【ライブ・レポート】JACK IN THE BOX 2010 SUMMER(第二部)

ライブ/イベントレポート by 編集部 2010年9月22日

 8月21日に千葉・幕張メッセ展示場4-6にてMAVERICK DC GROUP主催のフェスティバル、JACK IN THE BOX 2010 SUMMERが開催された。同グループ所属バンドのほか、ジャンルを超えた幅広いラインナップをそろえた夏の祭典の模様をレポートしよう。

凛として時雨

第一部が終了し、しばしのインターバルが置かれる。事前に発表されたタイム・スケジュールでは、このあとがシークレット・アクトとなっており、誰が登場するのか期待が高まっていた。場内が暗転し突如スクリーンに”凛として時雨”の文字が映し出されると、大きな歓声が上がる。轟音ノイズの中メンバーが登場し、「想像のSecurity」を演奏開始。一気に会場の空気を塗り替える。続いて、ファズ・ベースからギターのディレイ・トリックのイントロへと流れる「DISCO FLIGHT」ではTK(vo、g)の猛狂う轟音ソロが叩きつけられ、TKの絶叫が会場に響き渡る。曲終わりではTKが”はじめまして。凛として時雨です”と、それまでの狂騒が他人事かのようにポツリとつぶやくように挨拶した。中盤のクリーン・トーンが美しさを描き、ハイトーン・ツイン・ボーカルが炸裂する「Telecastic fake show」、16部連打のキメや2ビートが怒濤のようにリスナーを襲う「nakano kill you」と、轟音に継ぐ轟音を轟かせてステージを去った3人は、プログレッシブなリズム、複雑な曲展開、ハイエナジーなパフォーマンスで、観客を圧倒。独特な空気感を残した。

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▲TK

 

DEAD END

凛として時雨が残した空気感を、さらに個性的な空気感で飲み込んだのは、昨年のこの会場で華麗に復活を遂げたDEAD END。SE「疑似ヴィーナス」でメンバーが登場し、ヘビ柄のVギターを手にしたYOU(g)が「摩天楼ゲーム」のリフを奏でると、そこはもうDEAD ENDの世界。赤いストラト・タイプに持ち替えた「Dress Burning」では、微妙にハーモニクスを滲ませた単音リフからサビへと流れる曲始まりが何ともカッコ良い。ギター・ソロではステージセンターに設けられた花道へと飛び出して、片膝をついてギター・ヒーロー然としたプレイを披露するYOU。往年の名曲「Embryo Burning」では、そのアグレッシブなリズム展開、各楽器の絡みにあらためて感嘆する。ライブ中のMCもなく、MORRIE(vo)がデスボイスで歌った「Guillotine」、怒濤の2ビートで攻める「Devil Sleep」を貫禄たっぷりに披露したあと、去り際に”サンキュー”とひと言だけ残してクールに去っていった雰囲気も、DEAD ENDらしかった。

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▲YOU

 

44MAGNUM

続いて登場した44マグナムは、ESP製Vギターを持ったJIMMY(g)のフル・ピッキング・ソロが熱を高める「SOULS」でスタート。”ものごっついのいくぞー!”とPAUL(vo)がシャウトして始まった「NO STANDING STILL」では、イントロで特効が爆発。ジャパニーズ・ヘヴィメタル史に燦然と輝くイントロのギター・リフの突進力はものすごい。また、マシンガン・ピッキングのソロを弾き終わり、次のコードを鳴らしたあとに腕を前に投げ出すようなJIMMYのアクションが妖艶に、そして本当にカッコ良く、ギター・ヒーローかくあるべしと思わせる。その後も「CALL MY NAME」では近年のお気に入りアプローチと思われる連続スウィープで、ゴールドトップ・レス・ポールに持ち替えた「SHOW TIME」ではセンターの花道に出て華麗にソロをキメていく。ラストの大定番曲「STREET ROCK’N ROLLER」では18歳の新鋭ベーシストRAYのドライブ感あふれるベース・ソロに続けて、最初からトップギアに入ったテンションの高いギター・ソロを弾きまくり、44マグナムは大喝采のうちにステージをあとにしたのだった。

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▲JIMMY

 

