35th Anniversary! BOSSが愛される理由~最新3機種&日下義昭が組み合わせるBOSSサウンド・マジック

特集 by 編集部 2011年12月6日

プロ/アマ問わずどの時代にも愛用され続けるエフェクター・ブランド、BOSSが、今年で創設35周年を迎えた。
本記事では、日下義昭が最新3機種(ST-2/BT-2/FB-2)と、現行製品3~4機種の組み合わせで作った11種類のサウンドを紹介していく。記事内のプレイヤーから音源を聴きながら読み進めてほしい。

BOSS 35th anniversary! 最新3機種チェック&日下義昭が組み合わせるBOSSサウンド・マジック

プロ/アマ問わずどの時代にも愛用され続けるエフェクター・ブランド、BOSSが、今年で創設35周年を迎えた。
本記事では、日下義昭が最新3機種(ST-2/BT-2/FB-2)と、現行製品3~4機種の組み合わせで作った11種類のサウンドを紹介していく。記事内のプレイヤーから音源を聴きながら読み進めてほしい。

最新歪み系ペダル3機種をチェック!

1112-boss-tieup-sound-exam.gif
各製品/組み合わせ音源のリンクをクリックすると、音源が再生されます。

まずは近年に発売された注目の新作歪みペダルの機能をチェックしていく。サウンドを制作してくれたのは,ギタリストの日下義昭。ぜひ音源を聴きながら読み進めてほしい。

※ギターはストラト・タイプかレス・ポール・タイプのいずれかを使用。アンプはJC-120を使用し,その音をマイクで収録した。

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LEVEL,TREBLE,BASS,SOUND(ゲインと歪みキャラクターを同時に変化させられるもの)という4個のコントロール・ノブを直感的に操作することで,クランチからハード・ディストーションまで多彩なサウンドを生み出すことができるペダル。SOUND を右一杯にセットした時に得られる,大型スタック・アンプをフル・アップで鳴らしたような超ハイゲイン・ディストーション・サウンドは特筆もの。

ST-2をデジマートで探す

ST-2
ゴツイ音だけじゃない,幅広いサウンドを実現。

ビンテージ・スタック・アンプの重厚な音圧と上質の箱鳴り感を実現したというST-2。この音源では,一番右のSOUND つまみのみの増減で3パターンの音を紹介しています。DRIVE に設定したハードロック的なリフをベースに,CRUNCH によるアルペジオを薄く挿入,後半からはULTRA によるブルージイなリードを重ねています。実際の弾き心地としては,ただパワフルに押しまくるだけではなく,微妙なピッキングのニュアンスにしっかりと反応してくれるというのが大きな印象でした。ガタイはいいけどすごく細かい作業が得意な人,みたいな感じです(笑)。繊細さがあるなと思いました。
ヘヴィメタルにも完全対応してくれる強力なゲインと,本格的なクランチ・サウンドをうまく両立できています。きわめて実用性の高いモデルと言えますね。

音源を聴く:ST-2.mp3

SOUND SETTINGS(回しているツマミは右のSOUNDのみ。ギターはレス・ポール・タイプを使用)

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伝統あるイギリス製コンボ・アンプ特有の中域豊かな歪みを再現したモデル。直感的な操作で歪みキャラクターを変化させられるSOUNDノブでは,左に回しきった時にはナチュラルなオーバードライブを,右に回しきった時にはあたかもブースターを使用してコンボ・アンプをフル・ドライブさせたような強烈なディストーションを生み出す。ギターのボリューム操作によって,歪みの量とともに音質を変えられるのも魅力。

BC-2をデジマートで探す

BC-2
エネルギッシュなロック・ギターに最高のパートナー。

こちらも右のSOUNDつまみの増減だけで3パターンの音色を紹介。パワフルなミッド・レンジが魅力的だと思ったので,そのパワー感を表現するために,左右に同一のリズム・パートをCRUNCHに設定して収録しました。イントロ部分にはCLEANによるアルペジオを挿入しているほか,中盤からはDRIVEに設定したリードを重ねています。これもST-2と同じくピッキングのニュアンスをまったく損なうことがないですね。
あと,60年代モッズおよびリバプール系サウンドとの相性もかなりいいのですが,近年のSuperflyに代表されるクラシック・ロック・リバイバル系のサウンドとの相性が不思議といい気がしましたね。だから音源は少しSuperflyを意識した感じにしてみました。
エネルギッシュなロック・ギターには最高のパートナーとなり得ると思います。

