“おぐまた”がやってくるヤァ!ヤァ!ヤァ! いやーな梅雨をぶっとばせ!

ライブ/イベントレポート by 野口広之(ギター・マガジン編集長) 撮影:雨宮透貴 2013年7月11日

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2013年6月22日@Com.Cafe音倉
 ギタリスト小倉博和とパーカッショニスト三沢またろうのデュオ,略して“おぐまた”。サザンオールスタースや福山雅治など数々のアーティストをサポートしてきた売れっ子ミュージシャンであるふたりが,がっちりタッグを組んで初のライブを行なった。下北沢音倉でのステージをレポートしよう

さわやかなアイランド・ミュージックの風が吹いた“おぐまた”初ライブ。

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会場に到着すると、席を埋め尽くす女性、女性、女性。お〜、モテモテじゃないか。黄色い声が飛び交う中、おぐまたがステージに登場。小倉が挨拶した途端になぜか爆笑が巻き起こる。そんな始まりだった。オープニング曲は、小倉が“ウクレラ”と呼ぶ6本弦のウクレレで奏でるさわやかなフュージョン・ソング「アジサイ」。そして、ギターやハープ・ウクレレに持ち替えながら、軽やかな演奏を聴かせていく。山弦でもリゾート・ミュージック的なインストを得意としていた小倉だが、ここではステージ後ろの壁にさまざまな映像を映し出しながら、海の匂いのする音楽を披露する。瀬戸内海の夕暮れの映像をバックにした「オリーブの白い花」、八重山の景色を映し出した「島育ち」。そして、極めつきは“ワイハ”の絶景を使った「MAHALO」だった。さまざまなパーカッションを操るまたろうだが,この曲ではアフリカのパーカッション,バラフォンでなんとも涼しい音を出していた。これはマリンバ風の楽器で,共鳴体にひょうたんが用いられているというものだ。大ベテランなのにどこか少年の面影を残すふたりは、演奏もトークも息がピッタリで、会場は何とも言えないリラックスした雰囲気に包まれる。

そして一転、ここからは“下北コーナー”へと突入した。下北と言えば、ミュージシャンにとっては“ホーム”のようなもの。小倉も自らの下北の思い出を笑いを交えながら語り出す。そして、西岡恭蔵の名曲「プカプカ」を歌い出した。無類のギター好きとしても知られるまたろうもギターに持ち替えている。スロー・シャッフルの「プカプカ」は、原曲とは違ったシブイ味わいで、じわじわと心に滲みてくる。小倉のボーカルは滅多に聴けないが、実はエイモス・ギャレットばりの魅力あるバリトン・ボイスなのだ。一言で言えば“低音の魅力”である。またろうはさらりとギター・ソロをキメていた。

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中盤のハイライトは“東京ビートルズコーナー”だった。よっぽどの音楽ファンでなければ知らないと思うが、60年代、日本に東京ビートルズなるグループが存在した。ビートルズの楽曲を日本語にして歌っていた4人組なのだが、なぜか彼らの曲をこの日のメニューに加えることになったらしい。「キャント・バイ・ミー・ラブ」で様子見をしたあと、「抱きしめたい」で客席とサビの部分をシンガロングすることに。サビの“I can’t hide”のリフレインの部分を“惚れた〜惚れた〜惚れた〜”と歌って、一同大いに盛り上がった。なぜ東京ビートルズをやったのかは謎であるが、どうやらこのライブのタイトルと関係があったようである。

そしてライブも終盤。小倉が客席に立つように促し、総立ちの中、小倉が“エレキ化”。ちょっとニール・ヤングのようじゃないか。マーティンの改造バックパッカーを持ちラテンのノリで弾き始める。打ち込みのオケを流しながら夏らしい軽快な16ビートが続いた。ここで思わず出た小倉の“いや〜、楽しいね”という一言がこの日のステージのすべてを表わしていたと言えるだろう。またろうにも満面の笑顔が浮かんでいた。ラストは、小倉が敬愛するスティーヴン・スティルスの代表曲からヒントを得たという「Surf surf surf!」。マーティン000-45に持ち替えて、豪快なストロークを聴かせる。ブルージィなロック・インストは小倉の真骨頂だった。軽やかなアドリブを思う存分弾いて、本編は終了した。

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すぐにアンコールに引き戻されて、再び登場。ここでポスターや愛用のスティックなどをプレゼントするジャンケン大会が行なわれた。そしてアンコール。スクリーンには映像が流れ、おおらかな「Leadman Song」を演奏する。そして“最後はラブソングで”と言って、山弦バージョンとはひと味違った「GION」で締めくくった。
終わってみれば、ステージには心地よいアイランド・ミュージックの風が吹いていた。終始、サービス精神満点で客を楽しませることに徹する姿勢はさすがで、特上のエンターテインメントだった。ギターとパーカッションが巻き起こす“おぐまた”の風。それはさわやかな潮の香りがした。ぜひとも今後の展開を期待したい。

 SET LIST

  1. アジサイ
  2. Spring Comes
  3. tubame
  4. オリーブの白い花
  5. 島育ち
  6. MAHARO
  7. プカプカ
  8. 神田川
  9. 東京ビートルズコーナー Can’t buy me love
  10. 抱きしめたい
  11. Feliz Amigo
  12. Flower
  13. 夏のVibraslap
  14. Surf surf surf!
    ENCORE
  15. Leadman Song
  16. GION

 

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