メカニカルをエモーショナルに/MI Japan ギター・クリニック

MI JAPANギター・クリニック by 梶原稔広 2010年4月13日

ロックの国アメリカで最大の音楽学校Musicians Instituteと直結、最新音楽事情をリアルタイムで学べるMI JAPANことMusicians Institute Japan。MI JAPANで人気の講師がリレー形式で誌上ギター・クリニックを展開する本コーナー。第9回目の今月は、東京校の梶原稔広が登場!

初めまして。MI JAPAN東京校GIT講師の梶原です。

MIではElective(選択授業)やR&BのLPW(Live Playing Workshop)、マンツーマンで行なうPrivate Lessonの授業を受け持っています。

プライベートではALHAMBRAというバンドで活動中です。2010年4月に3rdアルバムが発売予定なのでぜひチェックしてみて下さい。

自分の経験でもあったのですが、ある程度メカニカル・フレーズを弾けるようになってくると今度はどうやってフレーズを作っていこうかという壁にぶち当たります。最初は覚えたリックをやみくもに組み立てるだけでも満足していましたが、実際に録音して聴いてみるとただ音を詰め込んだだけで、ぶっちゃけ”カッコ悪い”……。

さて、何が良くないのかと考えた結果わかったのは、”間違えないで弾くことしか考えていない”という点でした(これも大切なことですが練習時に心がけていれば十分だと思います)。欠けていたのは”どうしたいか”、”どう聴かせたいか”という思いです。

会話に例えてみると、同じ言葉でもイントネーションや語気によって相手の受け取り方や反応が変わってきます。単語や文法をロボットのように平坦に発するのではなく、声量、アクセント、テンポ(スピード)、さらに声色も使い分けて話しますよね。

そう! ギターを弾くうえでもこれが大切なんです。”どうやって音を表現したいか”を意識することが重要です。

▼対応動画【MI×ギタマガ】OPEN HOUSE/梶原稔広#1『メカニカルをエモーショナルに』

 

▼対応動画【MI×ギタマガ】OPEN HOUSE/梶原稔広#2『メカニカルをエモーショナルに』

デモ・フレーズ

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パッと譜面を見てどうでしょう? 指板上の移動は多いんですが、ロング・トーンやチョーキングはほとんどなく、メカニカルな感じです。これをいかにエモーショナルに弾くかが、肝となります。

TABの数字だけを見てしまいがちですが(僕もですが笑)、ほかにも目を向けてみましょう。休符、装飾音符、アクセントなど、いろいろな情報が記されています。

ポジションが言葉だとすれば、記号類はどんな感じで読むのかを示していると思って下さい。それだけで譜面の見方が変わってきます。譜面だけでは100パーセント伝わらないので、動画と一緒に見てもらうとより伝わると思います。

奏法解説

大きく分けて指板を横に移動していくフレーズと縦に移動していくフレーズで構成されています。

まず1〜2小節目のポイントは、16ビートの1拍4音構成に対して、フレーズは3音で構成されている点。アクセントがずれていくために、スピード感が出せるというメリットがあるのです。その分、横のポジション移動が速いタイミングでくるので注意が必要です。小指先行のパターンなので、移動の際に指が折れ曲がらないようにしっかり立てること。コツは小指だけで動かそうとせずに、ほかの指と一緒に動かすこと。大袈裟に言うと左手全体で移動する感じです。

3小節〜最終小節にかけては、半拍3連、休符入りの9連符などが16分音符と交互に出てきて複雑になってますが、あせって弾かずに1拍ずつ符割りを理解して取り組んで下さい。

攻略エクササイズ

(1)対応動画#1 – 3:34から

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3音構成のフレーズをわかりやすく3連符にはめてみました。ピッキングのパターンは表記以外にもありますが、デモ・フレーズと同じにしてあるので、何回も弾いて慣れておきましょう。

注意点は1弦と2弦の音が重なってしまわないようにすること。特に1小節目は異弦同フレットを人差指で押弦することになるので気をつけましょう。さらにプリング時に符割りが崩れないように注意が必要です。

(2)対応動画#1 – 3:52から

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前述の(1)とポジション、運指ともに同じですが、符割りが16分になっています。フレーズ割りはデモ・フレーズと同じ3音構成。16分のリズムに釣られないようにすることがポイントです。アクセントを付けることも忘れずに。

リズムがうまくとれない人は、ギターを置いて歌ってみるのも手です。” ターラタ、タラタ、タラタ、タラタ、タラタ” みたいに4分でタップしながら歌えるなら弾けるはず。

(3)対応動画#2 – 0:29から

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フィンガリング(h&p)をメインにしたフレーズ。ピッキングが少ない分、リズムをキープするのが大変ですが、結果としてレガート感のあるフレーズになります。

気をつけたいのは勢いでプリングしないこと。リズムも危うくなるし、ピッチもあまくなりがちです。プリングは左手のフィンガーピッキングだと思って取り組んで下さい。

また弦移動の際にハンマリングで音を出すポイントがありますが、弦を叩く時に人差指が弦から離れないように。安定した音が出にくくなり、予期しないノイズも生まれてしまいます。

(4)対応動画#2 – 0:45から

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同じくフィンガリング重視のフレーズですが、符割りは16分になっています。

注意点は1、2小節目の3拍目に共通する6連符。スライドで音をつないでいくところはリズムを見失いがち。6連符から16分にスイッチする時も同じように注意が必要です。

梶原稔広(Toshihiro Kazihara) プロフィール

git_kazihara東京都出身。高校時代より本格的にギターを始める。バンド,ALHAMBRAの活動を始め,佐藤美紀子,田村ゆかり,斉賀みつき,檜山修之,生天目仁美,伊藤静やアニメソングのレコーディングおよびライブに参加。楽器メーカーの商品開発などにも協力。02年よりMI JAPANで講師を務める。

 

■本記事について

本記事は、『ギター・マガジン2010年4月号』掲載のページを転載したものです。

→『ギター・マガジン2010年4月号』の詳細を見る

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