音源を聴く:BC-2.mp3

SOUND SETTINGS(回しているツマミは右のSOUNDのみ。ギターはレス・ポール・タイプを使用)

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音質を変化させずに音量のみを増幅するクリーン・ブーストから,中域を強調して増幅するミッド・ブーストまで多彩なブースター・サウンドを作ることができるCHARACTERコントロールを備えた画期的ブースター。徹底的なロー・ノイズ設計になっているのもうれしい。また,本機に搭載しているフィードバック機能は,実際のアンプ・サウンドから自動検出してナチュラルなフィードバックを自由自在に誘発できるという優れもの。

FB-2をデジマートで探す

FB-2
フィードバックを自在に操ることができる,
新たなBOSSの発明品。

ブースター機能にプラスして,フィードバックを自在に操ることができるという……これはかなり注目すべきモデルなのでは。実際に使ってみて思いましたが,たぶん個人的に買うと思います(笑)。
ペダルを踏みっぱなしにするだけでフィードバックを自在に操れるって,すごい発明ですよね。なんとなく魔法をかけてるような気分になれます。音源では,本機の効果を順番に確認できるように,まずBD-2をFB-2のうしろにつないでから,①BD-2単体のサウンド→②ノーマル・ブースト→③トーンを上げたトレブル・ブースト,という順番で録音しています。それに続いて,②のセッティングをベースにロング・トーンでペダルを踏み込み,フィードバックを活用したブルース・プレイを収録。フィードバックのかかり具合は驚くほどナチュラルです。
ブルース的なスタイルに限らず,音響派のギタリストなんかもいろいろ活用ができそうなので,思い思いに実験してほしいですね。

音源を聴く:FB-2.mp3

SOUND SETTINGS(ギターはストラト・タイプを使用)

1112-boss-tieup-FB2_set490.jpg

 

 

現行BOSS4機種の組み合わせで作る
サウンド・マジック

続いては,現行製品の中から任意の3〜4機種をセレクトし,それらの組み合わせの妙技を楽しんでいく。BOSSエフェクターを組み合わせれば,王道サウンドからユニークな新機軸まで自由自在のサウンド・マジックを生み出すことが可能なのだ。
編集部と日下義昭がセレクトした以下のラインナップの中から,いったいどのようなサウンドが飛び出すのだろうか?

>>組み合わせサウンドを聴く!

今回使用した現行BOSSエフェクター

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OD-3

Overdrive
97年~

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BD-2

Blues Driver
95年~

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DS-1

Distortion
78年~

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MD-2

Mega Distortion
01年~

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MT-2

Metal Zone
91年~

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FZ-5

Fuzz
07年~

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ML-2

Metal Core
07年~

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ST-2

Power Stack
10年~

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FB-2

Feedbacker/Booster
11年~

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CE-5

Chorus Ensemble
91年~

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CH-1

Super Chorus
89年~

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BF-3

Flanger
02年~

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PH-3

Phase Shifter
00年~

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TR-2

Tremolo
96年~

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GE-7

Equalizer
81年~

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AW-3

Dynamic Wah
00年~

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CS-3

Compression Sustainer/86年~

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DD-7

Digital Delay
08年~

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DD-3

Digital Delay
86年~

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RV-5

Digital Reverb
02年~

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PS-6

Harmonist
10年~

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OC-3

Super Octave
03年~

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NS-2

Noise Suppressor
87年~

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FRV-1

Fender Reverb
09年~

1112-boss-tieup-EFs_18.gif

PW-10

V-Wah/02年~

BOSSエフェクターをデジマートで探す

組み合わせサウンド

1. ジミヘン風サイケデリック・サウンド
2. サンタナ風フィードバック・サウンド
3. クラシック・ロック・リバイバル的サウンド
4. フュージョン系コンプ・サウンド
5. 80′sハードロック風ハモリ・サウンド
6. メタリカ風ヘヴィ・サウンド
7. 7弦ギターのデス・メタル風ヘヴィ・サウンド
8. オートワウで人の声のようなファンキー・カッティング・サウンド
9. シューゲイザー風オルタナティブ
10. テクノ風シンセ・サウンド
11. SF映画風スペース・サウンド

