流麗なテクニカル・レガート・プレイを身につけよう!/MI Japan ギター・クリニック

MI JAPANギター・クリニック by 山本安男 2010年10月13日

ミュージシャンにはお馴染みMI JAPANことMusicians Institute Japan。アメリカ最大の音楽学校Musicians Instituteと直結、最先端シーンに精通した授業がギタリストに好評である。MI JAPAN講師陣が誌上クリニックを展開していく連載シリーズ、今月は2度目の登場となる山本安男だ!

読者の皆さん、こんにちは! MI Japan福岡校のGIT講師、山本 “Jens(ヤンス)”安男です。再びこのセミナーに登場となりました。

今回はハンマリングやプリング、タッピング、スライドなどを駆使して、滑らかで流れるようにスピーディな”レガート”をテーマにしたいと思います。

どのフレーズも簡単ではありませんが、ぜひ頑張ってチャレンジしてみて下さい。

 

 

▼対応動画【MI×ギタマガ】OPEN HOUSE/山本安男

左手タップが肝! クラシカルな響きの弦跳びレガート・エクササイズ

Ex-1(対応動画 – 1:27)

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というわけで、初っ端から超レガートなフレーズを紹介します。

最初の1音以降は、ピッキングが一度も出てきません。ピッキングの数が少ないほどアタック部分が減り、全体的になめらかな雰囲気に仕上がるのですが、これはその極端な例。普通はレガート中心のプレイであっても、弦移動の際にはピッキングするのが一般的です。しかし、このフレーズの場合は弦移動時にピッキングしている暇もなく、また弦移動時のピッキングによるアタックも排除して、とにかくなめらかで流れるようなサウンドにするために、ほぼノン・ピッキングになっています。

弦移動時には、左手の人差指と小指によるタッピングで発音します。このフレーズでは右手のタッピングも入っていますが、重要なのは左手タップです。

例えば、2小節目4拍目の最初の音である”3弦4フレットB”の音は普通ならばピッキングで出したいところですが、ここではそれをせず、左手人差指を4フレットに叩きつける……つまりタップして発音します。 また、1小節目2拍目の最後の音である”3弦7フレットD”も、左手の小指を同様にフレットに叩きつけて発音します。左手人差指でのタップは特に音が弱く、はっきり発音されにくいので訓練が必要かもしれません。コツとしては、ネックを握り込むような形のフィンガリングではなく、手首を少し突き出したクラシック・フォームでチャレンジすると、人差指に勢いがつけやすく音も出やすくなるでしょう。

また、レガート中心のプレイはリズムが崩れがちです。リズム・コントロールにも注意を払い、整った16分音符になるよう心がけましょう。

超ワイドなストレッチによるアグレッシブなレガート・エクササイズ

Ex-2(対応動画 – 4:38)

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ワイドストレッチと弦跳び、軽いタッピングを含んだフレーズ。1小節目はEマイナー・ペンタトニック・スケールによるライン、2小節目はF♯ディミニッシュ・セブン・コード、さらに3、4小節目ではGマイナー・トライアドとCマイナー・トライアドをもとに弾いています。

実際に試してみるとわかると思いますが、とにかくストレッチがキツい! 後半にいくほどそのキツさにも拍車がかかっています。これは、スリーノート・パー・ストリングス(ひとつの弦につき3音)でフィンガリングしていることが原因です。

マイナー・ペンタトニックの一般的なフィンガリングはツーノート・パー・ストリングス(ひとつの弦につき2音)ですし、ディミニッシュ・セブンやマイナー・トライアドなどのコードは、通常のスケールに比べて音程差が激しく、ひとつの弦で3音弾くことは困難です。それでもこういうフィンガリングにしているのは、スピードがつけやすく、なめらかなサウンドが出しやすいからです。とにかく、まずは指同士の間隔を広げることに慣れ、その状態で指を動かせるようにトレーニングして下さい。いきなりフレーズ全部にトライせず、例えば2小節目の1拍目のフレーズのみを何度もくり返して慣れていくといった感じで少しずつチャレンジしていくのもオススメです。

視覚的な華やかさもある、総合的レガート・エクササイズ

Ex-3(対応動画 – 7:55)

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さてさて、最後にもう一工夫したレガート・エクササイズにチャレンジしてみましょう。いくつかのセクションに分けて解説します。

1〜2小節目……Eマイナー・ペンタトニック・スケールを軸としたフレーズ。ポジション移動と同時に弦移動しているので、非常に音が途切れやすい。例えば、1小節目2拍目の最後にポジション移動と弦移動がありますが、移動先の”3弦9フレットE”ばかりを意識すると、その直前の音である”4弦12フレットD”を速めに離してしまいがち。弦移動先の音がベストなタイミングであることは当然大切ですが、弦移動前の音をキチンと伸ばすことで(と言っても一瞬ですが……)音切れを防げます。

2小節目の頭には右手のタッピングによるスライドもあるので、あまり弦に圧力をかけず摩擦の少ないスライドを心がけましょう。

3〜4小節目……両手タッピングによる音程差のあるフレーズ。サウンドだけでなく、見た目的にもインパクトがあります。右手のタッピングでは、2本の指を使用しているところもポイントです。とにかく、それぞれのタップ音をはっきり出すことが大切なのですが、ここで難しいのがミュート。特に歪んだ音でプレイすると、余計な弦がたくさん鳴ってしまいます。完璧にクリアに弾くことはかなり難しいでしょう。できるだけ余計な音を出さないために、左手はタップと同時に人差指の腹から根元部分までを弦に触れさせ高音弦をミュート、右手はタップと同時に手刀部分(手のひらの、小指がある領域)を弦に触れさせ低音弦をミュートして下さい。

5〜9小節目……休みのない長いパッセージです。クロマチック・ラインなどにより、ジャズ的な響きも含んでいます。右手タップに加えて左手各指でのタップも多く、16分のリズムをキープする点でも難易度が高いです。やはり始めはメトロノームを使い、ゆっくりのテンポで確実に指に覚え込ませてから徐々にテンポを上げていく練習がベストでしょう。

山本安男(やまもとやすお) プロフィール

git_yamamoto14歳よりギターを始め、イングヴェイ・マルムスティーン、クリス・インペリテリを始め,特にヴィニー・ムーア、トニー・マカパインなどのシュラプネルレコード(テクニカルギタリスト専門レーベル)所属のプレイヤーに傾倒、テクニックに磨きをかけた。現在、インストラクター、サポート・ミュージシャン、楽曲制作などを行なうかたわら、自己のバンドInfernoを率いて福岡を中心に活動中。”超速神”なる異名を持ち、有名な超絶技巧プレイヤーたちとの共演も果たしている。

Inferno ホームページ http://infernet.jp/

■本記事について

本記事は、『ギター・マガジン2010年10月号』掲載のページを転載したものです。

→『ギター・マガジン2010年10月号』の詳細を見る

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