【ライブ・レポート】Char

ライブ/イベントレポート by 編集部 2010年10月22日

TRADROCKライブの第1弾は濃厚な3時間

2010年9月4日(土)@品川きゅりあん

9月4日、大井町駅前のコンサート会場きゅりあんでCharのライブを観た。題してTRADROCK by Char。今年の初めから熱心に取り組んできたプロジェクトのライブ展開がいよいよ本格的にスタートしたわけだ。品川区民芸術祭の一環として実現したステージではあったが、そういう意味で、実にタイムリーな企画だったと思う。

編成はもちろんトリオ。ドラムはTRADROCKのほぼ全篇に参加しているベテランの古田たかし。ベースはかわいしのぶ。Charも含めて全員が品川区在住というラインナップで、そのあたりからは彼らしい、洒落の効いたこだわりが感じられた。地名や学校の名前を略称で言うなど、MCは地元ネタが多かったことも紹介しておこう。ちなみに、会場を埋めたオーディエンスにCharが挙手で確認すると、品川区民はそれほど多くなかった!

ウォーミング・アップ的なインストが終わると、TRADROCKはベンチャーズ篇からスタートした。ギターを弾き始めた頃のエピソードなどを愉快な語り口で紹介しながら「十番街の殺人」や「ウォーク・ドント・ラン〜ダイアモンド・ヘッド〜パイプライン」などを演奏していく。続いてビートルズ。「アイ・フィール・ファイン」、「ヘルプ」、「涙の乗車券」といった流れで、ここでも小学生の頃、中延のオデオン座でビートルズの映画を観たという地元ネタで会場を盛り上げる。

TRADROCKプロジェクトに関しては、何度か制作現場を目撃する機会があった。Charはそれぞれのアーティストと曲が自らの音楽人生にとってどんな意味を持っているのか、具体的にどんな影響を受けたのかといったことを改めて見つめ直し、50代半ばになった自分がそれをどう解釈するかをさまざまな角度から追求しているようだ。ライブからは、そういった姿勢や想いがより生き生きとした形で伝わってきた。リスペクト、分析、オリジナリティといった言葉が頭に浮かぶ。

ジェフ篇。「帰らぬ愛」のあと、”俺よりうまいヤツいる?”の呼びかけにこたえて客席から舞台に上がった長髪の男は、野村義男! ”品川区民じゃないけど”と断ってからハードテイルのストラトで「黒猫の叫び」にジョインした。そのままクラプトン篇に突入。お馴染み「クロスロード」だった。ペイジ篇は古田のパワフルなドラム・ソロをフィーチャーした「モービー・ディック」と3人のハーモニーも印象的だった「時が来たりて」。そして最後は、この時点ではまだ制作準備段階だったジミ篇。「マニック・ディプレッション」、「エンジェル」、「パーブル・ヘイズ」という流れだった。ラストはオリジナルの「からまわり」でお開きに。

アンコールはアコースティック・ギター弾き語りの「気絶するほど悩ましい」でスタート。途中”竹の子”と紹介されてJesseも登場した。”最近、知り合った”というCharの言葉は妙な言い方だが、ふたりはここのところ、ミュージシャンとしての関係を急速に深めているようだ。最後は再び野村とJesseも加わって「ゴーイング・ダウン」。約3時間。”もう満腹”という印象の一夜だった。

SETLIST

1. Funk’n’ Roll
2. Two Thousand Pound Bee PartⅡ
3. Slaughter on 10th Avenue(十番街の殺人)
4. Walk Don’t Run~ Diamond Head~ Pipeline
5. I Feel Fine
6. Help
7. Ticket To Ride(涙の乗車券)
8. I Can’t Give Back The Love I Feel For You(帰らぬ愛)
9. Black Cat Moan(黒猫の叫び)
10. Crossroads
11. Sunshine of Your Love
12. Badge
13. Moby Dick
14. Your Time Is Gonna Come(時が来たりて)
15. Manic Depression
16. Angel
17. Purple Haze
18.からまわり

ENCORE
19.気絶するほど悩ましい
20. Bamboo Joints
21. Long Distance Call
22. Good Times Bad Times
23. OsampoⅡ
24. So Much In Love
25. Song In My Heart
26. Apple Juice

27. Caravan
28. Going Down

※本記事はギター・マガジン2010年11月号より転載したものです。

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