ジミヘン風サイケデリック・サウンド

音源を聴く:ジミヘン風サイケデリック・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ PW-10
0:17~ PH-3+FZ-5
0:34~ CE-5+PH-3+FZ-5

ジミヘン風サイケデリック・サウンド

ジミをイメージしたこのトラックでは,ファズFZ-5 のアグレッシブな歪みとフェイズ・シフターPH-3 の心地良い”うねり”をメインに据え,サイケデリックな音世界を作ってみました。イントロ部分ではペダル・ワウPW-10 のみをUNI-V モードに設定して使用,コードを弾いてから徐々に踏み込むことで自然な”揺らぎ”の広がりを表現,エンディングの部分ではコーラス・アンサンブルCE-5を加え,DEPTHを最大にしてハモンド・オルガンの回転スピーカーのような効果を演出してみました。

サンタナ風フィードバック・サウンド

音源を聴く:サンタナ風フィードバック・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ FRV-1+CS-3
0:17~ FRV-1+OD-3+CS-3
0:34~ すべてオン

サンタナ風フィードバック・サウンド

サンタナのプレイをイメージしたトラックです。まずCS-3 で軽く音のツブをそろえつつサステインを確保しておき,歪みには真空管アンプのように豊かな倍音とファットな低音を出すためにOD-3 を使用。さらにビンテージ・コンボ・アンプ内蔵のリバーブを想定してFRV-1をセッティング。ロング・トーンの部分には新製品のFB-2 を通常のゲイン・ブースターとしてではなく,あえて歪みペダルのうしろに配置することでレベル・ブースターとして活用しています。サンタナ風の巨大な音量による自然発生的なフィードバックを表現できたかと思います。

クラシック・ロック・リバイバル的サウンド

音源を聴く:クラシック・ロック・リバイバル的サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ DD-3+GE-7+DS-1
0:34~ すべてオン

クラシック・ロック・リバイバル的サウンド

ここでは,近年の60′s ~70′s 的指向のバンドが出す攻撃的なサウンドを軸に,少しだけグランジ的な乱暴な性格を混ぜたようなサウンドを作ってみました。カート・コバーンも愛用したDS-1のストレートなサウンドをベースに,GE-7 の1.6kHz を少しだけ持ち上げて耳につくアグレッシブなサウンドを加味。これにディレイ・タイムを90 〜100ms程度に設定したDD-3 を加え,なんとなくガレージ録音風のチープな響きをシミュレートしています。後半にはDEPTH を最大にして回転スピーカーのようなサウンドに設定したCE-5 を加え,疾走感に満ちたオブリを挿入。

フュージョン系コンプ・サウンド

音源を聴く:フュージョン系コンプ・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ すべてオン
0:12~ CH-1+GE-7+CS-3

フュージョン系コンプ・サウンド

70 年代フュージョン系音楽の最大の特徴とも言える”抜けの良いカッティング・サウンド”を作ったトラックです。必需品のコンプ,CS-3でまず音のツブをそろえ,GE-7 で大胆にローをカットしつつハイを強調したうえで,シャープなカッティングをさらに際立たせるためにCH-1をつけて完成。まるで2本のギターがユニゾン・プレイを行なっているような広がり感も演出しています。また,イントロ部分は300 〜400ms あたりに設定したDD-3で都会的なムードを演出しているのもポイントと言えます。

80'sハードロック風ハモり・サウンド

音源を聴く:80′sハードロック風ハモり・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ ( バッキング) RV-5+DD-7+ST-2
0:00~ (リード)すべてオン

