【ライブ・レポート】LEGEND OF MASTERPIECE Vol.VII

ライブ/イベントレポート by 編集部 2010年4月7日

稲葉政裕がL.O.M.BANDとともにホスト役を務め,毎回ゲスト・ギタリストを招いて開催しているライブ・イベントの7回目が行なわれたので,その模様をレポートしよう! (撮影:中元裕章)

2010年3月13日(土)横浜BLITZ

—-今回で7回目の開催となる”LEGEND OF MASTERPIECE”は、小田和正のバックも務めるFAR EAST CLUB BANDを母体とするLegend Of Masterpiece Band以下L.O.M.BAND/稲葉政裕:g、山内薫:b、木村万作:d、栗尾直樹:k)がホストを務め、マスターピースと呼ばれるにふさわしい洋楽の名曲をゲスト・ミュージシャンとともに演奏するライブ・イベントだ。

—-開演の18時。BGMが流れる中L.O.M.BANDのメンバーと5人のゲストが登場した。舞台上手から近田潔人、大渡亮(Do As Infinity)、儀間崇(MONGOL 800)、稲葉を挟んでEITAと5人のギタリストが横一列で並ぶ。オープニング・ナンバーはオールマン・ブラザーズ・バンドの「ユー・ドント・ラヴ・ミー」で、挨拶代わりに各自がソロをひと回し。このシーンだけでも、今日のイベントは濃厚なギター大会になりそうな気配がプンプンと匂ってくる(笑)。

guitarists.jpgのサムネール画像

 

—-続いては各ゲストがそれぞれの趣向で選曲したソロ・コーナー。司会進行はもちろん稲葉で、客席とステージの距離感を縮めていく軽妙な語り口が絶品だ。

—-トップバッターは倖田來未、My Little Loverなどのレコーディングやツアーに参加している近田。エルヴィス・コステロの「チェルシー」ではジャズマスターを手に渋い歌声と英国臭漂うギター・プレイを披露。さらに”ギター・リフ・トップ10″と題し、王道フレーズを9曲目までメドレーにしたのだが、これが実に楽しかった。足下のエフェクターを駆使して1本のギターで音色まで忠実に再現してくれたこだわりに拍手! 堂々1位に輝いたジミヘンの「ヴードゥ−・チャイルド」では白のストラトに持ち替え、ステージ前に出てひざまずき、アームを駆使したソロを熱演し、会場の喝采を浴びた。

—-2番目に登場したのはESPの HORIZONを抱えた紅一点のEITA。トークではやや緊張した様子だったが、演奏になると「イントゥ・ジ・アリーナ」でいきなりワイド・ストレッチを かまし、会場からどよめきを誘うなど堂々とした弾きっぷり。稲葉もシーケンス・フレーズで脇をガシッと固める。映画『トップ・ガン』のテーマでは、アーミ ングを駆使して流れるようにメロディを歌わせ、3曲目は、サビ以外をインストにしてディープ・パープルの看板曲「紫の炎」を披露。もちろん本誌の奏法特集 で講師を務めたタッピングを織りまぜた妙技で会場を沸かせてくれた。

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◎近田潔人(左),EITA(右)

—–続いてサックス・プレイヤーで本イベントの準レギュラー、園山光博によるエルヴィス・プレスリー・ショー! メドレー内の「ハウンド・ドッグ」には儀間、大渡が参加して大盛り上がりのロックンロール大会となった。さらにL.O.M.BANDによるヴァニラ・ファッジの「キープ・ミー・ハンギング・オン」では近田が参戦して稲葉とハモリのソロをキメる。こうしてゲストがどんどんと絡んでくるのも本イベントの魅力だと実感した。

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◎園山光博

—-3人目のギタリストは儀間。MONGOL 800以外でのソロ活動はほぼ初めてらしく、貴重な機会だと言えよう。まずは稲葉とふたりでアコギを抱えてビートルズの名曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」を弾き語る。バンドではボーカルがいるわけで、これまたレアなシーンだ。2曲目はテレキャスターに持ち替え、ジョン・デンバーの「カントリー・ロード」をモンパチ・テイストで! フィンガーピッキングでの鼻づまりな音色が実に味わい深い。さらにスペシャルズの「モンキー・マン」は切れのあるスカ・カッティングと男気あふれるソロで会場を揺らしてみせた。

