【ライブ・レポート】高中正義

ライブ/イベントレポート by 編集部 2010年10月26日

懐かしのブルーSGも登場した恒例の秋ライブ。今年は屋根付き!

2010年9月22日(水)@中野サンプラザ

この季節、すっかり恒例となった “永遠のギター少年” そして “夏男”、高中正義の東名阪ツアー。東京の会場は何はともあれ日比谷野音というイメージを覆し、今年は中野サンプラザで行なわれた。屋根付きなので日比谷野音のような開放感が味わえないのは残念だが、これなら雨の心配もしなくてすむ(笑)。それに今年の高中正義は去年にもまして気合い十分のはず。昨年重い腰を上げて発表したオール新曲のアルバム『夏道』が好評を博し、10 月に日比谷野音で行なったコンサートのDVD『夏道 SUPER LIVE 2009』も順調にリリース。そして今年も夏に遅れることなくニュー・アルバム『軽井沢白昼夢』を届けてくれたばかりだからだ。

さて、舞台に目を向ければニュー・アルバムのコンセプトどおり、この10年、高中が在住する軽井沢の自然をイメージさせるセットがとても楽しい気持ちにさせてくれる。今年は “海” ではなく “森” の雰囲気だ。コンサートは大きく分けると3つの流れで構成され、まず “新譜コーナー” からスタート。新曲なので往年の曲ほど馴染みはないものの、どの曲も高中印のメロディが全開でとても気持ちいい。いずれこの中からもファンにとってのスタンダード曲が生まれるのだろう。そして今回のコンサートで特に目を引いたのはサイド・ギタリスト、稲葉ナルヒの存在。彼は高中のCD、DVD のエンジニア,HPの管理人を務める人物であるが、究極のファンであるだけに高中のバッキング・ギターを知り尽くしており、そのツボを得たしなやかなプレイは驚異的であった。CD ではメロディのバックで聴くことのできる高中のバッキングやリードのハーモニーなどのパートを見事に再現していた。

中盤はその彼による “稲葉選曲コーナー”。これがまたマニアな曲で構成されていて、ことのほか新鮮。終盤は “盛り上げコーナー” としてライブでははずせない定番曲が炸裂。そしてアンコールの最後を6弦ウクレレ・ギター1本でしっとりと締め、盛り上がった観客の心を優しくクール・ダウンしてくれるあたり、さすが大人のコンサートであると感激。

さて、ギター・ファン注目の今回高中が使用したギターは新譜のレコーディングでメインとなったポール・リード・スミス、鮮やかなカラーのモズライト、CD ジャケットにも登場した同じカラーのストラトキャスター、昔懐かしいカニSG、そしてブルーSG など。登場するギターを観ているだけでも楽しくなってしまう。また、達者な足元のエフェクターさばき、手元の絶妙なピッキングのニュアンス、頻繁に行なうピックアップの切り換えによる音色の変化など、エレクトリック・ギターの魅力を100%楽しませてくれたコンサートであった。さらに時折披露するスライド・ギターも高中ギターの大きな魅力だ。

最後に屋内会場だけに場所によって聴こえ方に差があったと聞くが,僕の座った席は音量,各楽器のバランスとも申し分のないサウンドであったことを付け加えておく。さあ,年末あたりに発売されるであろうこのコンサートを収録したDVD,そして来たる40 周年へとファンの夢は膨らむばかりだ。

SETLIST

1. キツツキ
2. 風がいいよね
3. 月と金星
4. TONO 〜イムジン河〜タイムマシンにおねがい〜
家をつくるなら〜黒船〜あの素晴らしい愛をもう一度
5. ミステリーの小径
6. New York Strut
7. FEEDBACK’S FEEL
8. SOLDIERFISH
9. Funk ‘n’ Roll Train
10. Positive Touch
11. HEARTACHE BLUE
12. 一番好きな海の色
13. LAGOON DAYDREAM
14. BLUES BIRD
15. WILD MOW-MOW
16. READY TO FLY (SUPER TAKANAKA LIVE のイントロで)
ENCORE
17. BLUE LAGOON (1981 横浜スタジアムバージョン)
18. 卒業〜一番好きな海の色

※本記事はギター・マガジン2010年11月号より転載したものです。

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