80′sハードロック風ハモリ・サウンド

80 年代のHR / HM 系ギタリストが高価なラック・マウントのデジタル機材を積み重ねて作り上げていたようなゴージャスなサウンドをシミュレートしています。歪みには大型スタック・アンプのパワフルなサウンドを表現できるST-2 がやはり適任。そして80′s感を演出する派手なハモリを作るべく,PS-6 をピックアップしました。曲のキーに合わせてつまみをE メジャーに設定し,3 度下のハモリを追加しています。さらに300 〜400ms 程度に設定したDD-7と,クリアーなPLATE に設定したRV-5 という空間系エフェクトの2台がけをすることでサウンドに奥行きと広がりを持たせました。

メタリカ風へヴィ・サウンド

音源を聴く:メタリカ風へヴィ・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:01~ NS-2+GE-7+ML-2
0:09~ すべてオン

メタリカ風ヘヴィ・サウンド

重厚なメタル系の歪みに対応する数種類のモデルの中から,ここでは最もモダンなテイストを感じさせるML-2 をチョイス。ここからGE-7でミドルをカットしつつ,わずかにローを持ち上げて”ドンシャリ”のヘヴィ・サウンドにするとややメタリカ風の音に近づきます。ここでは大音量時に不要なハウリングを避けることを想定してNS-2を用意しましたが,常識的(?)な音量の場合ならば使わなくてもOKかと思います。リードにはペダル・ワウ,PW-10を”CBY-WAH” に設定し,あえてオーソドックスなワウをメタル・サウンドの渦中に溶け込ませています。

7弦ギターのデス・メタル風へヴィ・サウンド

音源を聴く:7弦ギターのデス・メタル風へヴィ・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ すべてオン

7弦ギターのデス・メタル風ヘヴィ・サウンド

デス・メタルの野獣のようなトーンを表現してみました。ポイントは単音のみならず,コードでもオクターブ下の音が出力可能なOC-3 に,ピッキングのニュアンスをスポイルせずに極限まで図太い歪みを得ることに秀でていると感じたMD-2 を抜擢。このふたつを組み合わせることで7 弦ギター風の重低音を表現してみました。さらに90〜100ms程度の短いディレイ・タイムに設定したDD-3を加え,地響きのようなエコー効果を味付けしています。

オート・ワウでのファンキー・カッティング

音源を聴く:オート・ワウでのファンキー・カッティング.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ DD-7+PH-3
0:08~ PH-3+AW-3
0:34~ PW-10

オートワウで人の声のようなファンキー・カッティング・サウンド

今度はオーソドックスな音から離れ,ユニークなスタイルを提示してみたいと思います。ワウ・ペダルは元来,人がしゃべっているような効果を作り出したエフェクターですが,ボスのAW-3 を使うと,さらに人が歌っているような(それも人工ボイス的な)ユニークなサウンドを生むことができます。これにPH-3を追加してファンキー度をアップ,そして300 ~ 400ms に設定したDD-7 を使って随所に効果音的フィルインを挿入,極めつけにPW-10 をVOICE モードに設定し, リズムに合わせて踏み込んでいます。こうすることでカッティング・フレーズと対比させているのが聴きどころと言えるでしょう。

シューゲイザー風オルタナティブ

音源を聴く:シューゲイザー風オルタナティブ.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ すべてオン

シューゲイザー風オルタナティブ

オルタナ系音楽の中でも特にエフェクティブな音世界を堪能できるシューゲイザー的サウンドです。ブーストの対象となる歪みモデルには大型スタック・アンプの音圧を想定してST-2をチョイスしました。そしてHALLモードに設定したRV-5,300~400msに設定したDD-7を追加し,フィードバック量をやや多めにすることで,”果てしない音の連なり”感を表現。さらに0:16~あたりからランダムにFB-2のペダルを踏み込むことで,ナチュラルなフィードバックを適度に発生させているのもポイントと言えます。

テクノ風シンセ・サウンド

音源を聴く:テクノ風シンセ・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ AW-3
0:16~ DD-7+PS-6+AW-3
0:33~ すべてオン

