ライブレポート/ジョー・ボナマッサ

ライブ/イベントレポート by 編集部 2009年9月25日

期待のニュー・ブルース・ギター・ヒーローが来日。スケールの大きさと気品を感じさせるステージ

9月17日(木)@ 代官山UNIT

ニューヨーク発ブルース・ギターのニュー・ヒーロー、ジョー・ボナマッサ。欧米ではトップ・ギタリストの評価を得ているにもかかわらず、ここ日本ではほぼ無名だったが、ようやく日本編集のベスト盤も発売され、にわかに注目が集まってきた。ギター・マガジン9月号に掲載した彼のインタビューと膨大なギター・コレクションの写真に度肝を抜かれた読者も多いだろう。一体ボナマッサとは何者なのか? ついに来日を果たした若きギター・ヒーローのステージを観に行ってきた。

 

今回の公演は、福岡、大阪、東京の3ヵ所のみ。東京は、代官山UNITというキャパ500人程度のライブハウスで行なわれた。主催者側も心配したという客の入り具合は、ふたを開けてみれば、立錐の余地もないほどの埋まりよう。張り切ってオープニングに臨んだKUNIO KISHIDAのステージが終わる頃には、人いきれで苦しくなるほどであった。59年レス・ポールなど、伝家の宝刀を抜いて聴かせたKISHIDAのスライド・ギターは抜群の切れ味だった。そして、いよいよボナマッサの出番。

ミュージックマンのギターをぶらさげてさっそうと登場したボナマッサは、すらりとした長身で、間近で観るとその若さが際だつ。ちょっと大学生のような風貌だ。生きがいい。とっさにそう感じた。ゆったりとした動作でスライド・プレイをこなし、客席を探るように見る。どうやら少し音の調子が悪いようだ。1曲目が終わるとギターを素早くギブソンのボナマッサ・モデルにチェンジ、アップテンポのブルース・チューンで客席をぐいぐい引き込んでいく。音にヘヴィさが加わって、迫力が生まれた。快調なボーカルそして正統派のブルース・ギター。素敵じゃないか。バンドはギター&ボーカル(ボナマッサ)、ドラム、ベース、キーボードの4人編成。このバンドがまたよかった。近年行動をともにしているメンバーだということで、その実力のほどが伝わってきた。

3曲目で再びスロー・ブルースに戻り、これでもかとばかりにソロを弾き倒す。エリック・ジョンソンからの影響を感じさせるたっぷりとディレイを効かせた美しいフレーズを聴かせた。この頃になると、本来の調子を取り戻したようで、演奏に熱がこもる。会場も徐々にヒートアップし、一体感が生まれてきた。4曲目は、クラプトンのカバーでもお馴染みの「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」で、この日の来場者の相当数を占めると思われるクラプトン・ファンを満足させた。ここからは、まさに”ブルース・ギターの洪水”で、どの曲でも必ずソロ・タイムを設け、延々とギター・ソロを聴かせる。長すぎるきらいはあったが、不思議と飽きない。ちゃんと聴かせどころを心得ているのだ。クラプトンを始めとするブリティッシュ・ブルース・ロックをルーツに持つボナマッサだけあって、そのサウンドは小気味いいほどイギリス的。生来の育ちの良さのようなもののせいか、気品が感じられる。どちらかというと、ブルース特有の渋味よりも美のほうを追求するタイプではないか。

後半、アコギで超絶テクニックも披露してうまさを見せつけた。本編が終了する頃には、みな陶然としたまなざしでステージを見つめていた。そして興奮に満ちたアンコール。満足そうに出てきたボナマッサは静かにアコギを弾き語り、そしてラスト・ソングを歌った。スケールの大きいブルースだった。最後にメンバーと手をつなぎ合って顔をくしゃくしゃにしながらお辞儀をする若きブルースの達人。その凛としたたたずまいに、大きな器を感じたのは僕だけではないだろう。

ギター・マガジン11月号(10/13発売)では、ボナマッサの機材とインタビュー,さらに本人直伝セミナーを掲載する。ご期待いただきたい。

SET LIST
1.Ballad Of John Henry(※)
2.Last Kiss(※)
3.So Many Roads
4.Further On Up The Road
5.Sloe Gin(※)
6.Lonesome Road Blues
7.Had To Cry Today(※)
8.Your Funeral My Trial
9.Great Flood
10.Woke Up Dreaming(※)
11.Just Got Paid

Encore
12.Ball Peen Hammer(※)
13.Mountain Time
※は『ザ・ベスト・オブ・ジョー・ボナマッサ』に収録

『ザ・ベスト・オブ・ジョー・ボナマッサ』
teabridge international NFCT-27205
ギター・マガジン監修によるジョー・ボナマッサのベスト・アルバムが発売中。選曲にはギター・マガジン編集部が全面的に関与し、本人と協議の上、セレクトした。ボナマッサのギタリストとしての魅力がたっぷりと伝わる強力盤だ。

[ジョー・ボナマッサ日本語公式ページ]
[ギター・マガジン9月号にインタビュー掲載]

 

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