【ライブレポート】the studs

ライブ/イベントレポート by 編集部 2009年9月8日

激しいテンションで駆け抜けた、活動休止前最後のライブ

8月7日 (金)  恵比寿LIQUIDROOM

5月20日に2ndアルバム『alansmithee』を発表したthe studs。よりバンド感の増したクールでソリッドなロックンロールが詰まった快作を作り上げ、”これから”というはずだった彼らは、突然の活動休止を発表。8月7日の恵比寿リキッドルームでのワンマン・ライブが、活動休止前最後のライブとなった。

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ギターのaie、ベースのyukino、そして、サポート・ドラマーのササブチヒロシが向かい合い、『alansmithee』のオープニング曲でもある、ソリッドなリフのインスト・チューン「after this introduction」からライブはスタート。ジワジワと会場の熱気が上がっていく。

続いて「ナタリー」で大佑(vo)が登場すると、さらにヒートアップ。ジャガー・タイプのギターを抱えたaieも、エンディングで激しくハイ・ポジションを掻きむしる。大佑がアオり、aieもステージ前に足をかけて乗り出した「スパイダーネスト」がクールな表情で疾走し、前曲からたたみかけたものすごい突進力で突き進む「disclosure」では、aieがチョーキングとカッティングを交えたロックなソロを披露した。

テレキャスターに持ち替えた「unsightly stupid」では、楽器隊が再び向き合ってスタート。ギターのエッジが際立ち、ベースの太さが存在を主張してくる。イントロやAメロでの、和音と単音を絡めたジャジィなフレイバーで、指板上を叩いて音を出したりというトリッキーな部分もあるリフ・プレイが印象的な「置手紙」、シャープなカッティングの「嘆く赤色」、キレのあるストロークとブレイクのキメがバッチリ合った「false the skin」と続くセットリストでは、激しいだけじゃない、彼らのメランコリーな部分が抽出されていたように思う。

ハネたアルペジオが前奏についた「帳」は、ベースとギターの絡み合ったリズミカルなリフがカッコイイ曲。Bメロでの心地よいハイにキレがあったカッティングや、ラストのサビ前でのニュアンス一発で聴かせるブルージィなチョーキングのオブリも聴きどころだった。やや歪んだ音色でのアルペジオから始まる「grieve」ではハーモニクスを入れたオブリがアクセントとなり、エンディングはバイオリン奏法ではかなさを演出。aieのプレイの幅広さを感じさせた。

怪しいミディアム・スロー曲「断末」は、ミュートとノンミュートのメリハリをつけたバッキングのアクセントや、うねるベース・ラインに対するステディに刻むギターという、ギターのリズム面でのおもしろさが出ていた場面だと思う。続く「あの音」はエンディングのギター・ソロが、コードを中心にしつつもかなりエモーショナルな表情を見せ、曲が終わったあとに、声を出すのがためらわれるほどの吸引力だった。

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四つ打ちビートにメリハリのあるソリッドなギターが絡む「贖罪の羊」を経て「月に溶け始めた終幕」。この曲ではいわゆる”ギター・ソロらしいソロ”が聴けたが、右手の振りが、激しいカッティングをしている時と変わらないプレイ・スタイルが印象的だった。それだけミュート技術がしっかりとしているということだろう。ライブも後半戦にさしかかり、大佑がアオりながら歌った「闇のち雨」、「クリーピークローリー」と、再び疾走感のある曲で盛り上げていく。

“かみついてこい!”と大佑が叫んだ「警鐘」は遊び心のある単音プレイのAメロがおもしろく、スネアの連打とユニゾンする激しいカッティングからカッティング・ソロへの流れも見事。メタル・ナンバー「dread」、イントロで会場にヘドバンの嵐が巻き起こった「advance insane」と、怒濤のごとく攻める中にも、aieはメロウなオブリや表情のあるコード・ワークを見せる。

そして、本篇ラストはギターのカッティングとベースのスラップが抜群のコンビネーションを聴かせる部分とハードコアな部分がミックスされた「thursday」。キレのあるカッティングをしている途中、そのピッキングの激しさからか、aieのピックが飛んでいってしまうアクシデントが発生。これにはaieも驚いたような表情を見せ、苦笑いだった。エンディングは怒濤のヘドバンを巻き起こし、大佑が客席にダイブ。”愛してるぜ!”と叫び、ステージから去った。

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アンコール1ではaieが再びジャガー・タイプを手にする。メロウなコード・リフの「漂流の花」ではボリューム奏法を駆使したバッキングも聴かせ、大佑が”みんなで歌おう”と呼びかけた「tonight is the night」ではワウと高速ストロークを組み合わせたソロを披露した。

鳴りやまない声に”このあとの予定はあるのかい? あったとしても、キャンセルだ”とこたえたアンコール2は、一転して「瀟洒傀儡」、「吐血」というハードコア・ナンバーをたたみかける。aieは演奏終了後に客席にギターを投げ入れた。

まだまだ観客の声は衰えない。アンコール3は、ベースとギターが美しくアルペジオで絡み合うイントロが印象的なミディアム・ナンバー「rain drop」。ファズのような音色でのエンディング・ソロが切なさを感じさせる。続いて、「虹の色」のベース・ラインが弾き出されイントロが始まると、曲名どおりの七色の照明が美しく会場を彩った。疾走しつつもじわっとこみあげてくる楽曲と”なるべく早くな”という言葉を大佑が残し、the studsは活動休止へと入った。

……はずだったが、メンバーが再登場。yukinoが”もう1曲やらせて”と、再び「thursday」。この「thursday」は、完全にシャウトのみで押し切る大佑、タッピングなど自由なプレイを交えて遊びまくるaieなど、メンバーも観客もテンションが凄まじかった。

ギターを床に置いて去るaie。生声で”サイコーだぁー!”と叫んだ大佑。これで本当にthe studsは活動休止へと突入した。

 

後日、yukinoの脱退が発表されたthe studs。その帰還を、”なるべく早くな”という大佑の言葉を信じて待ちたいと思う。

 

【SET LIST】

01.after this introduction
02.ナタリー
03.スパイダーネスト
04.disclosure
05.unsightly stupid
06.置手紙
07.嘆く赤色
08.false the skin
09.帳
10.grieve
11.断末
12.あの音
13.贖罪の羊
14.月に溶け始めた終幕
15.闇のち雨
16.クリーピークローリー
17.警鐘
18.dread
19.advance insane
20.thursday

〜ENCORE1〜
21.漂流の花
22.tonight is the night

〜ENCORE2〜
23.瀟洒傀儡
24.吐血

〜ENCORE3〜
25.rain drop
26.虹の色

〜ENCORE4〜
27.thursday

文:中村健吾(ギター・マガジン編集部)

撮影:平沼久奈

 

the studs公式サイト

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