Vol. 28 抑えた歪みのブルージーなソロ

ギター・サウンド・テクニック by 細川圭一 2013年12月3日

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本セミナーはエレキギターの音作りに関するさまざまなテクニックを紹介していく連載です。今回はオーバードライブとレスリー・シミュレーターを使ってブルージーなソロを演奏します。

オーバードライブ+レスリー・シミュレーター

今回の動画では、ブルースっぽいソロフレーズをやや渋めの音色で弾いてみました。オーバードライブは歪み(ドライブ)を控え目にセット、ギターの原音を生かすようにし、レスリー・シミュレーターも使用したのですが、割と浅めにかけています。

基本的にエフェクターというのは、深くかけていけばいくほど、その音自体がアンサンブルにおいて引っ込んでしまうという傾向があります。エフェクターによる効果と、フレージングやニュアンスがもたらす効果のバランスを常に考えながら全体を構築していくことがとても大切だと思います。というわけで、まずは動画をチェックしてみてください。

エフェクター解説

今回使用したMaxon OD-820というオーバードライブは、比較的ナチュラルなアンプの歪みを再現してくれるもので、“劇的な変化”というよりはアンサンブルにおいて非常に強いギター・サウンドをもたらしてくれるエフェクターです。

レスリー・シミュレーターのHughes and Kettner Tube ROTOSPHEREは、オルガンなどで用いられる回転スピーカーの効果をもたらしてくれるエフェクターです。こちらは真空管内蔵ということもあり、歪みとの相性が非常に良く、とても美しいウェーブを再現してくれます。

フレーズ解説

フレーズ自体は今回のテーマでもある“抑えた”ということを基調にしており、カウンター・メロディ的発想です。ガンガン前に出て行く感じではなく、バッキングの延長線上にあるソロ、またはオブリの発展形というイメージで、“渋め”という印象を目指しました。

このようなフレーズの場合、ウェーブ系のエフェクターをかけるとフレーズ全体の印象を和らげる効果につながる場合が多いと言えます。

演奏上のポイントは、ユニゾン・チョーキングとハーモナイズド・チョーキングを使用しているところでしょう。これらのテクニックでは高い音程のコントロールが大切になります。特に、Fender Stratocaster系のトレモロ・ユニットが付いているギターの場合、チョーキング時に全体の音程が下がってしまいがちなので、そこを踏まえて高い音程の弦も同時にチョーキングするなどの工夫が必要です。

またバッキング・パターンとの絡みで、小節の頭に8分休符が多く入っています。テンポが速くないので緩く弾いてしまいがちですが、こうしたフレーズでは8分の感覚をしっかりキープしていくことが大切だと思います。

さて、今回“ギター・サウンド・テクニック”は最終回となりました。観に来てくれた皆さんに感謝しますとともに、これからも楽しくギターを弾き続けていってほしいと思います。

ありがとうございました。

Keep On Rockin’ !

 

使用機材

ギター:Fender Stratocaster

st_alder

オーバードライブ:Maxon OD-820

Maxon

レスリー・シミュレーター:Hughes and Kettner Tube ROTOSPHERE

rotosphere

アンプ:Fender Twin Reverb

Twin

 

本連載の内容の一部は、下記の書籍ともリンクしています。

細川圭一

細川圭一

ギタリスト/コンポーザー/アレンジャー/プロデューサー。アーティストのサポートでは加藤慶之(RAG FAIR)、w-inds、林田健司、川村結花、まるで六文銭のように、GILLEなどのライブやレコーディングに参加、またアニメーション作品(『夏目友人帳』、『学園アリス』)のサウンド・トラックにも参加し、舞台音楽も手がけるほか、海外でのギター・クリニックも行っている。

Photo:Takashi Yashima

音源制作協力:

  • 音源素材レコーディング/ミックス:田中毅(LUKES)
  • 音源素材アレンジ/プログラミング(エレキギターで楽曲に魔法をかけるアレンジ&エフェクト・テクニック):山崎泰之
  • ドラム(正しいリズム感が身に付くカッティング・レッスン):佐久間亮(ザ・ショッキング)


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