシティでほぼそろえてあるので、最後に微調整したくらいです。とにかく素の音をメインにして、本体だけで作った音でもこんなにすごいんだ、というのを体感してもらえるように作りました」

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Gakushi

15歳のころヤマハEOS B900を手に入れてキーボードを始め、23歳でプロ活動をスタート。主にR&B系アーティストのレコーディングやツアーに参加、ツアーではバンマスを務めることも多い。これまでに関わったアーティストはm.c.A・T、DOUBLE、AI、BoA、May J.、加藤ミリヤ、DA PUMP、三浦大知、HOME MADE家族、GAKU-MC、Skoop On Somebody、東方神起、JYJなど多数。

問い合わせ

ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/

 

本記事は『キーボード・マガジン 2011 SUMMER号』から転載・再編集して掲載しています。

1108-yamaha-KM.jpgキーボード・マガジン 2011 SUMMER号

定価:1,500円(本体1,429円+税)
仕様:A4変型判/240ページ/CD付き
発売日:2011.6.10

詳しい情報を見る(リットーミュージック)

TUNECORE JAPAN