大先輩を従えて、自然体でロックを楽しむKenの1stソロ・ライブ!

ライブ/イベントレポート by 編集部 2009年8月10日

【ライブレポート/Ken】 1stアルバム『IN PHYSICAL』を引っさげてのツアー最終日。サポートにKen自身が敬愛する大先輩、白田一秀(ex.PRESENCE、GRANDSLAM)と中間英明(ex.HARRY SCUARY、ANTHEM)と80sメタルを代表する華々しいふたりのギタリストを迎え、演奏面においてもアルバムのクオリティを損なわない、いやそれ以上の圧倒的なステージを見せつけてくれた。豪華なアクトとともにKenのメタル・オタク(?)っぷりが存分に露呈した”LIVE IN PHYSICAL”ファイナルの様子をお届けしよう。

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2009年7月15日(水) 新木場スタジオコースト

SE「Repose in Sound Sleep」が響いた瞬間、幻想的で荘厳なピアノのしらべの中、メンバーがスタンバイ。1曲目「Spin Along」へ。SEの穏やかさとは真逆の、攻撃的なドラムとギター・リフで会場をサディスティックなKenワールドへと引きずり込み、たたみかけるように「”S”」を打ち込む。その名のとおり歪んだ音が体中を攻撃し、会場を一気に虜にしたところで12弦ギターの響きが印象的な「Deeper」。抑え気味のメロディから抜ける開放感のあるサビ裏では、ギタリストふたりが印象的な超絶フレーズをハモり、序盤からメンバーの実力の高さを見せつけ会場を圧倒する。

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強烈なアクトとは裏腹のリラックスしたMCを挟むと、次のブロックではムックの「浮游」、ロッド・スチュワートの「イン・ア・ブロークン・ドリーム」、『IN PHYSICAL』収録の「Relax Over」としっとりしたナンバーが続き、呪術的な浮遊感で会場を深淵へと導いていく。しかし、油断したのも束の間、鋭いピアノの音色とともに会場が一瞬にして緑色のレーザーに包まれた「In Physical」で一気に表情はロック・バンドのライブへと豹変する。次いでドラマティックなギター・リフを軸にした縦乗りの泥臭いビート・ナンバー「ETERNAL REST」にフロア全体がジャンプ! コールドプレイの「美しき生命」では、オーディエンスが一斉に手を叩き始め会場が一体となった。

 

後半へ向けてはKen及びサポート・メンバーに縁のあるバンドのカバー曲を連投。口火を切ったのはL’Arc〜en〜Cielの「Lover Boy」。本家では聴けないツイン・ギターにより、重厚なアレンジが施されていたようだ。疾走感あふれるリズム隊に煽られるように、拡声器を片手に持ったKenのボーカルに女性コーラスTomoのハイ・トーンが絡みつく。

転がり込むようにDIE IN CRIESの「NERVOUS」、44MAGNUMの「STREET ROCK’N ROLLER」へと続く。マグナムのギタリスト、JIMMYを彷彿させるフライングVに持ち替えた中間の姿にファンはニヤリとしたことだろう。太腿にVを挟んでアクロバティックな速弾きソロを炸裂させる中間、うしろではJOEがパワフルなドラムを爆発させる。さらにステージ前方にKen、中間、白田、ベースのTAKASHIの4人が一列に並ぶ様はまさに80sメタルの黄金律!といったところ。


▲白田一秀(左)と中間英明

それにしてもふたりのギタリストはすごかった! 序盤からマーシャルの壁を背に年季の入ったストラトを引っ提げ”これぞメタル!”というド派手なプレイを見せる中間。対して白田はフェルナンデス製リバースヘッドのストラト・タイプを抱え、ソロではがっつりタッピングをかまして観客を煽る。

もちろん、それ以上にテンションが高いのはステージ上のKen。マイク片手にステージを駆け回るKenの生き生きとした表情、時折り白田や中間にちょっかいを出しては楽しそうにしている姿からは、敬愛する大先輩を従えて自分が歌っている、そんな楽しさが表情ににじみ出ていた。

次第にKenを中心にメンバーの視線がステージ中央へ集まり、演奏ががっちり噛み合っているのが見た目にもよく伝わってくる。「Gimme Your Name」のサビではコール&レスポンスが鳴り響き、本篇最後のブロックはバラードでしっとりとキメる。ジョン・サイクスのカバー「プリーズ・ドント・リーヴ・ミー」は中間と白田によるハモリのフレーズが心に響く名曲だ。

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ここで最初で最後のKenによるギター・ソロ。赤ラメのストラトを手に情感たっぷりの哀愁あるフレーズを弾き上げ、ほんの少しではあるがギタリストKenとしての姿を見せつけてくれたのはうれしい限り。最後は闇に沈んだフロアにミラーボールが回りだし、幻想的な雰囲気の中、「Save me」。浮遊感のあるシンセの音に包まれて、ひとり、ふたりとステージを去っていく。余韻を残したまま暗闇にKenが消えて本篇は終了した。

 

アンコールではジャーニーの「オープン・アームズ」に引き続き、Kenのメタル・オタクっぷり全開の2曲を立て続けに投下。GRAND SLAMのカバー「Into The Night」ではメンバーが白田のソロを煽りたてフロアも一気に爆発! この日一番の盛り上がりを迎えたまま、最後は「My Angel」。笑顔で歌うKenを目の前に人々の手が揺れ、銀テープが舞い、会場全体が大合唱!! 温かい合唱に包まれて、メンバーがひとりずつ退場していく。鳴りやまないアンコールの中、会場に轟音が鳴り響き、ステージ上のライオンのオブジェが8月15日に行なわれるイベント”JACK IN THE BOX 2009 SUMMER”への参加、そして今秋のツアーDVD発売の決定を告げる。そして再びKenが登場! 本日二回目の「”S”」がプレイされた。思いっきり歪んだハードな曲に合わせてステージもフロアも最後の力を振り絞って大暴れ。音の粒と歓声にお互いに攻撃されて完全燃焼で幕を閉じた。

 

 

自然体だなぁ、と心から思う。やっている音楽はめちゃめちゃロックで攻撃的だ。だけど、Kenのライブにはあまり緊迫感というものが感じられなかった。おそらく誰よりもKen自身が自然体で素直にライブを楽しんでいるからだろう。自らのMCでも吐露していたが、ツアー序盤では”子犬みたいに小さくなってビビっていた”ほどの大先輩に囲まれ、”楽しませてもらってます”と何度もくり返したKen。その笑顔はもはやアーティストというよりも、ただのメタル大好き少年のそれだったように思う。全力でステージを楽しむKenに自然体の強さをまざまざと見せつけられた夜だった。

撮影:三吉ツカサ 文:佐々木はるか

 

【SET LIST】
01. Spin Along
02. “S”
03. Deeper
04. 浮游
05. In A Broken Dream
06. Relax Over
07. Speed
08. In Physical
09. ETERNAL REST
10. Viva La Diva(美しき生命)
11. Lover Boy
12. NERVOUS
13. STREET ROCK’N ROLLER
14. Gimme Your Name
15. Please don’t leave me
16. Save me
~encore 1~
17. Open Arms
18. Feeling High
19. INTO THE NIGHT
20. My Angel
~encore 2~
21. “S”

[ken オフィシャルサイト]

 

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