ライブレポート/BINECKS

ライブ/イベントレポート by 編集部 2009年4月28日

ファン待望! ニュー・アルバムをリリースしたBINECKSの、初フル・スケール・ショー。

BINECKS LIVE TOUR 2009 -Permanent Crystals-
2009年3月27日(金) 赤坂ブリッツ

ギター・マガジン2009年4月号でも特集しているように、DAITA率いるBINECKSがメジャー1stフルレンスとなる『Permanent Crystals』をリリースした。ハードなクランチと高度なテクニックによって構築されたギター、そのサウンドに乗ってキャッチーなメロディを歌うボーカル……と、彼がこのバンドでやりたかったスタイルが十二分に表現されたアルバムだ。

そして本作を完成させたことで、本人の言葉を借りれば”はじめてちゃんとしたライブができる”という状態になった。今回のツアーこそが、BINECKSの本質を観ることのできる、重要なステージなのだ。

東京会場は赤坂ブリッツ。まだまだ新しいライブ・ホールだが、きれいな内装はさわやかなBINECKSのイメージとの相性もバッチリ。会場内はフロアもシートも多くのファンで埋められていて、場内が暗転する頃には、客席からムッとする熱気さえ感じられた。男女比は五分五分といったところで、カップルで観に来ている人も多そうだ。

そして始まった初のフル・スケール・ショー。まずはアルバムの1曲目でもある「Material Z」だ。ハードロック/ヘヴィメタル・スタイルの本曲は、オープニングにはピッタリのナンバーで、すぐさま会場から大きな声援を引き出す。

DAITAはSIAM SHADE時代から愛用するトム・アンダーソンのThe Classicでプレイ。楽曲の勢いを作りつつも、堅実にプレイしているという印象だ。逆にKEITAの歌声は初っぱなからフルスロットルといった感じで、あのちょっとクセのある歌唱がまた何とも言えない粘りを生み出している。

続く2曲目も同アルバムに収められ、2ndシングルでもある「REAL」。ここでもはやり、安定感のあるプレイを聴かせる。ライブだからといって勢い重視にならず、しっかりと曲の良さを伝えるというのがDAITAの真骨頂である。

メジャー1stシングル「GLORY DAYS」でのソロも、CDと同じフレーズをしっかりとプレイする。記念すべき1stシングルとなれば、ファンにとっても思い出深く馴染みの1曲と言えるだろう。であれば、CDどおりのプレイを聴きたいというのがファン心理というもの。リスナーの立場に立っても考えている、彼のこだわりが出たシーンである(ちなみにレコーディング機材とライブ機材でまったく同じものを使うというのも、彼の譲れないこだわり!)。

ワウを絡めたリードが濃厚だった「Earth Rider」、「Original Beat」では自らがプロデュースするギター・ブランド”G-Life”の、真っ白いボディがまぶしいスノー・ライフでプレイ。曲間では鉄製と思われるスティック(客席からは、音叉のようなものに見えた)を使って、スクラッチ音も演出した!

今回のライブでは、今後リリースされるであろう新曲も披露された。スタートから元気なコーラスがこだまする「Blue Feather」はすぐさまファンに気に入られ、早速腕と同時に声援が上がる。

同じく新曲「Freesia」は一緒に歌いたいというKEITAの提案から、始めにコーラス・パートをちょっとだけ練習。その甲斐もあってか、こちらもすぐに盛り上がり、シンガロングするコーラスも大成功となった。聖飢魔IIの「WINNER!」的な部分もある本曲からは、ジャパメタの系譜も感じられたのだった(どちらの曲も、”いかにもジャパメタ”という感じではないけれど/笑)。

そんなわけで、ステージは終止勢いよく進んでいく。デジ・ビートの「Labyrinth Dance」、ビカビカのライトがステージ上方から降りてきた「Flash Love」では、DAITAもいよいよテンションMAXで、ベースのBOHに寄り添いヘッド・バンギングをキメるシーンも! TESSEYのあやつるプログラミングもまったく違和感なく生楽器にとけ込み、「THE SUN」での厚いサウンドもCDとまったく変わらず再現していった。

そしてショーは本篇を終え、バンドは一旦ステージ・サイドへと下がっていった。

すぐさま始まったアンコールに呼ばれ、彼らも間を開けず再登場。

「名も無き星」からスタートしたアンコールは、ディーン製のVシェイプに持ち替えた「Shout of our soul」に流れていく。たぶんCまで下がっていただろうチューニングのおかげで、ここまでになかったヘヴィ・サウンドが轟く。ギターのルックスも今までとは雰囲気が違うので、パワフルなもうひとつのBINECKSを観られた気がした。

続く「Get it Back」もVシェイプでの演奏だ。本曲はそれこそボトム命の重量級チューン。”CDの音質のまま”にこだわるDAITAだが、この時ばかりはライブ・バージョンのほうが勢いも音圧も上回っている! DAITAの動きも曲に負けじとアグレッシブで、ファンもそれを後押しするかのように”オイオイ”と大声でステージを盛り上げた。中にはお母さんに連れられた女の子もいたが、大人顔負けのロック・ファンと化して、拳を振り上げるのだった。

大ラストの「Deep Pressure」を演奏し終え、本日のコンサートは幕を閉じた。

冒頭で述べたように、アルバムをリリースし曲がそろったことで、バンドの魅力、DAITAの魅力の全面を出すことができたコンサートだっただろう。ギター・キッズ垂涎のハイ・テクニックからボトムを震わすリフ、爽快なロック・チューンからバラードまで、あらゆる側面で彼らの良さは十二分に発揮されたはずだ。

本ツアーはアルバム発売記念ということもあって、各地方をじっくり回るというものではなかった。故に、観に行きたいが行けなかったというファンも少なくないことだろう。だからDAITAには、次はもっと客席との距離の詰まった各地のライブハウスをロードし、間近でギター・プレイを見せてくれと伝えておこう!

文:岡見高秀(ギター・マガジン編集部)

[BINECKS 公式サイト]

[DAITA 公式サイト]

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