手島いさむ meets TASCAM GB-10 – 耳コピに最適な機能が満載! 音源に合わせて気軽にセッションできる ギター/ベース・トレーナー

特集 by 編集部 2012年9月13日

リニアPCMレコーダーDR-40,POCKETSTUDIO DP-008と続いてきた,手島いさむのタスカム製品チェック。最終回となる今回はギター/ベース・トレーナーGB-10を取り上げる。本機にはスピードやピッチの調整,ループ再生などギター練習の基礎とも言える耳コピに最適な機能が満載。アンプ・シミュレーターや内蔵エフェクトを装備しているので,ギターとシールドだけで音源に合わせて気軽にセッションできる。レコーダーとしてもオーバーダビング可能など,きっと君のトレーニングのよき相棒となってくれるに違いない。

GB-10とは?

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ギターの上達には,一にも二にもなく練習が不可欠だが,ただ闇雲に回数をこなせばいいというものでもない。効率的な練習法はさまざまあるが,特にステップ・アップに欠かせないのが耳コピと録音だ。本機GB-10は, これまでタスカムがCDトレーナーやハンディ・レコーダーで培ったノウハウを凝縮した,耳コピと録音に最適なアイテム。早速その充実した機能を見ていこう。

まずギター・トレーナーとして。本機はSDカードやPCとのUSB接続などにより, MP3やWAVフォーマットの音源ファイルを取り込むことができる。耳コピの場合は,一定区間をくり返し再生するループ機能や,音程を変えずに0.5倍から1.5倍の間で再生スピードを変更する機能が役立つだろう。また,キーの変更も,±6半音で可能なので,例えば3フレット・カポの楽曲などもレギュラー・チューニングにアレンジしてコピーすることが可能だ。もちろん単に再生機器というだけでなく,シールドを直接接続し,自分の演奏を音源と合わせてモニターすることもできるのが,本機の強み。ギター音も,アンプ・シミュレーターや各種エフェクトを内蔵しているので,ライン接続時のようなペラペラな音で興を削がれる心配もない。現在は,あらゆるメディアで気軽にスコアを見ることができるが,耳コピから得られるものも確実にある。本機はそのサポートにピッタリの1台と言えるだろう。

次にレコーダーとして。コンパクトなサイズながら,本機は44.1kHz / 16ビットのステレオ・リニアPCM録音(WAVフォーマット)での録音機能も搭載されている。2GBのSDカードなら, 3時間程度の録音が可能なので,アイディアのスケッチを録り溜めておくのにも重宝する。また,いろいろと面倒くさそうな録音手順も,思いっきりシンプル。要はギターをつなぎ,入力音量を調整し,録音ボタンを押すだけ。あれを起ち上げ,これをつないでという手間がないのは,思いついたアイディアを逃さないという部分でも強い味方だ。さらに本機は,既存ファイルに音を重ねるオーバーダブ機能も搭載。元のファイルは残ったままのオーバーダビングなので,バッキング・パターンを録音したうえで,さまざまなリード・パターンを試してみることも可能だ。もちろんこれは取り込んだ既存楽曲でもOKなので,コピーしたフレーズが弾けているかどうかのチェックにも活用できる。いつもの練習を,より充実したものにしたい人は,ぜひともチェックしてほしいトレーナー/レコーダーだ。

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▲KEYボタンを押すと,±6半音の範囲で再生楽曲のキーを変更することができる。カポありの楽曲をコピーする時に便利な機能だ。 ▲SPEEDボタンを押すと,ファイルの再生スピードを0.5倍~1.5倍の範囲で変更可能。ピッチは変わらないので,速弾きのリードを耳コピするのにも役立つ。 ▲本機には,アンプ・シミュレーター,コンプ,エフェクト(コーラス,フランジャー,フェイザー,トレモロ,オートワウ,ディレイ)を内蔵。それらを組み合わせてプリセットを登録しておくことも可能だ。

 

FRONT

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Aメイン・カーソル
項目選択のほか,ギター入力のオン/オフやBROWSE画面(ファイルのリスト)への移動などもこのカーソルで行なえる。

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カーソル・ボタンの上を押すと,ファイルを一覧できるBROWSE画面に移動。録音ファイルも,特に指定しなければ自動的にここに保存される。また, メイン画面にはHOMEボタン一発で戻れるのも親切設計。

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Bファンクション・ボタン
再生音のスピード/キー変更やエフェクトの設定など,録音や練習をサポートする機能はこのボタンで呼び出す。

CRECボタン
録音は,RECボタンひと つでクイック・スタート。2秒前からのプリ・レックやオーバーダブなども可能だ。

DVALUEボタン
再生スピード/キーの上 げ下げ,エフェクトの数値設定などは, このVALUEボタンで行なう。

LEFT SIDE

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USB接続
本体左側面には,USB端子とフット・スイッチ接続端子を搭載。フット・スイッチは録音/再生の操作のほか,エフェクトのプリセット切り替えなどもできる。

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RIGHT SIDE

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ギター・イン,ボリューム,ヘッドフォン/ライン・アウト
本体右側面には,ギター・インと入力ボリューム,ヘッドフォン/ライン・アウトを搭載。ちなみにSDカードの挿入口は,底面の電池ボックス部分にある。

Tessy’s Impression

ファイルのコピー

まずパソコンからUSB経由で音源を取り込んでみたけど, MP3ファイルで扱ったから本当にあっという間でしたね。入れたのは16ビートのファンク・ロックで,けっこうな速弾きをプレイしているやつ。これをまず普通に聴いてみましょう。うん, 音質は全然問題ないです。