テクノ風シンセ・サウンド

ここからは再現ものではなく,BOSS 製品の組み合わせによって生まれた独創的なサウンド作りに挑戦してみました。本トラックでは,まるでロボットがしゃべっているようなテクノ風シンセ・サウンドに改造。まず,PS-6 を曲のキーに合わせてAマイナーに設定,さらにタイムを300〜400msあたりに設定したDD-7を追加。後半にはメタル系エフェクトの立役者として名高いMT-2をプラス,あえてミドルを絞り込むことで線が細めのチープなサウンドに設定し,アナログ・シンセ風のファンキーなソロを表現。音源では披露していませんが,裏技としてPS-6をワーミーのように使う機能も足せば,かなり変態的なサウンドが創造できるかも。

SF映画風スペース・サウンド

音源を聴く:SF映画風スペース・サウンド.mp3

SOUND SETTINGS

0:00~ すべてオン

SF映画風スペース・サウンド

伝統的なブルース的アプローチとはかけ離れた,もっと前衛的な音楽表現をギターでしてみたい……そんな時こそBOSS エフェクター組み合わせの妙が生きてきます。ここでは,TR-2で震わせたトーンに,”飛び道具”としての能力にも秀でたPS-6でオクターブ上の音を追加。そうすることで,まるで宇宙から聴こえてくる音のような効果を演出。さらにBF-3による大きなうねりとRV-5のMODULATE モードの微妙な揺らぎを合わせることで,無限の広がりをイメージしたユニークな音空間を創出してみました。

▲「組み合わせサウンド」目次

音源制作を振り返って by 日下義昭

今回は幸運にもBOSS現行モデルのすべてをお借りして音源を制作するという,まさにギタリストにとって夢のようなシチュエーションを体験させていただきました。床いっぱいに並べたカラフルな筐体を眺めていると,それだけでワクワクした気分になりましたね(笑)。
私はそもそも”エフェクター”の存在を知ってギターに興味を持ったんです。”電気ギターって足下で音色を操作できるの!?”みたいな(笑)。そういうこともあり,私にとってのエレキ・ギターの魅力とは,スライドやチョーキングといったギターならではの奏法だけでなく,アンプやエフェクターを組み合わせたりして”サウンドメイク”することにあるんです。
今回の音源制作では最大の魅力である”歪みのバリエーション”,そして”エフェクターならではのユニークなスタイル”というふたつの基準からトラックのアイディアを検討しました。前者についてはブルースからヘヴィメタル,そしてオルタナにいたるまであらゆるロックの”歪み”をカバーできるラインナップの充実ぶりに改めて驚かされました。後者については当初”4台も同時に使ったらグチャグチャになるのでは?”と心配したのですが,それはまったくの杞憂に過ぎませんでした。過剰な使い方をしてノイズの問題が起きればNS-2に登場してもらおうとも考えたのですが,その必要もありませんでしたね。きっとそれぞれのモデルのクオリティが高いからでしょう。
今回,ボスのエフェクターを使ってみて改めて感じたのは,どのモデルも実に”音楽的”,あるいは”ロック的”な音がする,ということです。ただ音を歪ませる,広げるというのは,電気的にはそう難しいことではないのかも知れませんが,これをプレイヤーが陶酔できるようなサウンドにまでチューニングを重ねていくのは相当大変なことなのではないでしょうか? どのモデルからも開発スタッフの方の音楽とギターに対する並々ならぬ情熱がすみずみにまで注がれているのを感じ取ることができました。最新モデルのFB-2にしても”フィードバック”のカッコよさ,心地良さを知り尽くしていないと,これほど実用性の高い製品を生み出すことはできなかったでしょうし,驚異的なロングセラーを続けているモデルが多数存在する理由は,まさにそこにあるのだと思います。

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日下 義昭

くさか・よしあき 69年生まれ。ギタリストとして宇多田ヒカルなどのレコーディングに参加しているほか,映画,テレビ,CMなどに多数の楽曲提供を行なう作曲家としても活躍。現在上演中の舞台「隠蔽捜査」&「果断・隠蔽捜査2」(出演:上川隆也,中村扇雀,板尾創路ほか)にて音楽を担当。また,ギター・マガジンへの執筆を始め,教則本『ギター表現の引き出しが増える本(小社刊)』の著者としても知られている。

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