LOUDNESS

「君が代」をSEにラウドネスのメンバーが登場すると、異様な雰囲気が会場を包む。冒頭、高崎晃(g)が大音量でいきなりソロを弾きまくり「CRAZY NIGHT」へと突入。アーミングを引っかけて入るソロでは、非常にクリアな速弾きが”別格”を思わせる。ピッキング・ハーモニックス入りの単音リフがカッコ良い「CRAZY DOCTOR」では、往年のギター・ソロを、前曲から間髪入れず演奏した「In The Mirror」では、さすがの華麗なタッピング・ソロを余裕で見せつけた。二井原実(vo)のマイク・パフォーマンスのあとに流れた荘厳でダークなSEを、鈴木政行(d)の2バスが突き破り、最新アルバムのオープニング曲でもある「REQUIEM〜THE KING OF PAIN」がすごい圧力で進行する。それまでの往年の名曲群に勝るとも劣らない、新たな代表曲の趣を感じさせた演奏だった。ラストはハイ・スピード・チューン「S.D.I」。Bメロではオーバーネックのボスハンド・タッピングでバッキングをプレイする高崎は、高速ソロもボスハンドでシメる。まさに”世界レベル”のメタルをド直球で叩きつけたステージだった。

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▲高崎晃

 

河村隆一

メタル3連発の熱さが残る会場に沖縄的なニュアンスもあるSEをたっぷり聴かせたあと、クールに現われた河村隆一は、翳りのあるミディアム曲「REAL」でライブをスタートさせた。サポート・ギタリストはアダチ ユウジとフクダ シンイチロウ。アダチはDEAD ENDでのプレイとは一線を画す、完全に歌を引き立てるアプローチ。ソロもオクターブ奏法で控えめに奏でた。ピアノのフレーズが鳴った瞬間に大歓声が上がったのは、名曲「Glass」。ピアノをバックに切々と歌い上げる河村の表現力には、すさまじいものがあった。アダチは2コーラス後にボリューム奏法とアームを駆使した感想を奏で、さらに叙情的なギター・ソロをたっぷりと聴かせる。「Glass」の余韻の中、河村が”たぶん、今日一番小さな音から「Love is...」を贈ります”と囁くと、マイクを使わずに河村がアカペラで歌い出す。広い会場の後方までしっかりと届く歌声。このパフォーマンスには、さらに会場が河村隆一の世界へと引き込まれていくようだった。その美しい空気の中ラストに演奏されたのは、フクダが優しくコードを奏で、アダチが柔らかなメロディを奏でて始まった、壮大なミディアム・バラード「Stop the time forever」。全体的にじっくりと”歌”を聴かせるセットリストでもあり、あらためて河村の圧倒的な歌のうまさを感じさせられた時間だった。

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シド

第二部のラストを飾ったのは、12月11日に東京ドーム公演も決定しているシド。SEもなく、明るいステージにラフにメンバーが現われ、オルガンのイントロが鳴ると会場に驚きの声が上がる。インディーズ時代の1stアルバム『憐哀-レンアイ-』収録曲「空の便箋、空への手紙」だ。Shinji(g)は、間奏ではガット・ギターを使った哀愁のソロを奏で、エンディングではチョーキングのニュアンスが切ない泣きのソロをエレキ・ギターで響かせる。続く、ラテン・テイストのある「お別れの唄」では、いなたいカッティングやガット・ギターのスパニッシュなギター・ソロも披露した。”1度、盛り上がりそうなセットリストを決めたんだけど、なんかぶっ壊したくなっちゃって……なので今日は『憐哀-レンアイ-』の曲しかやりません”とのマオ(vo)のMCに大歓声が上がったあと、アコギ始まりで「青」が奏でられると、さらに歓声が大きくなる。フランジャーをかけたイントロから怪しいアルペジオや効果音的なノイズを挟んだAメロを経て、ハードなサビへと展開する「必要悪」では、ShinjiがVタイプのギターにチェンジ。ステージに炎が揺らめく演出も効いている。再びShinjiがガット・ギターでイントロを奏でた、昭和歌謡な「土曜日の女」でしっとりとステージを終えたシド。通常のライブではなかなか聴けない楽曲を並べた、フェスならではの遊び心のあるセットリストには、ファンも大満足のようだった。

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▲Shinji

 

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