ギターの入力と音作り

次はギターの接続。丸いカーソルにギターのアイコンがあって,ここを押すだけでギター入力に切り替わる。これはいいですよ,誰でもわかりますから(笑)。しかも,ギター・アンプのシミュレーターとエフェクトが入ってるから,1台で完結でき るのがいい。まずはアンプのほうで歪みを作り,キャビネットはどれにしようかな? こういう細かなところまで選べるのは楽しいね。エフェクターも種類がけっこうありまして……ディレイとか入れよう。で,エフェクト,オン! うん,いい感じ。で,サイドにあるインプットが大事なんですよ。ここでインプット・レベルを自分のギターに合わせる。ピーク・インジケーターが点くようだったら下げたりして調整してあげる,と。それでさっきの音源を再生して,オケとのバランスを取りましょう。

ピッチとスピードのチェンジ

もちろん,オケに合わせて演奏を楽しむのもいいけれど,やっぱりギター・トレーナーなので,そのへんを活用しないと。まずはオケの音程を上げ下げしてみましょう。半音下げ,1音下げ,半音上げ……自然ですね。通信カラオケなんかはMIDIデータをダウンロードしてピッチを変えられるわけだけど,これは生演奏のオーディオ・データを上げ下げできるので便利。半音下げの曲だとかも,ギター側をレギュラーのままにして,半音上げればそのまま合わせることができるわけですよ。今度はスピード調整ですが,例えば等倍から90%に落としてみましょうか。耳コピする場合,まずテンポを落とすというのが上達への一番の近道。等倍で聴いて解析できるならいいけど,テンポが速いからといって,ごまかしていくと,ずっとごまかしたままで終わっちゃう。ゆっくりから始めて確実に弾けるようにするというのは本当に大事なんですよ。そういう意味ではループ機能が付いてるのもありがたい。ギター・ソロの頭から最後までを指定して何度も聴いたり録音したりできる。昔もCDプレイヤーにそういう機能が付いているものがあって,俺それでマイケル・シェンカーをコピーしてたもん。

オーバーダビング機能

この機種はオーバーダビングができるってところが優れてるよね。まずはバッキングを入れてみましょうか。メトロノームが付いてるので,それに合わせて30秒ほど録ってみました。そのトラック再生してリードを重ねます。さて,録れましたよ。 ほ~,元のオケは残したまま新しいトラックとして保存されていくんだ。これなら何回でも録れるし,複数テイクと聴き比べるのも楽だよね。これは簡単なデモを作るのにもいいじゃないですか。さらに録ったあとでキーやテンポも変更できるか ら,最初は自分の楽曲として作ったとしても女性ボーカルのキーに合わせるなんてことが可能なわけですね。

コピーの重要性

いまだに僕もパッと人のフレーズを聴いて,”これ何やってるんだろう?”って確かめることはあるんですよ。”ああ,こういうことか”と解析して次に行く,と。”それは職業でやってるからでしょ?”って思う人もいるかもしれないけど,そうじゃないんだよね。興味なの。野球で言えば,”カーブってどうやって投げるんだろう?”みたいなこと。実際にはプロと同じようにはできないけれど,”こういう握り方で,こう手首を使って投げるんだ!”とか知りたいじゃないですか。ギターも同じで,やはりこういうものに自分の音を記録して他人と比べること。それは第一歩としてすごく重要なことだと思う。そこでコピーしている人みたいになりたいと思うのもいいし,やっているうちに,やがて”同じ人はふたりいらん”という結論にたどり着くかもしれない(笑)。こういうものは,その入り口なんですよ。キッズはもちろんですが,中年ギタリストにもお薦めできますね。アンプを買えない人もいいんじゃない? だって,ヘッドフォンすればこれでノリノリの世界だもん(笑)。女房子供に迷惑をかけることなく,ベンチャーズをかけながらギターを混ぜていただきたい!

 

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TASCAM GB-10

  • 価格:オープン・プライス(市場実勢価格:15,000円前後)
  • 記録メディア:SDカード(64MB ~ 2GB),SDHCカード(4GB ~ 32GB)
  • サンプリング周波数:44.1kHz
  • 量子化ビット数:16/24
  • 再生ファイルフォーマット:WAV,MP3
  • 再生スピード・コントロール:0.5倍~ 1.5倍(0.1倍単位)
  • 再生キー・コントロール:♭6 ~ #6(半音単位),ファイン・チューン(-50セント~ 50セント)
  • エフェクター:ギター・アンプ(リバーブ),コンプレッサー,FX(コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロ/オートワウ/ディレイ)
  • 入力端子:ギター・イン
  • 出力端子:ステレオ・ミニ・フォン,フット・スイッチ,USB2.0 / USB1.1
  • USB接続コンピュータ:Windows XP, Windows Vista,Windows 7,Mac OS 10.2以上
  • 電源:単三乾電池2本,USBバスパワー,ACアダプター(別売)
  • 外形寸法:158(W)×30(H)×70(D)mm
  • 重量:160g(電池含まず)

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製品に関するお問い合わせは, タスカム・カスタマー・サポートまで
TEL:0120-152-854
http://tascam.jp/

てしま・いさむ

1963年8月27日生まれ。86年に広島でユニコーンを結成し,翌年『BOOM』でデビューする。93年に一度解散するものの09年に再結成し,『シャンブル』を発表。11年には『Z』,『Z II』を立て続けにリリースする。現在はユニコーンと並行してソロ,Tessy &Emotional Angineなどで活躍中。さらに川西幸一(d),EBI(b)との3ピースで電大を結成。1stミニ・アルバム『Δ結線』を発表して活動中だ。

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