【ライブ・レポート】J 14th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE Set FIRE Get HIGHER -FIRE HIGHER 2011-

ライブ/イベントレポート by 編集部 2011年6月7日

 LUNA SEAのベーシストとしてデビュー以来、ひたすらシーンのトップを走り続けるJ。今年はLUNA SEA在籍時のソロ活動開始から、Jが大切にしている数字である14周年を迎え、1月のセルフ・カバー・ベスト・アルバム『FOURTEEN-the best of ignitions-』のリリースを始め、さらなる精力的な活動を展開している。
 

2011年5月6日@渋谷AX

Jが主宰する”Shibuya-AX 5days”は、2002年より渋谷AXにジャンルを問わずさまざまなバンドを迎えて対バン形式で行なわれるお祭りイベント。4回目となる今年は”J 14th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE Set FIRE Get HIGHER -FIRE HIGHER 2011-”と題され、5月5日:MASS OF THE FERMENTING DREGS/Northern19 /石鹸屋。5月6日:Nothing’s Carved In Stone/the telephones。5月7日:avengers in sci-fi/Fear, and Loathing in Las Vegas/女王蜂。5月8日:a flood of circle/the HIATUS/Pay money To my Pain。そして5月9日はJのワンマン・ライブというメンツで開催された。

2日目となる5月6日。トップバッターとして登場したのは、本誌でもお馴染み生形真一率いるNothing’s Carved In Stoneだ。トレードマークであるES-355を抱えた生形がヒステリックなリフをハジき出して「Moving In Slow-Motion」でライブはスタート。シーンでも屈指のプレイヤーぞろいということもあり、1発目からとてつもないグルーヴが会場に渦巻く。この日の生形はいつもにも増して気合いが入っているように見え、2コーラス目に入る直前ではステージ前方に出てオーディエンスを煽り、トリル系シーケンスからチョーキング・ラン・フレーズへとつなげるギター・ソロでは激しく上体を揺らしながらギターを掻きむしる。

 ▲生形真一

静と動の切り替えが爆発力を生む「November 15th」を経て、生形がエスクワイアに持ち替えた「Sands of Time」では、エッジの立った音でアルペジオ・リフを決め、再び355を手に「Sunday Morning Escape」で美しい輪唱ディレイのソロを聴かせたあと、6月8日に発売されるニュー・アルバム『echo』にも収録されるという新曲「Spiralbreak」へ。前半はトリッキーなドラムに合わせた指弾きによるキレのあるリフにフィルター系ベースのリフが絡むセクションがストイックにくり返され、サビでは一気に爆発し8分ダウンで激しくコードを鳴らす。彼らの持つダイナミズム、独特のバンド・アンサンブルがいかんなく発揮された楽曲に、新作への期待も膨らむ。

 ライブ後半、生形は「Chaotic Imagination」はロングトーン・ビブラートからワウを絡めた速弾き、ノイズ・プレイで、「Around the Clock」はメロディからトリル系フレーズへと流れるフレーズで、感情の爆発を表現するギター・ソロをプレイ。MCでは「俺たちがガキの頃から第一線で活躍して、今もなお活躍し続けているJさん。本当にすごい」と、Jへのリスペクトも聞かせたが、演奏終了後にうれしそうに満足げな表情で去っていく姿が、彼らの心情をなにより表わしていたのではないだろうか。

 

2番手は、オープニングからありあまるハイテンションさで登場したthe telephones。1曲目はイントロからのコーラスとキーボートとギターのキャッチーなユニゾン・リフが印象的な「I Hate DISCOOOOOOO!!!」で、間奏ではボーカル&ギターの石毛輝がブルージィなシーケンス・リックを奏でる。突き抜けたポップ感のある「Urban Disco」を挟んで、こちらも新曲「White Elephant」を披露。ワイルドなビートと存在感のあるギター・リフが印象的なヘヴィロック・ナンバーだが、彼ららしいテンションの高さで、オーディエンスも違和感なく盛り上がる。

 ▲石毛輝

リズム隊でガッチリと曲が組み上がり、石毛のカッティングも含めて徹底的にフィジカルなビートの「SAITAMA DAMAGE MIRROR BALLERS!!!」、前曲から続けて、時折コードも混ぜながら歌メロと同じフレーズをギターで弾きながらスローテンポで始まり、シンセのリフからアッパーに展開する「electric girl」では、中間部で石毛がステージ中央に設置された台に乗って観客にアピール。極端なテンポチェンジがアクセントになって始まる「HABANERO」ではくり返し”踊れー!!”とシャウトし、岡本伸明(k)がカウベルを叩きまくり、会場が縦に揺れる。堅苦しいことは考えず、とにかく体が反応してしまう肉感的なリズムが心地よい。

ライブ恒例の”we are DISCO!!!”コールで会場の一体感を高め、キャッチー過ぎるコーラスが楽しい「A.B.C.DISCO」でライブを締めたthe telephones。エンディングで石毛は、エフェクターのノブを回して発振寸前のノイズをコントロールするパフォーマンスを見せた。

