2014.11.22@楽器フェア 浅倉大介と現代のシンセサイザーを考える

ライブレポート by キーボード・マガジン編集部 写真:星野俊 2014年12月9日

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2014年11月21日(土)から3日間にわたって行われた2014楽器フェア。ここでは22日に行われたイベント、プロフェッショナル・ワークショップ『浅倉大介と現代のシンセサイザーを考える』の模様をお届けします。

イベントの司会進行を務めるのは、トップ・シンセシスト浅倉大介さんと本誌編集長の山本。
そして、ステージ脇には左からコルグKronos、ローランドFA-08、TR-8、System-1、ヤマハMotif XF WHが並べられていました。
本イベントは各メーカーの方に自社のフラッグシップ・モデルをプレゼンしてもらい、それに対して浅倉さんがツッコミを入れていきながら現代のシンセサイザーのあり方を考える、という内容。
日本3大メーカーの担当者が一同に会すのはなかなかない機会で、“メーカーの偉い方も心配している”と、実に楽しそうな浅倉さんが印象的でした。

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そして、ステージ上にコルグ企画担当の岡崎巧さん、ローランド販促グループの石井宏平さん、ヤマハ商品企画の伊藤章悟さんが登場し、プレゼンの順番をくじ引きで決定!
その結果、一番手はヤマハ伊藤さん。ヤマハ・シンセ40周年記念モデルであるMotif XF WHの機能に加え、白色ボディというカラーについてもその魅力を語ってもらいました。
2番目はコルグ岡崎さん。新しく生まれ変わったKronosは、大容量の波形を搭載し、新開発のピアノ音源や一流ミュージシャンのシグネチャー音色を備えている、とのこと。
最後はローランド石井さんで、Integra-7の音源を積んだワークステーションFA-06、過去の名器を再現しつつ新機能を備えたSystem-1、TR-8を冗談も交えながら流麗に紹介。
みなさん非常に見事なプレゼンテーションを行ってもらいました。

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▲くじ引きで順番が決定した瞬間(写真左からコルグ岡崎さん、ローランド石井さん、ヤマハ伊藤さん)。

 

そして浅倉さんの質問コーナーへ。1つ目のお題は“これは他社には負けないぞ!”というもの。
ローランド石井さんは、“光るという要素でステージ映えを追求している”、コルグ岡崎さんは“エンジニアが音色をたくさん入れ過ぎてしまうやんちゃなところ”、ヤマハ伊藤さんは“ピアノ、エレピの音色や、鍵盤のタッチ感は負けない”、とのこと。
浅倉さんは続いて、“他社のうらやましいところは?”という答えにくそうな質問も。
これにはみなさん苦笑していましたが、ヤマハ伊藤さん“小型のシンセをたくさん出せるところがうらやましい”、コルグ岡崎さん“ヤマハさんは歴史を持っているところ、ローランドさんはダンス・ミュージック系の音楽に強いところ”、ローランド石井さん“個人的になんですが、重厚なフラッグシップ・シンセを持っているところ”、と答えてもらいました。

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また、イチ推しの音色についても質問し、浅倉さんがその音色を実演することに。
Motif XF WHではエレピとピアノのレイヤー音色で、バラード風のピアノ・バッキングを披露。
続いてSystem-1では、LFOレートをこれまでのデジタル・シンセでは出せなかった速さまで効かせることができるとのことで、浅倉さんのツマミ・プレイでその強力なLFOサウンドを聴かせてくれました。
そしてKronosの推しは、プリセットA000番のピアノ音色。大容量の波形メモリによってノンループでサンプリングした音色で、非常にリアルなピアノの余韻を実感できました。

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▲System-1のイチ推し音色であるLFOレートを最大にして、その効果を示す浅倉さん。

 

さらに、浅倉さんがシンセを使うときのワザについてもレクチャー。
まずはKronosで、“ダンパー・レゾナンス”や“ストリング・レゾナンス”などのピアノのノイズ音を最大に。ノイズ音をあえて強調することで、オケに混じったときでもリアルなサウンドが手に入られるそう。
オルガンも同じく、キー・クリック音やオーバーロードなどのパラメーターを最大にした音色を設定し、ほかにもオクターブ音を4つ重ねたピアノ音色なども一瞬で作り、会場を沸かせてくれました。

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▲Kronosを使って、オケ中でも映える音色作りをレクチャー。

 

System-1はすでにaccessのライブで使っているということで、浅倉さんお気に入りのノイジーな音色や、ソフトウェア・シンセをSystem-1に内蔵させることができるPLUG-OUT機能を使って、SH-101ソフトウェア・シンセサイザーの音色も披露。
最後にMotif XF WHでは、音色をイニシャライズ(素の波形に戻すこと)してどんな波形が入っているのか確認する、本人曰く”魔の浅倉チェック”を実演。
Motif XF WHのすべての波形(3977波形)を耳で聴いて覚えておく……とのことで、会場にいた全員を驚かせていました。
さらに、浅倉さん自身がDX7 ⅡFDをサンプリングしたアグレッシブなシンセ音色も聴かせてくれ、Motif XF WHが持つ攻撃的な面も垣間見ることができました。

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▲Motif XF WHの波形チェックのシーンでは、浅倉さんの速過ぎるシンセ操作も存分に披露。

 

イベントの最後は、浅倉さんが今回のために制作したトラックとコルグKronos、ローランドSystem-1、ヤマハMotifを使ってのライブ・パフォーマンスが行われました。
3台のシンセで演奏するサウンドは、なんと先ほどステージで作った音色を使うとのこと。
幕開けはDX7 ⅡFDをサンプリングしたMotif XFの重厚なシンセ・オーケストレーションから。
続いて軽快なダンス・ビートが流れ始めると、System-1の強力なシンセ・リードでテーマ・メロディを、Kronosのオクターブ・ピアノ音色でクラシカルなフレーズをプレイする……などなど、3台のシンセサイザーを次々と弾きこなす姿はまさに圧巻でした。

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バック・トラックは浅倉さんのソロ・プロジェクトDA METAVERSEの新曲「topology」に移り変わり、System-1でオクターブ・シフト・ボタンを併用した高速アルペジオ・プレイや、Kronosのオルガン音色による激しいソロを聴かせてくれました。
さらに、スピード感のあるダンス・チューン「3×10^8_LUCKS」になると、浅倉さんはKronosでモジュレーションの効いたシンセ・リードや、System-1によるツマミ・パフォーマンスも。
ラストはMotif XF WHのシンセ・サウンドをサステインさせながら、Kronosでピアノ音色を打ち鳴らし、System-1のフィルター・プレイでフェード・アウトするという、各シンセが三位一体となったプレイで会場を沸かせ、15分のライブ・パフォーマンスに幕を降ろしました。

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浅倉さんの軽妙なトークとライブ・パフォーマンスでお送りした本イベント。
メーカーの方とのやりとりも交えて、最新シンセサイザーはどんな機能を持っているのか、どのようなことができるのか、詳しく知っていただけたと思います。
興味を持った方はぜひ楽器屋さんに行って触ってみて、そのサウンドや操作感を実感してみてください!

続いては、こちらのページで楽器フェアの展示会場の模様をお届けします。

 

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