—-ゲスト・ギタリストのトリを務めたのは黒いレス・ポール・カスタムを手に現われた大渡だ。最初の演目はKISSメドレー。ファイアーバードに持ち替えた稲葉を太刀持ちに、骨太なボーカルとギター・リフが鳴り響き、会場は一気にロックンロールに満ち溢れる。「ブラック・ダイアモンド」や「デトロイト・ロック・シティ」では稲葉と向き合ってソロをハモり、「ラヴ・ガン」での駆け上がりフレーズはギター・キッズの視線も釘付けだ。ラストの「ロックンロール・オール・ナイト」ではEITAが加わって華を添えた。激しいメドレーから一転して届けられた「ノー・ウーマン・ノー・クライ」ではフロント・ピックアップとワウの甘いトーンでじっくり聴かせる。イベントならではのピースフルな空間に持ち込むあたりはさすが。

gima.jpgowatari.jpg◎儀間崇(左),大渡亮(右)

—-本篇の最後はL.O.M.BANDに園山が加わっての「ヒート・イズ・オン」。サックスが引っ張り、栗尾のキーボードと木村のフロア・タムがアタックを加える。カラフルなベースでボトムを刻む山内、稲葉は80sテイストの乾いたサウンドでリフを奏で、時折りハーモニックスで色気を加えてくれる。客席は立ち上がって踊る人あり、笑顔で手拍子を打つ者あり、思い思いの楽しみ方で演奏にこたえた。

inaba.jpgyamauchi.jpg◎稲葉政裕(g),山内薫(b)
kimura.jpgkurio.jpg◎木村万作(d),栗尾直樹(k)

 

—-アンコールでは再び5人のギタリストが並び、コールされて大喜利よろしくギターでこたえたが、中でも儀間が稲葉の持ちネタ(?)である「ラブストーリーは突然に」(小田和正)のカッティングで笑いを誘ったのが印象的だった。そしてフェイセズの「ステイ・ウィズ・ミー」をプレイ。オープニング同様にソロ回しがあるのだがミュージシャン同士がリラックスしていたため、オープニングよりも和やかで楽しいものになった。顔で弾くようなチョーキングの近田、ダブル・チョーキングでロックにキメた大渡、カントリーっぽいリックの儀間、タッピングで応戦するEITA、そして円熟のブルース・ソロの稲葉。誰もがギターを楽しみ、音楽を楽しんでいる。大騒ぎ(?)でエンディングを迎えてゲストがステージをあとにすれば、 L.O.M.BANDがしっとりとドラマティックに締めるだけだ。ジミー・クリフの「メニー・リヴァース・トゥ・クロス」が最後に選ばれ、稲葉の伸びやかなフレーズが会場を優しく覆い尽くした。

—-これまでにも和田唱、安達久美ら、数多くのギタリストを迎えて開催されてきたこのイベントだが、お題をマスターピースに絞っていることもあり、初めて観た人みんなが楽しめるところが最大の魅力だろう。プレイヤー個々のリスペクトぶりやルーツも知ることができるし、何よりギターがたっぷり聴けるこのイベント、次回は10月23日に開催予定とのことなので、ぜひ一度足を運んでみてほしい。

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SET LIST(曲名は原題、アーティスト名は英語表記)

全員
01.You Don’t Love Me/All Man Brothers Band

近田潔人
02.Chelsea/Elvis Costello & The Attractions
03.The Top 10 Guitar Riffs Of All Time
Satisfaction(The Rolling Stones)
Smells Like Teen Spirit(NIRVANA)
Day Tripper(The Beatles)
Enter Sandman(METALLICA)
Back In Black(AC/DC)
Layla(Derek & The Dominos)
Smoke On The Water(Deep Purple)
Whole Lotta Love(Led Zeppelin)
Sweet Child O’ Mine(Guns & Roses)
04.Voodoo Child(Slight Rettern)(Jimi Hendrix)

EITA
05.Into The Arena(Michael Schenker Group)
06.Top Gun Anthem(Steve Stevens)
07.Burn(Deep Purple)

園山光博
08.Elvis Presley Medley

L.O.M.BAND
09.You keep me hanging on(Vanilla Fudge)

儀間崇
10.Here Comes The Sun(The Beatles)
11.Take Me Home, Country Road(John Denver)
12.Monkey Man(The Specials)

大渡亮
13.KISS Medley
I Was Made For Loving You
Black Diamond
Shock Me
Love Gun
Detroit Rock City
Rock & Roll All Night
14.Mo Woman No Cry(Bob Marley & The Wailers)

L.O.M.BAND
15.The Heat Is On(Glenn Frey)

ENCORE
全員
01.Stay With Me(The Faces)

L.O.M.BAND
02.Many Rivers To Cross(Jimmy Cliff)

稲葉政裕公式ホームページ

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