 

前2バンドが爆発寸前まで高めた会場の空気に着火すべく、満を持して登場したJ。オープニング・ナンバーは、まさにタイトルどおり加速する「OVER DRIVE」。Jバンドのギタリストは、カミテに黒のレス・ポール・カスタムを持った溝口和紀(ヌンチャク)、シモテにゴールドトップの2ハム・レス・ポールを持った藤田高志(DOOM)。ラウドにドライブしていく「No time to lose」では、藤田が絶妙なチョーキングのソロを挟み込み、バンドは重量級戦車のように突進していく。

▲J

溝口がエクスプローラーに持ち替えて始まったのは「Sixteen」。まさにバンド全体がひとつの”カタマリ”になっているかのようで、前2バンドに比べても音圧がハンパない。4曲目に「go crazy」が演奏されると、客席からは男女問わずダイブの嵐が起こる。”ケガさえしなければ、俺のライブは何でもアリだ”というJのMCどおり、オーディエンスが思い思いにライブを楽しんでいるのがわかる。溝口はAメロのザクザクとした刻みを気合いのダウンで押し切り、藤田はメロディアスさも感じさせるソロを披露した。

▲溝口和紀

再びツイン・レス・ポール戻り、ミディアム・テンポでグルーヴする「Vida Rosa」へ。ここで気づいたが、Jのベースの位置も低いが、溝口のギターの位置もかなり低い。ギターを引きずるかのように低い姿勢で演奏している姿がカッコ良い。溝口は中間部でエモいコード・ワークを展開し、藤田はAメロをワウ・カッティングで彩り、ソロではロックの魅力を凝縮したようなワウがらみのソロを奏でる。キャッチーな「RECKLESS」をスピーディに叩きつけたあと、”昨日は興奮して眠れなかった。5日間寝かせられないくらいに興奮させてくれよ!”とJがMCをして「BUT YOU SAID I’M USELESS」。原曲ではあのスラッシュが参加していた楽曲で、どっしりとしたノリたまらなくカッコ良い。間奏前は溝口、藤田の順で単音リフを決め、溝口は王道ロックなソロを、エンディングでは藤田がワウをカマした豊潤なトーンでギター・ソロを見せ場にする。

▲藤田高志

ライブ終盤戦、Jを象徴する楽曲「PYROMANIA」では、中盤の展開部でお約束とも言える客席に灯されるライターの火が美しいが、そこで奏でられる溝口のモジュレーションがかかったアルペジオも美しかった。チョーキングやリズミックな単音を挟み込んだ溝口のソロ、チョーキングのニュアンスを楽しむ藤田のソロもドラマチックだ。続く「So High」では溝口のギター・ソロ時にJが近寄って絡もうとするが、ギター・ソロに入りきっていた溝口は気づかない。これにはJも苦笑しながらセンター位置へ戻っていくのが微笑ましかった。溝口がPRSに持ち替え、ザクッザクッとキレのある刻みを聴かせるうえで、藤田がロング・トーンやアルペジオで空間を演出し、大きなグルーヴが心地よく流れる「NOWHERE」を経て、本篇ラストは”Wake Up! Mother Fucker”のバックドロップがステージ背後に落ちて「Feel Your Blaze」。会場は再びダイブの嵐となり、速弾きも交えた王道ソロを藤田が心地よく決めた。

アンコールに応えてステージに戻ったメンバー。ここまでクールに決めてきた藤田の”ポポポポ〜ン”ネタの爆笑MCで会場の空気も一層和んだあと、シンプルながらたまらなく気分を高揚させるリフから始まる、1stシングルでもあった「BURN OUT」へ。最後の最後まで、圧倒的な音圧で観客をノックアウトし続けたのであった。

 

表面上の音楽性は3者3様であったこの日のライブ。しかし、”理屈抜きで体に訴えかけるグルーヴ/バイブレーション”という要素は、どのバンドにも共通していたものだった。そして、それこそが”ロック”において最も大切なものであり、Jが表現し続け、彼の背中から後輩たちが受け継いでいくものなのだ。

【SET LIST】
●Nothing’s Carved In Stone
1:Moving In Slow-Motion
2:November 15th
3:Sands of Time
4:Sunday Morning Escape
5:Spiralbreak
6:Chaotic Imagination
7:Around the Clock

●the telephones
1:I Hate DISCOOOOOOO!!!
2:Urban Disco
3:White elephant
4:SAITAMA DAMAGE MIRROR BALLERS!!!
5:electric girl
6:HABANERO
7:A.B.C.DISCO

●J
1:OVER DRIVE
2:No time to lose
3:Sixteen
4:go crazy
5:Vida Rosa
6:RECKLESS
7:BUT YOU SAID I’M USELESS
8:PYROMANIA
9:So High
10:NOWHERE
11:Feel Your Blaze
〜ENCORE
12:BURN OUT

J公式サイト◎http://www.j-wumf.com/

the telephones公式サイト◎http://thetelephones.net/

Nothing’s Carved In Stone公式サイト◎http://www.ncis.jp/

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